カサブランカ|MOVIE WALKER PRESS
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カサブランカ

1946年6月13日公開,102分

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ワーナー・ブラザース社ファースト・ナショナル1942年度製作で、43年映画アカデミー作品賞及び監督賞を得た作品。マレイ・バネット及びジョアン・アリスン合作舞台劇から、ジュリアス・J及びフィリップ・G両エプスタインとハワード・コッホの3名が共同脚色し、古く欧州映画界から渡米し、ワーナー・ブラザース社で大衆的作品に腕を振っていた老練マイケル・カーティズが監督に当り、これも老巧のアーサー・エディソンが撮影を担当している。出演者は、スウェーデン映画界のスターで、「間奏楽」によってアメリカ映画界にデビューし、以来、「アダムには4人の息子があった」「天国の怒り」「ジキル博士とハイド氏(1941)」「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「ガス燈」(アカデミー演技賞獲得)「サラトガ本線」「セント・メリィ寺院の鐘」「呪縛」等に出演したイングリッド・バーグマンと、「デッド・エンド」等で知られたハンフリー・ボガートと英国の舞台を経てニューヨークの劇壇から映画入りをした新人ポール・ヘンリードの3人が主演し、「透明人間」等のクロード・レインズ、ドイツ映画界で「M」等に主演し後渡米して活躍中のピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、ドイツ映画界の名優コンラード・ファイト等が助演するほか、S・サコール、マドレーヌ・ル・ボオ、ドーリー・ウィルソン、ヘルムート・ダンティーン、マルセル・グリオ、カート・ボイス、コリンヌ・ムラ、レオニード・キンスキイ、ジョン・クェーレン等の老練、中堅、新人が顔を並べている。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

まだ独軍に占領されない仏領モロッコの都カサブランカは、暴虐なナチスの手を脱れて、リスボンを経由し、アメリカへ行くために、1度は通過しなければならぬ寄港地である。この町にアメリカ人リックが経営しているナイト・クラブは、それら亡命者たちの溜り場だった。独軍の将校シュトラッサーは、ドイツ側の飛脚を殺して旅券を奪った犯人を追って到着する。旅券を盗んだウガルテという男は、リックに旅券の保管を頼む。リックはこれをピアノの中へ隠す。リックと奇妙な友情関係にあるフランス側の警察署長ルノーは、シュトラッサーの命をうけてウガルテを逮捕した。そのあとへ、反ナチ運動の首領ヴィクトル・ラスロと妻のイルザ・ラントが現れる。2人はウガルテの旅券を当てにしているのだが、イルザは、この店の経営者がリックであると知って驚く。憂うつなリックは、店を閉めたあと、盃を傾けながら、彼女とのことを回想する。独軍侵入直前のパリで、彼はイルザと熱烈な恋に身を焦していた。が、いよいよ独軍が侵入して来たとき、2人は一緒に脱れることを約束した。が、彼女は、約束の時間に姿を現さず、そのまま消息を断ってしまったのだった。こうした回想にふけっているとき、イルザが一人で訪れて来た。が、彼は素気ない言葉で彼女を立ち去らせる。ラズロは闇商人フェラーリの口から問題の旅券はリックが持っているらしいと聞き、彼を訪れて懇請するが、リックは承諾しない。2人の会見の模様を夫から聞かされたイルザは、再びリックを訪れ、パリで彼と恋に陥ちたのは、夫ラズロが独軍に捕われ殺されたと信じ切っていたためであり、約束を破って姿を消したのは出発の直前、夫が無事であることが判明し、しかも病気で彼女の看護を求めていると知ったためである、と事情を語った。これでリックの心もとけ、2人の愛情は甦った。翌日、リックは署長ルノーを訪れ、ラズロに旅券を渡すからそのとき彼を捕えろ、俺はイルザと逃げる、と語り、手はずを整えさせた。が、その夜、店へラズロとイルザが現れ、ルノーがこれを逮捕しようとしたとき、突然リックはルノーに拳銃をつきつけ、ラズロ夫妻の旅客機を手配するため、飛行場へ電話をかけるように命じた。ルノーは、電話をシュトラッサーへつなぎ、暗に2人が出発しようとしていることを知らせた。飛行場へ赴いたリックはラズロとイルザをリスボン行の旅客機に乗せてやる。一足違いで駆けつけたシュトラッサーは、これを阻止しようとして却ってリックに射殺された。彼の死によって独軍及びヴィシー政府の呪縛から逸したルノーは、リックと相携へてこのカサブランカを脱出し、反独戦線に加わることを誓うのだった。

作品データ

原題
Casablanca
映倫区分
G
製作年
1942年
製作国
アメリカ
配給
セントラル・モーション・ピクチュア・エキスチェンジ
上映時間
102分

[c]1942 Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved. [c]キネマ旬報社

  • rikoriko2255

    パライバ

    4.0
    2011/9/3

    ハンフリー・ボガートありき、という映画だとしみじみ。
    ひたすらひたすらイイオトコでありまする。

    リック以外ではルノー大尉がオイシイ役。
    本当はヴィシー政権が嫌いなんだと、ヴィシー水の瓶を捨てることで示されている。

    それにしてもバーグマンの美しさはどうなの!! モノクロ映画なのにそこだけ色がある感じ。

    ラズロは「ヨーロッパ連合の父」リヒャルト・クーデンホーフがモデルと言われてはいるけれど、それなら奥さんのモデルはイダ・ローランなんだから、イルザはもっとしっかり者だったんじゃないかしら?

