若き日の恋:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
若き日の恋
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若き日の恋

公開日不明
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「美はしの人生」のハンス・ステューヴェ氏と「六十八番の花嫁」のエルガ・ブリンク嬢とが共演する映画で、ハンス・ティントナー氏が脚色及び監督に当たり、「眠れよ我が児」のフレデリック・フュグルザング氏が撮影した。ヤコブ・ティートケ氏、イダ・ペリー嬢、ラルフ・レッティンガー氏、アニタ・ドリス嬢、イルゼ・ボイマン嬢等が助演している。(無声)

ストーリー

フランクフルトに住む帝室評議員老ゲーテは息子のウォルフガングが未だ学業の途中にありながら、ともすえば若き日の恋に陥り勝ちなのを心配していた。ライプチッヒからストラスブルグの大学へ転校させたその彼から二週間目に手紙が届いた。母親の幼友達に当たる裁判所書記ザルツマンを訪問したこと、そして彼が今後自分の勉学の面倒をみてくれることになったことなどが記されてあった。然しその実、ウォルガングはストラスブルグに於ても余り学課には熱心でなかった。彼の姿はしばしば舞踏教師ザウバーの家に見うけられるようになった。ザウバー家には美しい令嬢がいた。だが令嬢に対する彼の恋が亡しく却けられた時、ウォルフガングは憂鬱になってゆく自分をどうすることも出来なかった。これを見て心配したザルツマンは医学生ワイランドのすすめに従い気晴らしのためウォルフガングを牧師プリオン家へ伴ってゆくことにした。こうして秋晴れの爽やかな日曜日の朝、ウォルフガングは学生達とゼーゼンハイムに居る牧師の家を訪れた。彼はそこで牧師夫妻とそして三人の令嬢サロメア、ヤコベア、フリーデリケと相識った。快活な、いずれ劣らぬ美しい令嬢達は、みなゲエテの心を惹いたが、わけてもフリーデリケの楚々たる容姿は彼の心を未だかつて覚えざりし愛着の念を起こさせた。フリーデリケもまたこの若者に心を惹かれずにはいなかった。それから暫くの間、二人には幸福の日がつづいた。けれどもこの楽しい二人の夢も間もなく破られねばならなかった。牧師の妻はわが娘に対する世評を気遣ってウォルフガングに両親か婚約の許しをうけて来るようにと申し出た。勉学の途中にある息子が相手もあろうに田舎牧師の小娘と結婚するということを聞いた老ゲエテは、息子の将来のため家名のためその不心得を諭したが、ウォルフガングの固い決心は容易に翻りそうにない。彼のこの決意を読んだ父親はザルツマンにその解決法を頼んだ。そしてザルツマンはウォルフガングに知られぬようにフリーデリケに一什始終を物語った。ウォルフガングの仕合せを願うならばどうか彼のことを思い切ってくれと言われたフリーデリケはどんなに悲しく切なかったであろう。しかしそれより他に途のないことを知った彼女は悲しい決心をしなければならなかった。かくてウォルフガングに対する彼女の態度は急に変わった。若者は恋人の不実を詰って去った。それから八年は過ぎた。ゲーテは今ではワイマール公カール・アウグストに重用され二十九才にして大臣の栄職につき、その詩藻からは既に世界的に傑作が生み出されていた。一日ワイマール公は騎乗を思い立たれゲエテもそのお伴を仰せつかった。途上たまたま思い出のゼーゼンハイムを過ぎ、ゲエテは懐かしき牧師の家の庭を踏んだが八年の星霜は昔の面影を殆どとどめなかった。しかし愛人フリーデリケは未だに両親と淋しく暮らしていた。そして彼女の胸に秘められていた真の心持を打開けられた。だが、この楽しい会見も束の間、侯爵の随伴としてゲーテは熱い口づけを残して恋人に別れを告げるべく余儀なくされた。次第に遠ざかってゆく牧師の家、淋しそうに飽かず見送る恋人の姿、馬上のゲーテは今更のように楽しかった青春時代を追想するのであった。

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作品データ

原題
First Love
製作国
ドイツ
配給
富士キネマ
製作会社
アトランティス


[c]キネマ旬報社