ジェニイの家:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ジェニイの家
ジェニイの家
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ジェニイの家

1936年公開、105分
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「女だけの都」「ミモザ館」のフランソワーズ・ロゼー、「恋愛交叉点」「商船テナシチー」のアルベール・プレジャンが、「若き日」のリゼット・ランヴァン、「我等の仲間」「南方飛行」のシャルル・ヴァネルを相手に主演する映画で、ルネ・クレールやジャック・フェーデの助監督を勤めたことのある新人マルセル・カルネの第一回監督作品。脚本はピエール・ロシエのオリジナルによってジャック・プレヴェールとジャック・コンスタンの二人が協力して書き、英文 台詞…も執筆した。カメラは「シュヴァリエの流行児」のロジェ・ユベール、音楽は「大いなる幻影」のジョゼフ・コスマとライオネル・キャゾウが、それぞれ担当。助演俳優は「みどりの園」のローラン・トゥータン及びジャン・ルイ・バロー、新進のシルヴィア・バタイユ、「地の果てを行く」「生けるパスカル(1936)」のロベール・ル・ヴィギャン及びマルゴ・リオン等である。

ストーリー

ロンドンの劇場でリサイタルに出演した若く美しいダニエルは、許嫁の青年に婚約を破棄して貰いたいと申し込まれた。青年の両親が彼女の身許を調査したところ芳しくなかったと言うのだ。自尊心の強い彼女はすぐにこの破約に同意した。そして六年振りでパリにいる母親の許へ帰る事にした。娘から突然の電報を受けた母のジェニイは、喜びと共に周章を感じた。六年前夫に別れた母は娘を音楽修業に出すために、内密でブノアと呼ぶ顔役の助けを借りて「ジェニイの家」というパリで有名なナイト・クラブを開いていたのだ。そしてふとした縁で助けた若い自転車競走選手リュシアンを深く愛していた。老いの見え初めた顔に華美な粧いを凝らし、年下の恋人に対する心がかりと経済上の破綻にジェニイは悩んでいた。心の底で彼女を愛しているブノアは、リュシアンを遠ざける為に手下の「駱駝」と呼ぶ男に二人の仲を割かせようとしていた。そしてリュシアンも女に養われている自分を不甲斐なく思って、何とか独立したいと思っていた。こういう時にダニエルが帰って来たのである。母は娘の為に上品なアパートを借り受け、本当の商売は打ち明けなかった。娘は次第に母の態度に不審を抱き始めた。或夜こっそり「ジェニイの家」を訪れた娘は、この情痴の世界を見て自分の恋が破れた訳を知った。彼女が酔った老人にしつこく絡まれている時、通り合わせて救ったのはリュシアンだった。汚れた生活を恥じている彼と、淋しい生活を悲しんでいる彼女は其の夜自動車を当てもなく走らせた。二人は何か心に通うものがあった。お互いにジェニイの事を知らないままに二人は愛し合う仲となった。娘から再びイギリスに行くと言われてジェニイは驚いたが、娘は理由も話してくれなかった。淋しさに耐えかねてリュシアンの許を訪れると、彼の心も冷たかった。若い二人がパリを離れる日に、リュシアンはブノアや駱駝と喧嘩をして頭に重傷を負った。友人は彼に内緒でジェニイから金を借りた。病院へ駆けつけた彼女は始めて彼の愛人が娘のダニエルである事を知った。娘に知られたくはない。ジェニイは秘かに病院を逃れると、恐ろしい空虚と生活の疲労に身も心も蹌々として、今はただ生きるためにのみ、唯一の自分の家、「ジェニイの家」へ帰って行くのだった。

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作品データ

原題
Jenny
製作年
1936年
製作国
フランス
配給
東和商事
初公開日
1936年
上映時間
105分
製作会社
GFFA


[c]キネマ旬報社