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『ワンダーウーマン 1984』が全米V3も、2020年の年間興収は過去40年で最低に

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『ワンダーウーマン 1984』が全米V3も、2020年の年間興収は過去40年で最低に

2021年の第2週となる先週末(1月8日から10日)の北米興収ランキングは、3週連続でトップを飾った『ワンダーウーマン 1984』(公開中)から、14週連続でベストテン圏内を維持している8位の『The War with Grandpa』まで、上位8作品の順位が前週からまったく変化なしという異例の事態に。
今週末も新作の公開はあるとはいえ、上位を揺るがすほどの大きなタイトルは2月に入るまで公開予定すらなく、年末年始を越えても苦しい時期はまだ続きそうだ。

まもなくHBO Maxでの同時配信が終わる『ワンダーウーマン1984』
まもなくHBO Maxでの同時配信が終わる『ワンダーウーマン1984』[c] 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & [c] DC Comics

『ワンダーウーマン 1984』はオープニング週末から67%減だった前週からさらに45%減となる約300万ドル(推定値)を売り上げ、北米興収は3260万ドルに到達。
11月に公開され7週連続でトップ3に食らいつく『The Croods: A New Age』(北米ではすでにPVOD配信中)の累計興収3687万ドルを超えるかどうかという、極めて打点の低いレースが現在の北米興収ランキングにおける唯一の見どころになっている。
もっとも、当初の予定通り『ワンダーウーマン 1984』のHBO Maxでの劇場との同時配信はあと2週間たらずで終了する見込みであり、そのタイミングでふたたび劇場に足を運ぶ人が増えるのではないかという希望的な憶測も。

【写真を見る】年間興収は過去40年で最低水準に…北米で2020年のNo.1ヒット作になったのは?
【写真を見る】年間興収は過去40年で最低水準に…北米で2020年のNo.1ヒット作になったのは?写真:SPLASH/アフロ

そうしたなか、2020年の北米興収の統計が発表。「Comscore」のデータを基にした「Variety」の報道によれば、年間の累計興行収入は過去最高だった2018年の約118億ドル、全世界歴代興収新記録を打ち立てた『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開された2019年の約113億ドルから約80%減の約22億ドルと、この40年で最低の水準に。


年間の興収上位3傑も『バッドボーイズ フォー・ライフ』(20)、『1917 命をかけた伝令』(19)、『ソニック・ザ・ムービー』(19)と、いずれも3月中旬のパンデミック前に公開された作品で埋め尽くされる結果に。

サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』に支えられた全英の年間興収は、前年から大きく減少
サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』に支えられた全英の年間興収は、前年から大きく減少写真:SPLASH/アフロ

また全世界での累計興収も前年比71%減の124億ドルで、そのうち約27億ドルが中国市場によるもの。
中国ではすでに昨夏頃から復調気配にあり、結果的には初めて北米市場を上回る年間興収を記録したわけだが、それでも前年から約70%減。
さらに「Screen International」によればイギリスとアイルランドでは前年から76%の減少が見られ、香港やドイツ、フランスでも70%前後の減少が。コロナ禍による映画界への打撃が、数字として顕著にあらわれることとなった。

文/久保田 和馬

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