常識やスタイルにこだわらない!“おもしろい”を追求し続けた「マッドマックス」3部作|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
常識やスタイルにこだわらない!“おもしろい”を追求し続けた「マッドマックス」3部作

コラム

常識やスタイルにこだわらない!“おもしろい”を追求し続けた「マッドマックス」3部作

メル・ギブソンの本格デビュー作にして、当時マイナーだったオーストラリア映画の実力を世界に知らしめた「マッドマックス」シリーズ。激しいアクションと文句なしの面白さで“近未来SF”を人気ジャンルに押し上げた革新作は、製作費わずか3,000万円台(現レートで換算)という低予算映画としてスタートした。

マックス役のメル・ギブソンは、当時23歳だった(『マッドマックス』)
マックス役のメル・ギブソンは、当時23歳だった(『マッドマックス』)[c]2013 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

記念すべき第1作『マッドマックス』(79)は、犯罪が多発しているいまから数年後の物語。パトカー警官マックスが、妻子を襲ったバイカー集団に復讐する姿が描かれる。司法が機能しなくなったこの時代、悪党どもはわがもの顔でのし歩き、取り締まる側も生死を問わず制圧が最優先。地平線まで一本道で、車とバイクが壮絶な死闘を展開する。本作のカーアクションのポイントが怖さ。高速走行しながら車間距離を極端に詰め、バンパーをガンガンぶつけながら威嚇するなど、その荒々しさは爽快さを前面に出すハリウッドとは一線を画している。

ただし映画の演出そのものはオーソドックス。低予算映画はあえて“粗雑さ”を売りした作品が少なくないが、ミラーは教科書的なモンタージュを駆使して恐怖を盛り上げている。代表的なのがマックスの妻子が襲われるくだりで、間接描写と細かいカット割り、音楽だけで最悪の結果を描写。カーアクションも、シーンに応じて車載カメラの高さを細かく変えており、そんな細部の工夫を見るとまた違った魅力が見えてくる。

【写真を見る】無法地帯と化した近未来、マックスと暴走族の熾烈な戦いが繰り広げられる(『マッドマックス』)
【写真を見る】無法地帯と化した近未来、マックスと暴走族の熾烈な戦いが繰り広げられる(『マッドマックス』)[c]2013 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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