白魔:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
白魔
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白魔

1929年公開
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「ロベルト」「東洋の秘密」と同じくアレクサンドル・ヴォルコフ氏の監督作品で、トルストイ伯の小説『ハジ・ムラート』からヴォルコフ氏とミシェル・リンスキー氏が脚色、「月世界の女」のクルト・クーラント氏とニコライ・トポルコフ氏とが担任。「ロベルト」「悪魔の寵児」のイワン・モジューヒン氏が主演し、「二重結婚」「アスファルト」のベティ・アマン嬢、「ハンガリア狂想曲」のリル・ダゴファー嬢、フリッツ・アルベルティ氏が助演している。

ストーリー

帝政ロシア華やかなりし頃、絵のようなコーカサス山脈の山腹に皇帝ニコライ一世に降るを潔しとしない戦い好きな一族が住んでいた。一夜この村に旅から旅へとさまよい歩く楽士の群が辿りついた。村の若者共が、その楽の音に合わせて無心に踊り興じている折、突如ロシアの大群が彼らを襲った。そして多くの捕虜を生け捕って意気揚々と引き上げて行った。その時、怒りさわぐ村人の為に奮然起ったのは、その雪白のいでたち故に「白魔」と名づけられ、村人の親愛を一身に集めている侠雄ハジ・ムラートであった。彼は部下の乗馬隊を率いてロシア軍の後を追い奇計を用いて彼等を悩まし見事村人の復讐をした。ハジ・ムラートの侠勇を快しとしないのは同じく一方の旗頭であるシャミールであった。彼は巧みに言を以って村人をあざむき、ハジ・ムラートに叛かせる。彼は今は自ら敵とするロシアに身を逃れるより他はなかった。一代の英雄の亡命をロシアは喜んで迎えた。そして様々の手段を以て彼にコーカサス民族の平定を頼みこんだ。併しハジ・ムラートは例へそむかれても、あくまで故郷を愛する愛国の士である。皇帝の命令にも、心を奪うような美女の誘いにも彼は更に屈し様とはしなかった。併し或る夜宮廷に催された舞踏会の席上で、ハジ・ムラートは踊り子の群れの中に一人の少女を見た。村に在りし日、共に踊り共に語り、いつしか心にしみていた乙女であった。故郷を思う心と人恋しさとが一緒になって、彼は乙女を愛し始める。やがてハジ・ムラートは皇帝もまたかの少女サイラにお目が留まったことを知る。併し豪胆な彼は皇帝の面前から悠々と少女を奪い去り、そのまま堂々とサイラを我が妻とした。思う女を奪われた皇帝は烈火の如く怒り給もうた。彼はハジ・ムラートをコーカサスに送り返すよう、また少女は人賦として参謀本部に引き止めて置く様にと命を下した。サイラと別れて、何の命ぞ!復活祭の夜、隙をみすましてハジ・ムラートは恋妻と共にロシアを逃げる。故郷へ。しかし彼の逃亡を知ったロシアの軍隊は彼を追った。彼は傷ついた。だが故郷への愛着は遂に瀕死の彼をかつてコーカサス山中へと送った。再び見る故郷の山河。若い妻と老いた母、それに一人の幼児とに取囲まれたハジ・ムラートは、にっこり漏らした微笑と共にその多難な若い命を終えた。

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作品データ

原題
Der weisse Teufel
製作年
1929年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1929年
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社