女ひとり(1935):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
女ひとり(1935)
女ひとり(1935)
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女ひとり(1935)

1935年公開、105分
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「未完成交響楽(1933)」「たそがれの維納」にウィリー・フォルストを助けて脚色に当たったワルター・ライシュの監督第一回作品で、自ら原作脚色したもの。主演は「たそがれの維納」のパウラ・ヴェセリーで、維納ブルク座付のオットー・トレスラー、その二子ハンス・ユルゲル及びヴォルフ・ディーターのトレスラー兄弟、「真紅の恋(1933)」のカール・ルドウィッヒ・ディール、舞台女優たりしエリカ・フォン・ワグナー及びフリードル・ツェバ、「たそがれの維納」のワルター・ヤンセン等が助演している。音楽は「郷愁」「たそがれの維納」のウイリ・シュミット・ゲントナー、撮影は「外人部隊(1933)」「ジャンヌ」のハリー・ストラドリングが夫々担当した。

ストーリー

一九二二年のウィーン。大戦後の経済恐慌がこの国を襲い、百万長者は一文無しに、中産階級は乞食のように落ちぶれた。このウィーンに二十歳の処女ヴァレリー・ゲルトナーが国立美術学校で彫刻を学んでいた。父の死後、優しい母親は一人娘の卒業を楽しみに僅かの遺産を持ってザルツブルグで暮らしていた。ある朝この遺産も霧のように消えてしまった。預金した銀行が破産したのである。ヴァレリーは気の小さい母親にはこの悲運を知らせてはならぬと思った。その日からヴァレリーは職を求めたが、敗戦後のウィーンにたった一つ女にのみ残された職の外何があろう。焦燥の日が続いた後遂にその職に落ち込んで行く外に道はなくなった。その時一人の老紳士が彼女の前に現れた。彼はイタリアから来たトレサーニと言う富有な骨董商である。幸福な家庭に賢い妻と成人した息子二人を持つ彼は、何一つ不自由ない生活にただ一つ欠けた青春の感触を求めるため若いヴァレリーに近づいたのである。彼はヴァレリーがどんなに苦しんで貞操を守っているかを知った。しかし年老いた彼はそんなものを求めたのではない。若やいだまなざし、夢見勝ちな乙女の心臓が欲しかったのである。こうして二人の清らかな友情が始まったが、外の人達から見れば勿論そのままには受け取れない関係であった。トレサーニはこの上もなく幸福だった。ある雪の夜の舞踊会を約束したが、その日は妻との結婚二十年の記念日だった。トレサーニは止むなく息子達の家庭教師キンツに破約の申し出を言いつけた。ヴァレリーに会ったキンツの胸にはいつか彼女の姿が焼付けられた。ある日彼は秘々と彼女に真面目な結婚生活をする様に意見した。キンツが置き忘れた名刺から息子達はヴァレリーの住居を探り当てる。尊敬する父親の名誉を守る為キンツはこの事件を自分で引き受けた。しかしやがて息子達は父親の秘密を知った。そしてキンツに向かって彼を責めた非礼を詫びるのであった。ちょっとした行き違いが原因で一度はキンツの態度を腹立たしく思ったヴァレリーも、それがお互いの誤解に過ぎなかったこと、二人がお互いに愛し合っていることを知る。トレサーニと別れたヴァレリーがキンツと楽しい結婚生活に這入るのも間近い事であろう。

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作品データ

原題
Episode
製作年
1935年
製作国
オーストリア
配給
東和商事
初公開日
1935年
上映時間
105分
製作会社
サッシャ


[c]キネマ旬報社