モンパルナスの灯:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
モンパルナスの灯
モンパルナスの灯
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モンパルナスの灯

1958年9月30日公開
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貧困と病苦のうちに三十六歳にしてモンパルナスに果てたエコール・ド・パリの異色画家モジリアニの晩年を描くこの作品は最初「歴史は女で作られる」「輪舞(1950)」のマックス・オフュルス監督によって計画され、「愛情の瞬間」のアンリ・ジャンソンとの協力によって脚本が書かれたが、オフュルスの急死によって、「怪盗ルパン」「現金に手を出すな」のジャック・ベッケル監督にひきつがれ完成されたものである。ベッケルの意志により、元の脚本に大幅の改変が行われたため、ジャンソンは激しい論戦の末、自分の名をタイトルから削ってしまったという曰くつきの作品である。原作はミシェル・ジョルジュ・ミシェルの「モンパルナスの人々」。「歴史は女で作られる」のクリスチャン・マトラが撮影を監督し、音楽はポール・ミスラキ。出演者は「夜の騎士道」のジェラール・フィリップ、「恋ざんげ」のアヌーク・エーメ、ドイツ出身のリリー・パルマー、「眼には眼を」のレア・パドヴァーニ、「殺人鬼に罠をかけろ」のジェラール・セティとリノ・ヴァンチュラ、「ノートルダムのせむし男」のマリアンヌ・オスワルドなど。製作はラルフ・ボーム。

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ストーリー

一九一〇年代のモンパルナス。貧窮の身を酒にまぎらせるモジリアニ(ジェラール・フィリップ)の、孤独と病苦にさいなまれた姿がそこにはあった。かつて恋人だったロザリー(レア・パドヴァーニ)の酒場で酒をあおり、虚無的な心のいらだちをベアトリス(リリー・パルマー)の部屋で、荒々しい動作に示し、巷をさまよい歩く彼を、愛し力づけてくれるのは、同じアパートに住む画商スボロウスキー(ジェラール・セティ)だった。子供のように純な才能をもつ画家“モジ”の心を、同じ苦しい生活をしながらもスボロウスキーは認めていた。そうしたある日、モジリアニに新しい恋がめばえた。相手は画塾の生徒で、清純なジャンヌ・エビュテルヌ(アヌーク・エーメ)という若い女性だった。二人の心は結ばれ、彼女は家族を捨ててモジリアニのもとにくることを誓った。しかし、官吏の父はそれを許してくれはしなかった。傷心のモジリアニは、再び失意を酒におぼれさせる。極度の健康悪化におちいった身を、ロザリーの店のベッドに横たえるモジリアニを、スボロウスキーは南仏のニースに転地させた。輝く太陽と青い海のあるニース。そして、恋しいジャンヌの突然の出現。小康を得たモジリアニの、愛の生活と、平和な制作活動がはじまった。しかし、そのつかの間の日々の後にはまた、パリでの苦難の生活が待っていた。女パトロン、ベルト・ウェイルとスボロウスキーの尽力で開かれた個展の不評。彼の絵を商業ポスターの図案に使おうとしたアメリカの富豪。仕事に対する自信を失い、空腹と絶望にさいなまれたモジリアニは、妻との生活の糧を得るために、デッサンをもって街の酒場をさまよい歩いた末、警察病院で行路病者として死んだ。モジリアニの才能が、死後はじめて世に知られるであろうことを予測していた画商モレル(リノ・ヴァンチュラ)は、秘かに彼の死を見とどけると、何も知らぬジャンヌが残っている彼の部屋を訪れた。今は遺作となったモジリアニの数々の作品を、片はしから買いとろうとするモレルを前にジャンヌの目は泪にぬれていた。「彼はどんなに喜ぶでしょう……本当に長い間、あの人は認められなかったのですから……」と。

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作品データ

原題
Montparnasse 19
製作年
1958年
製作国
フランス
配給
東和
初公開日
1958年9月30日
製作会社
フランコ・ロンドン・フィルム


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