ブルーレイ&DVDで体感！『MANRIKI』を生んだクリエイターたちのエネルギー

映像クリエイティブ集団“チーム万力”がつくり上げた異色のブラック・コメディ『MANRIKI』のブルーレイ&DVDが9月30日(水)発売。孤高の芸人、永野が地下ライブで22年間温め続けたコント群を自ら脚本化し、斎藤工が製作＆主演、金子ノブアキが音楽監督を務め、数々のTVCMやMV、短編などを手掛けてきた清水康彦監督が長編映画に初挑戦。プチョン国際ファンタスティック映画祭ほか海外の映画祭で高い評価を獲得した。今回ブルーレイ&DVDに収録されるのは、3月に池袋シネマ・ロサなどで特別上映されたディレクターズカット版だ。

売れない駆け出しモデル(小池樹里杏)が、整顔師(斎藤工)に小顔矯正を依頼するが、美とはかけ離れた顔面に！姿をくらました整顔師は、逃亡中に美人局のフーテン(SWAY)と年増の女(神野三鈴)と出会い、さらなる悲劇が起こる、という奇想天外なストーリー。それぞれの強烈な個性と斬新な発想が融合し、かつてない表現に結実している。映画を愛する彼らの圧倒的な熱量を、ぜひBD＆DVDで感じてほしい。

映像クリエイティブ集団“チーム万力とは”

永野の単独ライブを観て、その芸術性に衝撃を受けた斎藤。これを機に、金子、SWAY、清水監督ら気鋭のアーティストが参加し、チーム万力が始動。数々の短編作品を発表し、常識に囚われない自由な創作活動を行っている。

小顔ブームから着想を得た永野による変化球すぎるストーリー

ファッション・イベントに出演した時に感じた小顔ブームへの違和感をヒントに、脚本の執筆。『万力で顔がつぶされた女の人』など、売れない頃に書き溜めていたネタを、清水監督や斎藤と話し合いながら、まるで一曲一曲思いの詰まったアルバムをつくるような感覚でストーリーを紡いでいった。後半のまさかの展開は永野ならではだ！

異色の企画を実現させた斎藤工のプロデュース力

製作者としても手腕を発揮した斎藤は、永野の芸術性にいち早く着目し、その精神世界を描く本作を企画。多くの映画会社から製作を断られたが、逆に自分たちが唯一無二の作品をつくろうとしていることを確信し、自ら精鋭スタッフを招集し映画化を実現させた。さらに永野の分身とも言える怪しい整顔師を見事に演じた。

混沌とした世界観を表現した金子ノブアキの劇中曲

永野とは旧知の仲の金子は、音楽監督として劇中曲を担当。実際の万力の音やチェーンを引きずる音など、音響スタッフが準備した素材を参考にしつつ、“ひらめき”を感じたら音にするという自由なスタイルで製作された。撮影と同時進行で生まれたライブ感あふれる音楽は、本作のカオスな世界観を見事に表現している。

不気味さとアートが融合した清水康彦監督の独創的な映像美

永野の地下ライブを観て、お笑いがアートになり得ることに気付かされたという清水監督。その永野の奇抜な脚本のもと、撮影を担当したファッション・フォトグラファーの荒井俊哉と共に生み出した独創的な映像は、斎藤に「スウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソンが描くような、血の気のない世界」とまで言わしめるほどの出来栄えだ。

セル特典には4本の短編を収録

音声解説には、斎藤、永野、金子、小池、神野、監督が参加し、イベント映像も収録。さらに山小屋の職員たちがなぜかイカになる『LOHAS』や、サッカーをTV観戦する男2人の前に謎の男が現れる『DEATH BIKE』などの短編4作品を収め、チーム万力の独創的な世界観をさらに楽しめる！
またブルーレイ&DVD発売日と同じ9月30日にはHMV&BOOKS onlineにて本作のグッズがオンラインで販売開始。劇場でも好評だったパンフレットやサコッシュ、スマホリングなどに加え、劇中でも使用され、今サイトで初出しとなる「暴威Tシャツ」も発売される。

文/坂田正樹