ロマンス(1930):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ロマンス(1930)
ロマンス(1930)
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ロマンス(1930)

1930年公開
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「インスピレーション」「船出の朝」と同じくグレタ・ガルボの主演映画である。エドワード・シェルダンの筆になる舞台劇から「海魔」「月光の曲」のベス・メレディス、エドウィン・ジャスタス・メイヤーが協力して撮影台本を作り上げ、台詞を書き、「インスピレーション」「アンナ・クリスティ」のクラレンス・ブラウンが監督し、「緑の処女地」「仮染の唇」のウィリアム・ダニエルスがクランクしたもので助演者として「街の令嬢」「インスピレーション」のルイス・ストーン、「緑の処女地」のギャヴィン・ゴードン、「スポーツ王国」のエリオット・ニュージェント、フローレンス・レイク、クララ・ブランディックその他がつき合っている。

ストーリー

数時間の後には新しい年を迎えようという大晦日の夜、ニューヨークに住むアームストリング僧正の邸へ心急ぐ足どりで入ってきたものがある。僧正の孫のハリイという若者でかねて恋し合うある女優との将来を相談に来たのであった。ハリイの言葉にしばし耳傾けていた僧正はやがて次の話しを始めた。50年前の己がロマンスである。--セント・ガイルスのとし若き牧師だったトム・アームストリングは、その頃ニューヨークの舞台に異彩を放つイタリア生まれの歌劇女優リタ・カヴァリニと深い恋に陥った。リタが故郷へ返る日も近く既に告別独唱の日取りまでも定まりかけていた。それだけに彼女慕わしのトムの情は熾烈なものがあった。トムの親友ヴァン・テュイルは唄い手風情の女に迷って大事な聖職を失わんとしている友を心配して涙ながらに諌めた。そしてついにはリタが自分の寵愛を受けていた女であることまで打ち明けて思い切らせようとした。この言葉を聞いたとき、若いトムはヴァン・テュイルが彼女を自分から遠ざけんがために謂われなき侮辱を与えたものと誤解し、激昂のあまり彼を打たんとさえした。だが、その争いの最中リタの口からはヴァン・テュイルの言葉が真実であることが語られた。いいようのない驚きと失望はトムの心を打ちのめした。一夜は明けて新年となった。リタが名残りの独唱会の晩が来た。その夜、愛するトムを諦めねばならぬ己が不幸せな恋、また自分をそうさせた呪わしい境涯を思えばリタの唄声もとかく乱れがちだった。トムもまた夜の魔著をあてどもなくほうこうした。そして堪えきれなくなった彼は切ない心を抱いてリタの仮住居まで来てしまった。二人は今更の如く別れ難いお互いの心を知った。彼らの情熱は時の過ぎ行くのも忘れさせた。だが真夜中の時刻を報ずる鐘の音が聞こえてきた時リタはふと愛人の聖なる職務を思い出して冷たい理性を取り戻した。彼女は心ならずもトムを教会に送り届けたのである。--こう語り終わった老僧正の眼にはさすがに涙が光って見えた。そして純潔なロマンスというものは一生に2度と訪れぬことをハリイは教えられたのである。かくて老僧正がハリイを励ましながら傍らの新聞紙を手にした時そこに彼は話の主なる愛人リタの死が報ぜられているのを知った。

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作品データ

原題
Romance
製作年
1930年
製作国
アメリカ
配給
MGM支社
初公開日
1930年
製作会社
M・G・M映画


[c]キネマ旬報社