嵐を呼ぶ友情:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
嵐を呼ぶ友情
嵐を呼ぶ友情
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嵐を呼ぶ友情

1959年1月3日公開、95分
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ジャズの世界を背景とした友情物語で、脚本・監督は「続 夫婦百景」の井上梅次。撮影は「嵐の中を突っ走れ」の高村倉太郎。音楽は「完全な遊戯」の河辺公一と、「娘の冒険」(大映)の大森盛太郎。「大阪の風」の川地民夫、「完全な遊戯」の小林旭、「危険な群像」の沢本忠雄に、浅丘ルリ子・宇野重吉らが出演。

ストーリー

ジャズ喫茶・ジャズボートは、岡辺、川添二人のトランペットが人気をよび大入り満員であった。この二人はかつての名トランペッター旗から文字通り初歩からトランペットを叩きこまれた。その旗もどういうわけか世をすねて、場末で淋しくペットを吹いていた。この老いたる楽士の心の慰めは師匠思いの岡辺・川添と、旗と一緒に暮している千秋だった。そうしたある日、金馬車の踊り子マリ子の楽屋で、二人は“流しの旭”と呼ばれるやくざ風の男と喧嘩したが、その後、旗の口から“流しの旭”はわしの息子稔だと聞かされて驚いた。また、千秋がその許婚だと教えられ、千秋を愛していた二人はがっかりする。しかし師匠思いの二人は、マリ子のアパートへ稔の住所を聞きに行った。意外にも稔はマリ子と同棲していた。千秋のために奮然とした二人は稔と大喧嘩をはじめるが、二人とものされてしまう。が余りにも師匠思いの二人だけに、稔は誰にもしゃべった事のない話をうちあげた。「日本一と云われた親父に後継者として俺はペットを教え込まれた。しかし音楽教師の亘氏から小さい時の肋膜が災し、肺活量がない事を聞かされ俺は愕然とした。打ち明けるには、あんまり親父の期待が大きかった。亘氏が突然死ぬと、親父が俺の教育にのりだしてきた。俺をこんなに苦しめる親父が憎かった。親父も自分の夢と離れてしまった俺が憎かったんだろう。そしてこのザマよ……」稔の心情を知った二人は三人で楽団をやろうと加入を進めたが、今さら楽隊に未練はないと稔は断った。初めて稔の過去を知りマリ子は泣いた。そして夜などはそっと作曲の勉強などをしている稔を知っているマリ子は、稔が更生するにはあの二人に縋るより外にないと決心、涙をのんで稔に愛想づかしをするのだった。捨てられたと思い込んだ稔は岡辺と川添のもとに走った。二人の友情あるリードによってジャズギターを弾く才能を発揮し、血のにじむような修練に栄光がきざし始めた。「新たに旗稔を加えてフレンドシップ・オブ・ジャズを結成」と新聞の芸能欄は大々的に発表、評論家、観衆もこの嵐を呼ぶ友情の誕生に声援を送った。新バンドの発表会、ペットとギターの競演に万雷の拍手は止まない。ホールの片隅で涙をぬぐって成功を喜ぶマリ子の姿、旗の顔も、稔の瞳も、誰の頬にも幾筋の涙が光っていた。

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作品データ

原題
Friendship of Jazz
製作年
1959年
製作国
日本
配給
日活
初公開日
1959年1月3日
上映時間
95分
製作会社
日活


[c]キネマ旬報社