椎名桔平
黒田龍人
3週間の長雨で都市機能が麻痺した東京を舞台に、風水と江戸の密やかな関係と、街を救おうとする風水師と少女の挑戦を描くＳＦＸファンタジー。実写とＣＧのデジタル合成技術を駆使し、幻想的な風水の世界を表現している。監督は、『ネットワークベイビー』などのドラマの演出を手掛け、本作が初の劇場映画となったＮＨＫのディレクター・片岡敬司。荒俣宏の著作をもとに、脚本は信本敬子と山永明子の共同。撮影と美術は「うなぎ」の小松原茂・稲垣尚夫コンビが担当した。主演は「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」の椎名桔平と、「ときめきメモリアル」の中山エミリ。
ストーリー
幼い頃、黒田龍人は偉大な風水師だった祖父・茂丸に“気”を見る手ほどきを受けたが、恐怖で目を閉じてしまい、以来、気を見ることができずにいた。亡き祖父に対するコンプレックスから、龍人はコンピュータで気を見るソフトを開発し、経営コンサルタントの事務所を構えている。この夏、東京は20日あまりも雨が続く異常気象に見舞われ、都市機能が奪われていた。ある日、大家・矢崎の紹介で古道具屋の老店主・鈴木のもとを訪れた龍人は、彼の毎夜の幻聴を風水で治めてやる。しかし喜んだのもつかの間、鈴木の店が地盤沈下で倒壊した。鈴木は店の守り神だった庭石を捨てたバチだと言って、その石が龍神を鎮める石だったから雨も止まないのだと告げる。同じころ、沖縄与那国島では、祖母とふたりで暮らす有吉ミヅチが悪夢に悩まされていた。夢の予言通りに祖母が死に、ミヅチは島のユタの忠告に従って龍人に助けを求める。龍人はミヅチに気が見えることを知って愕然とした。やがて鈴木が亡くなり、龍人は遺言どおり廃棄場へ守り石を探しに行く。石に触れたミヅチは不思議な儀式の幻覚を見た。昔、江戸建設にあたった風水師たちはこの石に霊力を注ぎ込み、江戸を支配する巨大な気の流れ、すなわち“東京龍”を鎮めたのである。長い眠りから目覚めた龍は、東京をかつての沼地に戻そうとしていた。龍人はトラックの荷台にこの石を乗せ、龍を海に誘導して鎮めようと試みる。しかし、当初の予定だったお台場への誘導に失敗し、車は必死で羽田空港に向かって、そのまま海中へ沈んだ。龍人に助けられたミヅチが目を覚ますと、もう雨は止んでいる。街が日常を取り戻し、ふたりは与那国へと旅立った。
スタッフ
監督
片岡敬司
脚本
信本敬子
脚本
山永明子
原作
荒俣宏
制作統括
一井久司
制作統括
上田信
撮影
小松原茂
音楽
本多俊之
美術
稲垣尚夫
美術
竹内公一
編集
田中美砂
照明
山川英明
録音
仲野俊幸
音響効果
柴崎憲治
特殊効果
古賀信明
助監督
桑原昌英
プロデューサー
飯野久
プロデューサー
坂美佐子
技術
室敏雄
