地の果てまで:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
地の果てまで
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地の果てまで

1953年10月20日公開、105分、サスペンス・ミステリー
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ドストエフスキーの「罪と罰」を「君に捧げし命なりせば」の新藤兼人が翻案・脚色し、「怒れ三平」の久松静児が監督した。「チャタレー夫人は日本にもいた」の高橋通夫、「南十字星は偽らず」の斎藤一郎が撮影、音楽をそれぞれ担当している。「坊っちゃん(1953)」の池部良、「あにいもうと(1953)」の久我美子、浦辺粂子、「浅草物語」の木村三津子、「春雪の門」の高松英郎、「続々十代の性典」の根上淳、上田吉二郎、「早稲田大学」の信欣三、「青色革命」の青山杉作などか出演している。

ストーリー

江藤夏雄は学費生活費をはげしいアルバイトで稼ぎながら、大学へ通っている。貧しい裏街のアパート。隣室には無気力な父、病身の母、幼い妹を抱えて夜の女に身を落した娘万里が住む。疲労しきった二人は、互いの好意を言葉にする力さえない。同室する学友吉田は高利貸大岩から卸した外国製品が自動車にふれて散乱し、彼らの一ケ月の生計費にちかい被害を蒙むった。絶望する彼をはげまして夏雄はともども詑びに出かけたが、大岩の剛慾ぶりは変らなかった。弁償として遺品の銀時計を大岩につきつけ、吉田はその夜、鉄道自殺した。もう一人の学友、川端は結核に犯され、特効薬をもとめようにもその余裕がない。まじめに学ぶじぶんたちが窮迫し、不正を働く者が肥ってゆく社会。--夏雄の頭はしだいに混乱した。川端に薬代をあたえるために、夏雄は大岩殺害を決意する。憑かれたように大岩の家に忍びこんだ彼は、ステッキで相手を撲殺し、それを目撃した中年の女中をも殺害する。かすめた金六千円の大部分は、それとなく川端に与えたが、それよりはげしい苦悩が日夜彼をひき裂いた。恋する女の敏感さでいちはやく事件の真犯人と勘ずいた万里は、しかし彼のすべてを温く包容してやった。ペンキ屋が被疑者として拘引されたのを知った夏雄の苦悩は極度に達する。ついに耐えかねた彼は万里に一切を告白し、彼女に伴われて自首した。彼の実直な日常への同情と大岩へのにくしみがまずしい隣人の証言を有利にみちびいて、判決は意外に軽く、十年であった。遠く網走へ護送される彼ら囚人一行のかたわらにピタリと寄りそった万里の姿があった。彼女は十年、網走で働きながら夏雄を待つ決意なのである。

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作品データ

製作年
1953年
製作国
日本
初公開日
1953年10月20日
上映時間
105分
製作会社
大映東京
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社