誘拐者:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
誘拐者
誘拐者
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誘拐者

1937年公開
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「軍使」「二国旗の下に」のビクター・マクラグレン、「間諜最後の日」「狂恋」のピーター・ローレ、「大地」「結婚クーデター」のウォルター・コノリーが主演する映画で、チャールズ・フランシス・コーのストーリーを「ガルシアの伝令」のジーン・ファウラーがハル・ロングと協力脚色、「情無用ッ」「ガルシアの伝令」のジョージ・マーシャルが監督、「テキサス決死隊(1936)」のエドワード・クロジェガーが撮影したもの。助演者は「永遠の戦場」のジューン・ラング、「五つ児王国」のロバート・ケント、しんしんのシャーリー・ディーン、「虎鮫島脱獄」のジョン・キャラダインその他である。

ストーリー

1917年、米国が欧州大戦に参加しようとした時であった。ペンシルバニアの寒村に済むフラーティ夫妻の家へ、一台の古自動車が着いた。自動車の主は夫妻の古い知己ダニー・オニイルで、可愛らしい女の赤ん坊を抱いていた。船乗りの服装をしている彼は、妻に死に別れたことを告げ、今度の航海中この子供を養育してくれるように頼んだ。そして直ぐ別れを告げたダニーは、森の中の古沼に自動車を沈め、小さな鋼鉄の箱を大木の根に埋め服装を変えてその場を立ち去った。まもなくニューヨークの各新聞は軍需工業王マイケル・スティールの幼い愛娘ナンシイが誘拐されたことを報じた。傷心のスティールが倶楽部に現れると、しばらく休暇をとっていたボーイが彼に不幸の見舞いを申し述べたが、それはダニー・オニールだった。平和主義者の彼は戦争成金のスティールを憎み、秘かにナンシイを誘拐したのである。スティールは愛娘を送り届けた者には10万ドルの礼金を呈上すると発表した。だれからかナンシイの衣服の一片が送られてきたので、スティールは地方検事マロンと相談して、娘の無事を願ったのである。ダニーはその夜自分の下宿で些細な喧嘩から親ドイツ派と見られ、2年の禁固に処せられる。刑務所で彼と同室にいるのは教授と称する外国人だった。その頃刑務所に暴動が起こり、ダニーはその首謀者と目されて終身刑に処せられた。教授はいつのまにかダニーに大きな秘密のあることを勘付いているらしかった。こうして20年の月日が流れた。模範囚として減刑されたダニーは、頭髪に霜を交えて出獄した。彼はその足ですぐフラーティ家を訪れたが、すでに夫人は死亡しフラーティはダニーの残した娘シイラに看護されつつ行きを引き取るところだった。成長したシイラにはジミイと呼ぶ恋人があったが、なぜかダニーはそれを喜ばず、娘を連れてニューヨークへ乗り込み、礼金の10万ドルを手に入れる支度にかかった。まず手紙を書いてスティールの事務所に投げ込んで帰る途中、20年ぶりでかれはマイケル・スティールにであった。落ちぶれたダニーの様子を見た彼は、親切な言葉をかけ庭番に雇ってくれることになった。この情けに打たれたダニーは、事務所から秘かに手紙を抜き取ってしまった。それからダニーとシイラはスティール家の邸内にある家屋で楽しい毎日を送った。優しく親切なシイラを、ダニーは次第に真実の娘として愛するようになり、どこへも手放したくなかった。。彼は証拠の品である20年前の洋服を夜中秘かに焼き捨てようとした時、教授が姿を現し拳銃を浴びせてその品を奪い去った。やがて教授は素性の知れぬ女をナンシイに仕立て、10万ドルをもらった。ダニーはシイラのためにすべてを覚悟して外国へ去ろうとする教授を引致して白状せしめ、シイラをスティールに渡して再び獄へ繋がれた。スティールの努力で彼は直ぐ釈放されるであろう。二度とナンシイに会うまいとする彼であるが、彼女がジムと結婚した報せに淋しく嬉しげな頬笑みを浮かべた。

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作品データ

原題
Nancy Steele Missing
製作年
1937年
製作国
アメリカ
初公開日
1937年
製作会社
20世紀フォックス映画


[c]キネマ旬報社