野ばら:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
野ばら
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野ばら

1958年8月23日公開
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ハンガリー動乱の際、オーストリアに逃れてきた孤児の少年が、ウィーン少年合唱団員となるまでの心温まる物語。監督は戦前「青い木の実」が公開されているマックス・ノイフェルト。脚本は彼自身にカール・ライターが協力した書下しで、撮影は「巨人ゴーレム(1936)」「吼えろ!ヴォルガ」で戦前美しい画調をみせたチェコ映画界出身のヴァクラフ・ヴィッヒがあたった。音楽はハインツ・ノイブラント。主演の少年は「菩提樹」に出演した、「わが青春のマリアンヌ」でデュヴィヴィエに見出されたミハエル・アンデ。その他「会議は踊る」「第三の男」のパウル・ヘルビガー、エリノア・イェンセン、ヨゼフ・エッガー、カール・ベージガー等が出演し、ウィーン少年合唱団が耳に親しい数々の名曲を劇中に合唱する。特にこの映画のため「陽の輝く日」「歌声ひびけば」の二曲が新しく作曲された。製作エドゥアルト・ヘーシュ。

ストーリー

動乱のハンガリーから、オーストリアにたどりついた、ひとりぼっちのトニー少年(ミハエル・アンデ)と愛犬のフロッキは、収容所行のバスにも乗り遅れて途方にくれているところを、昔ドナウ河の汽船の船長だったというブリュメル老人(ヨゼフ・エッガー)に救けられた。そして、老人と少年と犬とは、楽しい毎日を過しはじめたのである。ある日曜日、教会のミサでウィーン少年合唱団の歌うミサ曲の調べを聞いたトニーは、たちまち美しい声に魅せられ、合唱団入りを夢見るようになった。トニーに音楽の天分があることを知ったブリュメル老人は、少年の幸福のためにも、彼をウィーン少年合唱団に入れる決心をした。老人と共に合唱団を訪れたトニーは、親切な団長(パウル・ヘルビガー)の計らいで試験をパスし、誰からも愛される団員の一人になった。しかし、トニーにとって唯一つ淋しいことがあった。それは、週一度の家族との面会日に、彼には贈物を沢山もってやってきてくれるママのいないことだった。そうしたトニーを、寮母のマリア(エリノア・イェンセン)は優しく愛してくれた。夏がきて、合唱団は東チロルの山荘に、アメリカ演奏旅行にそなえて合宿した。ところがある日、マリアの部屋にあった千シル紙幣が紛失した。その前の晩、花束を送ろうとマリアの部屋に行ったトニーが、何か一枚の紙きれを持出したのを見た団員がいた。トニーは団長に調べられた。山荘に来あわせていたプリュメル老人もトニーを問いつめた。トニーは何にも言わなかった。そして、谷川に向っていきなりかけだし、橋から転落して気を失った。容態は危険をつげた。その時、なくなった筈の紙幣がみつかり、あの夜トニーが持出したのは、マリアの写真だったのが解った。野外ミサの“アヴェ・マリア”の大合唱の歌声の響くうちに、トニーは意識をとりもどした。やがて演奏旅行出発の日がきた。ブリュメル老人と愛犬フロッキは合唱団のバスをいつまでも見送った。

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作品データ

原題
Der Schonste Tag meines Lebens
製作年
1957年
製作国
ドイツ
配給
東和
初公開日
1958年8月23日
製作会社
ドナウ


[c]キネマ旬報社