どん底(1936):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
どん底(1936)
どん底(1936)
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どん底(1936)

1936年公開、95分
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マクシム・ゴーリキーの有名な戯曲の映画化で、フランス第一流の監督として知られているジャン・ルノワールが監督に当たったもの。戯曲の改作にはE・ザミアチンとジャック・コンパネーズが協力し、ルノワール自身「女だけの都」「我等の仲間」のシャルル・スパークと協同で脚色し、台詞を書いた。撮影は「沐浴」のF・ブルガースがジャック・メルカントンと協力し、音楽は「シュヴァリエの流行児」と同じくジャン・ヴィーネが作曲しロジェ・デゾルミエールが演奏指揮した。出演俳優は「我等の仲間」のジャン・ギャバン、「女だけの都」のルイ・ジューヴェ、「禁男の家」のジュニー・アストル、未輸入の「マイエルリンク」のシュジ・プリム、「南方飛行」のジャニー・オルト、「乙女の湖」のウラジミール・ソコロフ、「ゴルゴダの丘」のロベール・ル・ヴィギャン、「外人部隊(1933)」のカミーユ・ベール、歌い手として名あるアンドレ・ガブリエロその他である。

ストーリー

コスチレフは宿屋を業としている。宿屋とは名ばかり、地下室に木の寝台を並べただけのルンペン宿である。彼は更に金貸しであり、故買者である。地下室の特別室に居る泥棒ペペルが盗んだ品はコスチレフが捌く。ペペルはコスチレフの若い女房ワシリッサと密通している。ワシリッサはペペルが泥棒して金を貯めたら、手に手をとって逃げる積もりだ。所がペペルは彼女に愛想を尽かしている。そしてワシリッサに虐使されてる妹のナターシャの純真さに心を惹かれている。ナターシャは泥棒ではあるが、姉と不義はしているがペペルが気性の良い、強い男であることを知っていて、秘かに想っているのだが、ペペルは知らない。ペペルは一夜、或る男爵の邸宅に忍び入った。その邸宅の主人公は浪費と賭博で明日は差し押さえという境遇、ペペルは盗んだ拳銃を返せ、と要求された。自殺に入用だというのだ。どん底から浮かび出ようともがいている泥棒の子と、どん底に堕ちかけた男爵とはこうして知り合った。二人は酒を飲み賭博をして夜を明かした。それから数日後、無一文のルンペン姿の男爵は、コスチレフの宿の客となった。ワシリッサはペペルが縁を切るというのでいらいらする。おまけに贓品故買を官憲に嗅ぎつけられて、お役人がやって来た。所が此の太っちょのお役人はナターシャに思し召しがある。ペペルがナターシャに気があるのを苦にしているワシリッサは、妹をお役人に遣ってしまえば、一石二鳥、心配事が二つ片づく、と思いついた。日曜日にナターシャは姉の命令で、お役人と一緒に郊外の遊園の料亭の客となった。それを知ったペペルは、役人を殴り倒してナターシャを連れ出した。ナターシャは嬉しかった。ペペルの気持ちをはっきり知ると、彼女も恋を告白した。役人は怒ってコスチレフを詰問した。コスチレフは、ナターシャが役人の所へ謝りに行かぬ、と頑張るので怒って、ワシリッサと二人掛りでナターシャを殴り蹴った。急を聞いてペペルは駆けつけナターシャを救った。コスチレフは宿の者一同に踏んだり蹴ったり撲たれたりした揚げ句、ペペルの一撃でこと切れた。ペペルは拘引され、投獄された。ワシリッサは嫌な亭主が死んで遺産が手に入ったので、どん底を出て行った。ナターシャはペペルの出獄の日まで、今迄通りどん底の宿で暮らした。ペペルが出獄して、ナターシャと相携えて、どん底を立出た晩に、アルコール中毒の無名俳優は縊れて死んだ。ペペルとナターシャを見送った男爵は、役者のブランコ往生を見つけて、歌い騒いで居るどん底の住民達に言った、「役者が縊れて死んだ。今夜は歌は止めろ」と。

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予告編

2023/7/13(木)更新

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作品データ

原題
Les Bas-Fonds
製作年
1936年
製作国
フランス
配給
東和商事
初公開日
1936年
上映時間
95分
製作会社
アルバトロス


[c]キネマ旬報社