世界に鳴る女:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
世界に鳴る女
世界に鳴る女
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世界に鳴る女

1919年公開
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「黄金の髑髏」や「無頭騎手」と同じく、ヨーロッパ製の連続活劇。本映画はアメリカではパラマウント社から大々的に発売されたが、興行上の都合とかで随分切り縮められたとの事である。しかし日活の公開したこの映画は原本のままだそうである。もっとも広東に於ける騒動がカットされたそうであるが。出場人員五万人、製作年月十八ヶ月。監督は、「ヴェリタス」に於てひろく知られているヨーエ・マイ氏である。主役を演ずるのは「ヴェリタス」や「女の秘密」で確固たる演技を示したミア・マイ嬢で、ヘンリー・ツエ氏が相手役の中国人に扮している。第二篇では、「ホワイト・チャペル」主演のミーレンドルフ氏が悪役を演じていたる。その他、「アルゴール」のエルンスト・ホフマン氏、名優ベルンハルト・ゲッツケ氏が端役で顔を出している。(無声、全八篇)

ストーリー

〔第一篇〕デンマークからはるばる中国の広東へと家庭教師になりに来たモードはこの地に莫大な勢力を有する悪人の頭目ハイ・フンに捕われて妓僂に幽閉せられる。しかし、彼女は船中で知合いとなったキエン・ルン博士に救けられた。博士が後にフンに殺され様とした時それはモードの尽力によって助かる。博士がモードに結婚の申込みをした時に、モードは我が父母を殺し又己れの生涯を破壊した男に復讐しなければならぬ。結婚などに耳を傾ける暇がないという。 〔第二篇〕モードの父は終身秘書官としてデンマークの外務省に務めていた。妻の病気の為に金を借りたが、その金を貸したのはマーフィー男爵ともフローナー博士とも称する男で借金を楯に対支密約書を奪ってしまう。責任を重んじて父は自殺し、母も卒倒した。モードは仇と知らずに博士の為に密約書を中国語より翻訳する。又博士と恋に落ち、知らずして彼等の手先に使われ牢獄に迄入ってしまう。牢獄内で子供を生んだが、出獄の時は子供は死んでいた。加うるにフローナーは大臣の婿となっていた。やっと己が欺された事及び父母の怨を考えた彼女はこの讐を報じ様と決心した。中国には大古のより埋れたる「シェバの女王」の宝がある。第二のモントクリスト伯爵となって彼に復仇してくれんものをと叫んだ。この話しを聞いたキエン博士は己が愛する女を一人でやる事は出来ない。己も共に行くとモードの手を握る。 〔第三篇~第八篇〕中国の僻地でモードは牧師の言葉により、復讐を戒められ、一旦は断念するが又思い返す。この間博士と領事とが恋敵として反目し出す径路もある。しかし、オフィルの都でアランという恋人を得たモードは、故郷へ帰る道すがら、今までの種々な危険や出来事は、まるで夢のような気がする。これからは、ただ平和に暮らしたいと願う。15年の月日、彼等は幸福であった。しかし、急にフローナーの毒手は恋人までも奪った。復讐だ。牧師の説教は耳にも入らぬ。一方モードに失脚せしめられたフローナーは16年の昔捨てた我が子を思い出す。今の敗残の身には肉親の者が慕わしい。今まで余りに国家のためにのみ働いて、家を省みなかったことを悟る。クレドは深い事情を知らずに父のため、母をなだめようとする。又一方我が子と知らずに、クレド--これは頼りなき今の我が身の唯一の慰めである--をフローナーに取られまいとするモードの取ったあの哀しい手段。かくて、モードが我が子を抱きしめ「本当に母を愛してくれるなら、もうお父さんのことを尋ねないで」という悲痛な言葉で幕は閉じられる。

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作品データ

原題
Die Herrin der Welt The Mistress of the World
製作年
1919年
製作国
ドイツ
初公開日
1919年
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社