ラ・スクムーン:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ラ・スクムーン
ラ・スクムーン
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ラ・スクムーン

1973年6月16日公開、108分
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「ラスベガスの男」のジョゼ・ジョヴァンニが、若い時ペルピニヤン・サンテ監獄で知り合った実在の一匹狼をモデルに書き下した小説を自ら脚色し監督した。原題の「ラ・スクムーン」とは、コルシカ島の隠語で“死神”という意味である。製作はレイモン・ダノン、撮影はアンドレアス・ヴァインディング、音楽はフランソワ・ド・ルーベが各々担当。出演はジャン=ポール・ベルモンド、クラウディア・カルディナーレ、ミシェル・コンスタンタン、エンリケ・ルセロ、アルド・ブフィ・ランディなど。

ストーリー

一九四三年の夏が終ろうとしている南仏の港町マルセイユ。当時、この町は〈フランスのシカゴ〉と呼ばれる程の暴力街だった。暗黒組織の力は政界や警察にまで君臨し、ビアノバという男が支配していた。ザビエ(ミシェル・コンスタンタン)はその組織でも有数の勢力を誇っていたが、それを快く思わぬビアノバは彼を罠に陥れ、投獄させた。ザビエの妹ジョルジア(クラウディア・カルディナーレ)は、暗黒街“ラ・スクムーン”と呼ばれている、兄の弟分ロベルト(ジャン・ポール・ベルモンド)とその用心棒的存在のミグリ(エンリケ・ルセロ)に相談した。これを知ったビアノバは殺し屋をさし向けたが、失敗し、新たにロベルト暗殺を計り、逆に裏をかかれ倒され、縄張りのカジノを奪われてしまう。ザビエの無実を主張して、ロベルトの活動が始まったが、判決は強制労働二十年と決定した。ロベルトの脳裏に浮かぶのは、自分の父が監獄で死に、彼の父は銀行強盗の犯人として射殺され、自分一人の力だけで生きてゆかねばならなかった幼い日々のことであり、冷たい世界の風当りの中で生きてゆくために暗黒街に乗りだすしかなかった悲惨な日々のことだった。二人には孤独な人間の絆としての肉親以上の愛があった。ザビエを救うには最早脱獄計画しかなかった。ジョルジアとミグリにカジノを任せ、ベルガルト監獄へ赴いたが、その間、カジノに黒人が流れ込み暴れ始めた。その危機はロベルトに急報され、凄絶な拳銃の応酬が開始された。その結果、ロベルトはザビエと同じ監獄に送られ、強制労働二十年を言い渡された。入獄後、彼はザビエの消息を知ると自ら罪を重ねて独房入りし、やつれ果てたザビエとめぐり逢った。……一九三九年第二次世界大戦勃発。ロベルトのために生死を賭けたミグリも横死をとげ、ジョルジアは場末の町で小さな酒場をやりながら二人の出獄を待った。今はもう若いとはいえない年齢を迎え、いやしがたい孤独の翳が色濃かった。……やがて終戦、フランス国土復興のため、ドイツ軍が埋めた不発弾除去作業に従事していた二人だが、爆発した不発弾によってザビエは左腕を失った。 一九四六年、連合軍駐留で賑うパリ。ロベルト、ザビエ、ジョルジアは再会した。ロベルトは新興キャバレーの用心棒となって、二人を養っていたが、片腕となったザビエは荒んだ毎日を送っていた。取り戻し難い昔の勢力を振り返ってロベルトは焦った。愚かな人生の行きつく果て、せめてその終りだけでも安らぎがほしかった。ザビエやジョルジアの生活のために牧場を買おうと彼は、キャバレーの所有権を奪おうとしたが、暴力組織は彼の甘い考えをせせら笑うようにザビエとジョルジアを殺した。拳銃に弾丸を込めると、ロベルトは霧の街にでた。黒いソフトに黒いコート、若い頃から好きだった真っ白いマフラーを無雑作に巻きつけて、狼どもの待ち受けるモンマルトの丘に向った。この夜以来、ロベルトを、ラ・スクムーンの名を誰も耳にする者はいなかった。

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作品データ

原題
La Scoumoune
製作年
1972年
製作国
フランス
配給
NCC
初公開日
1973年6月16日
上映時間
108分
製作会社
リラ・フィルム


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