ジプシー男爵:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ジプシー男爵
ジプシー男爵
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ジプシー男爵

1935年公開、105分
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ヨハン・シュトラウス作のオペレットの映画化で、ハンガリイの小説家マリウス・ヨーカイの小説をも参酌してヴィネタ・クリンガー、ワルター・ズッパー、テイボール・ヨーストの三者が協力脚色し、「F・P一号応答なし」「偽むらさき」のカール・ハートルが監督に当たり、「青春の海」のギュンター・リッタウ及びオットー・ベッカーが撮影した。音楽はシュトラウスの原曲を「別れの曲」「ワルツ合戦」の音楽監督に当たったアロイス・メリヒャルが編曲指揮した。出演俳優は「たそがれの維納」「ワルツ合戦」のアドルフ・ウォールブリュック、新星ハンシ・クノテック、「恋の日曜日」のギナ・ファルケンベルク、「炭坑」のフリッツ・カンパース、「コスモポリス」のルドルフ・プラッテ、「夜の鴬」のマルガレーテ・クップァー等である。

ストーリー

ハンガリーのバリンカの領主は二十五年以前、トルコに味方した罪で妻と一人息子を連れて国を追われた。広い荘園は荒れ果ててジプシイ達の住家となっている。領地は何処から来たとも知れぬ無学なツーバンという男のものになっていた。或る日ジプシイ娘の幌馬車を倒したツーバンをこらしめた若い男があった。彼こそは故国を追われた領主の遺児シャンドアであった。トルコで成人した彼は亡き父母の故郷を慕ってこの地に足を踏み入れたのである。物思いに耽る彼の前を若く美しい女性がツーバンの旅館へ這入って行った。彼女をツーバンの寵い者と考えたシャンドアは、旅館の前で即興の唄を歌ってツーバンを愚弄した。若い女アルゼーナは矢庭にシャンドアの頬を打った。彼はとっさに彼女を抱き込んでその唇に接吻した。そして二人はお互いに忘れられない印象を受けた。荒れ果てた城跡のジプシイ達はシャンドアの秘かな帰国を喜び、彼をジプシイ男爵と呼んだ。彼に助けられた事のあるジプシイ娘ザッフィはその時から彼を愛しているが、シャンドアはアルゼーナがツーバンの娘であると聞いてひとしお彼女に想いを燃やしている。ツーバンの邸で宴が開かれた時、シャンドアはアルゼーナと物狂しい迄に踊り狂った。彼は彼女の寝室を開いて忍び込んだが、そこにはザッフィがふるえていた。アルゼーナは何時かの接吻を今復讐したのである。怒りに燃えたシャンドアは城跡から出た財宝でバリンカ領地を買い戻した。彼が領主の遺児であり富んでいる事を知るとアルゼーナは彼との結婚を求めた。思う処あるシャンドアは赦免願いの使いが吉報を持って帰る一週間後を結婚式と定めて承諾した。花嫁の衣裳をまとって待ち兼ねるアルゼーナの許に着いたのは、ただ花婿の衣裳だけであった。美事に手痛く復讐されたアルゼーナの恥と怒りをよそに、シャンドアは広い平原に馬を走らせている。彼は一台の馬車に追いついた。それには彼の結婚を悲しんでバリンカを去るザッフィが乗っている。シャンドアはザッフィの小さな体をしっかりと抱きしめた。

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作品データ

原題
Zigeunerbaron
製作年
1935年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1935年
上映時間
105分
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社