新珠三千代
静
水木洋子の原作を「ドリフターズですよ！ 前進前進また前進」の松木ひろしが脚色したテレビドラマを、「颱風とざくろ」の井手俊郎が映画用に潤色・シナリオ化したホーム・コメディ。監督には「沈丁花」の千葉泰樹があたり、撮影は「燃えろ！太陽」の西垣六郎が担当した。
ストーリー
両親の残してくれた結婚式場を経営する唐沢貞夫には、出戻り娘の冴子、波子、新劇女優鳩子、弟の典二郎の四人のきょうだいがいた。ある日、貞夫は冴子の知りあいの社長山部から静を紹介され、電撃結婚してしまった。おさまらないのは他の四人である。勝手気侭に生活しているところへ静が現われ、唐沢家の実権を握られてすっかりペースが狂ってしまったのだ。四人は相談して、静を徹底的にイビリ抜くことにした。静は料理の腕前から、家計簿のつけ方までさんざん文句をつけられた。彼女にしてみれば“家つき、カーつき、ババぬき”の好条件に喜んで貞夫と一緒になったのに、こんな鬼千匹の落し穴があるのにガッカリした。しかも、貞夫は三年来の愛人民江といまだに切れないでいる有様だった。すっかり頭に来た静は料理を習って、四人に挑戦することにした。そして口うるさい小姑を片づけるべく、波子に縁談を持込んだ。相手は申し分ない。見合歴十三回の波子は乗り気になった。ところが、相手の男は見事な若禿の持主だった。静が会ったときはカツラをしていたのだった。これが原因で、静は貞夫とも気まずくなり、落胆して実家に帰った。一方、静のいなくなった唐沢家には主婦気どりの民江が現われ、家計を考えない豪華な料理を作って、冴子たちをハラハラさせた。四人きょうだいは、民江の傍若無人ぶりにすっかり、静がなつかしくなってしまった。その頃、貞夫のことが気になって寝つけない静は睡眠薬を飲んだのだが、母の夏江は自殺を計ったものと思い、貞夫に連絡した。四人はその知らせに泣き出してしまった。やがてそれは誤解と分り、貞夫はやはり静がいなくては、と民江とすっかり切れて、静を呼んだ。四人の小姑たちも、静と心から和解したのだった。
キャスト
宝田明
貞夫
白川由美
冴子
司葉子
波子
星由里子
鳩子
川上大輔
典二郎
浦辺粂子
さだ
東郷晴子
夏江
森雅之
山部
草笛光子
民江
千石規子
芳乃
高橋紀子
蓮子
藤あきみ
和子
五十嵐勝美
宏子
京塚昌子
宮尾
竜雷太
奈良
藤木悠
大竹
上原謙
相良
小泉博
圭太
一の宮あつ子
母親
スタッフ
監督
千葉泰樹
脚本、脚色
井手俊郎
原作
水木洋子
製作
藤本真澄
製作
金子正且
撮影
西垣六郎
音楽
小杉太一郎
美術
阿久根巖
編集
大井幸造
照明
平野清久
録音
矢野口文雄
スチル
吉崎松雄
脚色
松木ひろし
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社
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