哀戀花火:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
哀戀花火
哀戀花火
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哀戀花火

1994年12月17日公開
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清朝末期の黄河のほとりを舞台に、花火問屋の老舗の女主人と行きずりの絵師が、当時の因習や封建制度の中で愛を成就させんとする姿を甘美に描いた恋愛映画。ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭92年ヤング・ファンタティック・グランプリとベルリン国際映画祭青年論壇賞を受賞した「双旗鎮刀客」で、一躍世界的に知られる存在となったフー・ピン監督の第4作(共同監督作を含む)。チェン・カイコー、チャン・イーモウら学院派と呼ばれる第五世代の監督たちとは世代的に近い(57年生まれ)ものの、20歳で映画界入りしたのちに豊富な現場経験を積んだフー・ピンならではのエンターテインメント指向と躍動感溢れる映像、ストーリー・テリングの妙などが見どころ。原題は、赤と緑の火を放つ爆竹花火の名称で、中国の“紅男緑女”(きれいに着飾った男女の意)という言葉と符号し、幸福を祈る意味を持つ。伝奇物語を得意とする中国の現代作家フォン・チーツァイの短編小説『炮打雙橙』を、ター・インが脚色。撮影は「菊豆」のヤン・ルン、美術は「黒砲事件」「双旗鎮刀客」のチエン・ユンシュアン、音楽は「紅いコーリャン」「秋菊の物語」「さらば、わが愛 覇王別姫」など、80年代以降の中国映画の話題作を一手に引き受けているチャオ・チーピンが担当。主演は少数民族のナシ族の血を引くエキゾティックな容姿でCFモデルやTVドラマで活躍したのち、本作に抜擢された新人ニン・チン。共演はTV『中国商人』で注目されたウー・カン、「一人と八人」のチャオ・シアオルイら。ハワイ国際映画祭グランプリ、セバスチャン映画祭特別賞・主演女優賞、珠海大陸・台湾・香港映画祭最優秀撮影賞、中国金鶏賞の最優秀監督賞・美術賞・合作映画作品賞を受賞。

ストーリー

河のほとりの爆竹の産地として有名な町で、爆竹の生産と販売を300年にわたって仕切ってきた老舗、蔡家の若き男装の女主人・春枝(ニン・チン)は、幼い頃から男として育てられた。彼女は19歳で店と全ての財産を相続して以来、店の全てを取り仕切っていた。ある冬、町に立ち寄った絵師の牛宝(ウー・カン)は正月用の吉祥画を描くために、蔡家に住み込みで雇われる。春枝は、掟に縛られた屋敷の中で、奔放に絵筆を奮う牛宝の活力に満ちた男らしさに惹かれ、彼も春枝の男装の奥に隠された女の魅力の虜になっていった。蔡家の執事・趙(カオ・ヤン)と、花火・爆竹工場の責任者である満番頭(チャオ・シアオルイ)は、「当主は決して他家に嫁入りしてはならない」という先代の遺言を守るべく、2人が親密になるのを警戒していた。牛宝と春枝は互いに好意を持っていたが、彼女は掟と責任を意識するあまり素直になれないでいた。そのジレンマに耐えかねて牛宝は屋敷内に爆竹の束を投げ込み、捕らえられて厳しい体罰で重傷を負う。その時介抱してくれた徐支配人(シュイ・チョンヨン)の「蔡家の婿になるなら爆竹を学べ」との言葉を胸に、牛宝は町を去った。春が来て、静けさを取り戻した蔡家に、爆竹の修行を積んだ牛宝が帰ってきた。彼は春枝の前で全身に巻きつけた爆竹の妙技を見せる。牛宝なりの求愛に激しく心を揺さぶられた彼女は、その夜、彼と結ばれる。男装をやめた彼女の悪い噂が町に広まり、長老たちは彼女の婿を決める爆竹合戦を計画する。戦いは牛宝と、春枝に思いを寄せる満番頭の一騎討ちとなった。だが、牛宝は競技の途中で命を落とす。悲しみに暮れる春枝は、自分の胎内に宿っている牛宝の子を生む決意をするのだった。

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作品データ

原題
Red Firecracker Green Firecracker 炮打雙橙
製作年
1993年
製作国
中国 香港
配給
TJC東光徳間
初公開日
1994年12月17日
製作会社
西安映画製作所=翁氏夥伴公司


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