祖国に告ぐ:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
祖国に告ぐ
祖国に告ぐ
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祖国に告ぐ

1937年公開、96分
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「カプリチオ」「最後の一兵まで」と同じくカール・リッターが製作・監督したもので、リッターの原案により「或る女熱帯へ行く」のフィリップ・ロタール・マイリングと「カプリチオ」のフェリックス・リュッケンドルフが脚本を書いた。撮影は例によってギュンター・アンデルス担任、音楽はテオ・マッケベン担任。主演は「ヴェニスの船唄」「スパイ戦線を衝く」のリダ・バーロヴァと「最後の一兵まで」「黒衣の処女」のマチアス・ヴィーマンで、「カプリチオ」のパウル・ダールケ、「或る女熱帯へ行く」のヒルデ・ケルバー、ブルーノ・ヒュプナー、エドウィン・ユルゲンセン、ニコライ・コリン其の他が助演している。

ストーリー

第一次世界大戦の時である。暗夜を冒して敵陣地偵察に出たドイツの飛行機は、フランス軍の高射砲を浴びて墜落した。冷たい朝霧にうたれて、ペーター・トーマンは漸く息を吹きかえした。見れば愛機は無惨に壊れ戦友は既に冷たい骸と化していた。ペーターは涙をのんで機体に火を点じ、よろめく足をふみしめて歩き出した。いかに敵地深くあろうとも、命のある限り、ドイツ空軍将校である彼は祖国へ帰らなければならない。しかし負傷と疲労に困憊しきって、彼は遂にとある田舎道に倒れてしまった。そこへ通りかかったのは、前線のフランス兵士を慰問するために自動車を走らせていたマルタン老人一座の旅芸人であった。老人の孫娘テレーズは、彼を車に乗せて一緒に連れて行った。彼女の手厚い看護でペーターの傷も次第に癒えて行った。フランス語に堪能な彼は名もピエールと名乗り、誰も彼をドイツ人とは思わなかったが、彼は絶えず機を見て脱走の準備を怠らなかった。テレーズは彼に愛を感じるようになっていた。これを見て嫉妬したのは、一座の歌手であるシャルルである。彼は正体の判らないピエールをフランス軍の脱走兵だと信じて、証拠を握ろうとしていた。一座の者はテレーズと親切なニキタ老人を除けば、誰もピエールの居る事には反対だったが、仕方なく彼もハーモニカ演奏の芸人として前線へついた。テレーズは何故か彼が自分の愛を拒もうとしているのを見ると悲しかった。ペーターは彼女の愛が身にしみて嬉しい。けれども彼はドイツの将校である。彼はあくまで祖国の為に身を捧げねばならない。そして遂に機会が来た。前線で労役に使われているドイツの捕虜と、彼は脱出の手筈を決めた。だがペーターが不用意に落としたドイツ貨幣を発見したシャルルは、彼をスパイとして訴えるとテレーズを威嚇した。テレーズの悲歎は痛ましかった。それを見るとペーターの鉄のような心も砕けた。彼はすべてをテレーズに打ち明けた。彼女はニキタ老人の勧めで、シャルルの先を越して自ら彼をドイツ将校として訴えた。せめてスパイとして逮捕させたくないという悲しい思いやりからであった。ドイツの砲弾が中庭に落ちている司令部で、軍法会議が開かれた。彼女の心ざしによってスパイの嫌疑は晴れたが、感謝の念を目にたたえて収容所に曳かれるペーターを、テレーズは泣きつついつまでも見送っていた。

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作品データ

原題
Patrioten
製作年
1937年
製作国
ドイツ
配給
日本映画貿易
初公開日
1937年
上映時間
96分
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社