血痕:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
血痕
血痕
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血痕

1949年10月公開
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「女ざかり」のジャン・ドレヴィルが監督したマジェスティク・フィルムの一九四六年作品で、脚本は「聖バンサン」のジャン・ベルナール・リュックのオリジナル物である。主演は「聖バンサン」「弾痕」のピエール・フレネーでワキ役の練達バルペトレ、「聖バンサン」のジャン・ドビュクール、少年俳優の新顔ロジェ・ロジェが共演する。撮影は「女ざかり」のアンドレ・トーマが指揮し、音楽は「乙女の星」のルネ・クロエレックが作曲している。

ストーリー

パリ近在の村にクロオ・フォンテーヌという孤児院がある。ある夜、夜もふけて静かな街道にオートバイの音が聞え、孤児院に一つの影が忍び込み、まっ直ぐ洗面所に入った。ちょうど眼をさましていた孤児クラランスは、恐る恐るこの訪問者を目撃した。男は血とシャツの血を洗面所で洗ったのである。院長のルーベルジェーは、翌朝孤児たちに当院出身の名士ソーヴァルを紹介したが、クラランスは不審に思った、昨夜の訪問者だったからである。しかし何も知らない他の少年たちはソーヴァル氏を迎えて熱狂した。ソーヴァルは配達された朝刊新聞を異常な興味をもって読み、読み終るとオートバイに枯草を積みガソリンを注いで火をつけた。かけ集った子供達に彼はパイプの火が移ったと説明したが、クラランスは信じなかった。新聞にはブーローニュの金持が殺され、犯人はオートバイで逃げたと報じてあるのだ。殺人事件の新聞記事は日毎に小さくなり、ソーヴァルは日毎に憂うつになった。子供たちに敬愛されるのが腹立たしくなってくるのだ。ソーヴァルは院児たちのパリ遠足の引率者の役を引受け、パリに着くと死んだ金持の女秘書を勤めていた自分の情婦のアパートへ、軽率にも子供の一人に手紙を持たせてやった。高飛びするから金を持って停車場へ来てくれと書いたのだが、停車場には二人の刑事が張っていた。ソーヴァルは高飛びをあきらめ、子供たちと一緒に乗車した。子供たちにパイプを贈られて、彼は感動しないわけにはいかなった。遠足に行かなかったクラランスは、ソーヴァルの部屋に入り戸だなにかくしてあるシャツを調べているところを、他の子供たちに見つかり、どろ棒と誤解され温室に押込められた。帰って来たソーヴァルはわけを尋ねたが子供たちは黙っている。しかし彼はクラランスを温室から出してやった。ソーヴァルは子供たちの信頼に良心を責められ、院長に一切を告白して立去る仕度を始める。奇妙に彼が好きになったクラランスは、一緒に連れて行ってと頼むが断られる。そこに裏切った情婦が様子を探りに来たが、院長は知らぬ存ぜぬと突っぱねる。クラランスは彼女がソーヴァルと親しいと思って、ソーヴァルに一緒に連れて行ってくれてと頼んでくれと頼む、この言葉で彼女はソーヴァルが居ることを知り、刑事に合図したのでたちまち捕えられる。子供たちの信頼を裏切りたくない彼は、警部に逃げはせぬから、人違いだったと子供たちに言ってくれと頼む。こうして子供たちの手前をつくろって、ソーヴァルは孤児院を立去った。ひとり真相を知るクラランスはなみだを浮かべて見送った。

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作品データ

原題
Le Visiteur
製作年
1946年
製作国
フランス
初公開日
1949年10月
製作会社
マジェスティック


[c]キネマ旬報社