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映画顔負けのスケール!「ドラマW」の真骨頂「ダブルフェイス」の必見ポイント【レコメンW】

コラム

映画顔負けのスケール!「ドラマW」の真骨頂「ダブルフェイス」の必見ポイント【レコメンW】

レコメンド3 警察官とヤクザ…表裏一体の正義と悪

潜入捜査として構築した関係の切なさが、ドラマ性を高めていく
潜入捜査として構築した関係の切なさが、ドラマ性を高めていく[c]WOWOW

「潜入で行ったはずの場所で新しい人間関係を作ってしまう、そこで生まれるドラマが本作ならではの魅力ではないでしょうか」と、下田は高いドラマ性について改めて言及する。前編の「ダブルフェイス 潜入捜査編」では伊藤淳史が演じるヒロシと森屋との兄弟さながらの絆が、後編の「ダブルフェイス 偽装警察編」では蒼井優演じる万里と高山とが共鳴し合う姿、高山と育ての親である織田との関係性が物語のカギとして描かれている。「騙している前提で築きあげてしまう信頼関係の切なさというのは、『孤狼の血』で役所広司さんが演じた“ガミさん”こと大上章吾を想起しました」。

暴力団対策法成立前の広島を舞台に、地元ヤクザとの癒着が噂される悪徳刑事と若手刑事が激しい抗争に巻き込まれていく姿を描いた『孤狼の血』は、1970年代に一斉を風靡した“東映実録モノ”を現代によみがえらせた作品として高評価を獲得した一本だ。「警察という“正義”が要求される職業倫理と、ヤクザの世界での仁義や絆との間で揺れ動く部分も共通していますし、ヒリヒリするような暴力描写が哀愁を放つさまも、『孤狼の血』と通じていると思います」。

さらに黄は、数多の名作が生まれた日本のヤクザ映画との類似性を挙げる。「後編での万里との関係を通して、高山の“良い人間になりたい”という感情が見え隠れしていたのが魅力的でした。どこかスマートな部分が強調されていたオリジナルにはなかった感情的な部分が含まれているのも、日本のヤクザ映画で大事にされてきた“仁義”という人間臭さを引き立てているのかな。男臭いドラマに女性キャラクターが入ることで、男性の柔らかい一面を見せることができていると感じました」。


「MOVIE WALKER PRESS」編集部の下田と黄が「ダブルフェイス 潜入捜査編」と「ダブルフェイス 偽装警察編」をレコメンド!
「MOVIE WALKER PRESS」編集部の下田と黄が「ダブルフェイス 潜入捜査編」と「ダブルフェイス 偽装警察編」をレコメンド!

最後に2人は、森屋を演じた西島の魅力について楽しげに振り返る。黄は「最初のほうのちょっと悪い雰囲気にギャップがあってキュンとしました」と声を弾ませ、下田も「屋上の家のシーンや警視正との密談のシーンで、横浜の眺望とマッチしていて本当にかっこいいと思いましたね」と和気あいあい。
そして「オリジナルで森屋の役にあたるヤンはトニー・レオンが演じていましたが、西島さんの寡黙な雰囲気がどことなく似ていてすごくぴったり。この作品と同じチームで作られた『MOZU』シリーズも必見です!」とまとめた。

「ダブルフェイス 潜入捜査編」は8月30日(日)19時25分より、「ダブルフェイス 偽装警察編」は8月30日(日)21時5分よりWOWOWプライムにて放送。両作品ともに、10月31日(土)までWOWOWメンバーズオンデマンドにて好評配信中。

文/久保田和馬

「ダブルフェイス 潜入捜査編」作品詳細はこちら

https://www.wowow.co.jp/detail/102074


「ダブルフェイス 偽装警察編」作品詳細はこちら


https://www.wowow.co.jp/detail/101984



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