    映画や舞台を見続けていると、意識しなくてもいつの間にか歴史の補習ができてしまう気がする。

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  • rikoriko2255

    ミチさん

    5.0
    2011/8/21

    いろいろと勝因はあるでしょうが、やはり当代の美男、美女を主役に当てたこと、異国情緒を持ち込んだこと、当時のドイツに占領されたフランスの植民地という何重にも絡まった時代背景が秀逸です。
    「カサブランカ」が「自由」と「服従」の接点だったということと、人妻の恋が語られます。戦前の上海、冷戦時代のウィーン、中国返還前の香港にも似た雰囲気はあったのでしょうか。
    逆に制約が多いほど、ストーリーが作りやすいという逆説があったかも知れませんね。
    さて、構成にもひとこと。飽きさせないという意味で適度に音楽が入って来る。また山場になると、例の「テーマソング」がさりげなく入ってくるなど、昔の映画の作り方の基本ですね。これなど今の映画制作者も十分研究すべきです。
    最後がちょっと甘いかなと思いますが、半世紀を経て、まだ我々を感動させるというのは凄いです。この勢いでいつまでも生きていて欲しい映画です。

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  • rikoriko2255

    やまひで

    3.0
    2008/10/5

     第二次世界大戦下、ドイツ軍に占領される直前のパリでかつて愛し合ったことのある男と女(H.ボガードとI.バーグマン)が、その後のヴィシー政権下の仏領モロッコの町カサブランカで偶然にも運命の再会をし、お互いの愛を確かめ合いながらも再び離別していくという、当時老練の、元ハンガリー人のマイケル・カーティス監督が撮った「名画」が本作である。さて、この映画は、映画史上のラブ・ストーリーの一つに挙げられているが、果たして、これは本当に恋愛映画なのであろうか。
     確かに、ストーリーの基本は、戦時下という異常な状況の中で成立した三角関係のメロドラマである。アメリカ人リック、Lundというスカンディナヴィア系の名字を持つイルザ、そしてその夫で、チェコ人ながら、ハンガリア系の名前を持つヴィクトール・ラズロの三人である。しかし、一見恋愛映画であるように見えるこの映画は、僕に言わせれば、実は、アンチ恋愛映画なのである。
     反ファシズム戦線の理想に1930年代に挫折していたリック。彼は、1936年のムソリーニのイタリアによるエティオピア併合に反対し、反イタリア勢力に武器手渡しのルートを確立しようとして戦い、はたまた、スペイン内乱では反ファシズムのスペイン国民統一戦線の側に立って戦っていた。その自由の理想主義者が何故今、世界を席巻しているファシズムを見て見ぬふりをし、世界と人生とをシニカルな態度で見ているのか。それは、あのパリでのイルザとの熱烈な恋愛に破れたからであった。その傷心の彼が、かつての恋人が自分をまだ愛していることを知ることで、そのイルザへの個人的な愛の世界をも乗り越え、昇華して、時代の正義である、レジスタンス運動に身を任せようとするのである。これは、言わば、愛という人情を克己して、政治参加(アンガジュマン)の義理の立場に立つという図式である。この意味で、『カサブランカ』は、ラスト・シーンが示す通り、ボガードが体現するダンディズムと男のロマンティシズムを謳歌するアンチ恋愛映画なのである。蓋し、土地の狡賢いフランス警察署長カピタン・ルノーにリックが言う最後の台詞「思うに、これは素晴らしき友情関係の始まりだな。」、これが正にこの映画の締め括りのモットーになるからである。こうして、イルザをリックがあの有名な台詞の中で「Kid」と呼んだのも頷けるのである。“But I've got a job to do, too. Where I'm going you can't follow...I'm not good at being noble. Ilsa - but it doesn't take too much to see that the problems of three little people don't amount to a hill of beans in this crazy world. Someday you'll understand that. Not now. Here's looking at you, kid.“ (この文脈で言うと、「君の瞳に・・・」は「迷」訳ではないのか?)
     更に、論を進めよう。本作はその成立条件から言って、アンティ・ファシズムの戦意高揚を目論んだ、エレガントな「プロパガンダ」映画である。本作の発表は1942年11月26日のことである。ヨーロッパ戦線では42年11月上旬より連合軍によるモロッコ・アルジェリアへの上陸作戦が実行された。そして、43年1月には題名の地でカサブランカ会議が開催され、今後の連合国軍側の政治的方向性が決められていく。この歴史的文脈から言えば、その後のリックはルノーといっしょに北アフリカに上陸した連合軍をレジスタンスとして後方で支援するということになるであろう。(余談だが、ラズロはチェコ人であるが、何故彼が執拗にナチスに追われるのか。ナチス親衛隊のヒムラーの片腕と言われたハイドリヒを暗殺したのはプラハの抵抗運動組織であった。この背景が映画のストーリーに反映されていると僕には思える。)
     脇役の顔ぶれを参考までに何人かここで挙げておこう。ドイツ軍のシュトラッサー少佐役のConrad Veidtは33年に(恐らく「ピンク色のダヴィデの星」を着けることを恐れて)ドイツからイギリスに移住している。ドイツ人将校を殺してヴィザを奪うイタリア人のUgarte役を引き受けたのはPeter Lorreで、彼はユダヤ系オーストリア人であった。Leuchtag夫妻を演じるLudwig StoesselとIlka Grueningは、共にオーストリアからアメリカに亡命・移住してきた俳優。そして、バカラのゲームをする役で出てくるTrude Berlinerは、ユダヤ系ドイツ人であった。彼女は、ナチス党が政権を取った33年、プラハ、ウィーン、パリ経由でオランダに逃げる。40年ドイツ軍が侵攻すると、リスボン経由でアメリカに亡命、当地で俳優として働くチャンスを得る。この彼女の亡命談こそは、正に本作のストーリーを地で行くものであったのである。


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