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役所広司の名演を、仲野太賀、西川美和監督らが絶賛!「何度も胸が震える瞬間がありました」

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役所広司の名演を、仲野太賀、西川美和監督らが絶賛!「何度も胸が震える瞬間がありました」

『永い言い訳』(16)の西川美和監督作『すばらしき世界』の初日舞台挨拶が、2月11日に新宿ピカデリーで開催され、主演の役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、西川美和監督が舞台挨拶に登壇。役所や西川監督のすばらしさや、それぞれへの感謝の想いを語り合った。

役所は本作について「佐木(隆三)さんの原作は、ありのままをずっと書き続けていて、力強い小説ですが、それを2時間の映画にするにあたり、男性的な目線で語る物語と女性の目線で新しく脚本化されたものが上手く化学反応を起こし、すごく温かく美しい映画の脚本になったなと思いました」と手応えを語った。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

さらに西川監督について「美人ですからね。現場の男たちはみんな監督のことが大好きです」と言ったあと、「ある意味これも監督の才能だと思いますが、どこか『大丈夫かな?』と思わせるところがある。男女どちらかにかかわらず、『監督のために頑張ろう』と思わされるすばらしい才能を持ってらっしゃると思います」と監督を称えた。

仲野は役所について「本当に偉大な俳優さんです」と言ったあと「役所さんの目の奥がずっと寂しそうで、それが役所さんの目なのか、(役所が演じた)三上さんの目なのか、役と境目がわからなくなくなっていきました。きっと役所さんは三上という男を自分の映し鏡のような感じで向き合われていたんだなろうなと。僕は何度も胸が震える瞬間がありましたし、自分で制御がきかないくらい感動してしまうことがあり、自分も役とシンクロしていくのがわかりました。そういう経験はいままで感じたことがなかったです」と興奮しながらコメント。

テレビマン津乃田役の仲野太賀
テレビマン津乃田役の仲野太賀

六角も役所について「ニュートラルな状態で役に入り、そこから回遊し、いつのまにか入りこんでいるのがわかり、全体を通して見た時、こんなにすばらしいお芝居になっていたんだと、あとからしみじみわかる。すばらしすぎてなかなか勉強にならないような俳優さん。一緒にやっていて、なにかを盗むようなことはなかったです」と感心しきりだった。

北村も「僕も大好きです」と役所への愛を口にしたあと、西川監督について「僕が西川監督の『蛇イチゴ』を観た時は20歳前後で、まだアルバイトばかりをしている時でしたが、映画が衝撃的で、いつかこの監督の作品に出るぞと心に決めたことを覚えてます。今日という日が来て感無量です」と喜びを露わにした。

最後に、まもなくバレンタインデーということで、西川監督から主演の役所に、また役所から西川監督へそれぞれが感謝の想いを込めて花束が贈呈された。

西川美和監督からの花束を手にした役所広司
西川美和監督からの花束を手にした役所広司

役所は西川監督について「西川組は本当にすばらしいチームでした。また、こんなにたくさんの人に愛される映画にしていただき、我々はみんなが誇りに思って、西川監督に感謝しています。もうすでに次回作の構想を練っていると思いますが、たとえ次にお呼びがかからなくても、我々はひがまずに応援しています。西川監督は日本映画において、なくてはならない才能だと思います」と熱い弁を述べると、西川監督は「感無量です」と恐縮する。

また、西川監督も「17歳の時に役所さんのドラマを観てから、いろんな紆余曲折があったんですが、こうして自分の映画に主演として出ていただいたことをいまこの瞬間でも夢のように思ってます。映画に携わって良かったなと改めて思わされましたし、そういった気持ちにさせていただいたことを改めて感謝いたします」と万感の想いを口にした。

役所広司からの花束を手にした西川美和監督
役所広司からの花束を手にした西川美和監督

『すばらしき世界』は佐木隆三の「身分帳」を原案に、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて映画化に挑んだ問題作。13年ぶりに出所し人生をやり直そうとする主人公の三上役を役所が、三上に接近するテレビマン役を仲野と長澤まさみが演じた。本年度第56回シカゴ国際映画祭では観客賞と最優秀演技賞(役所)の2冠に輝いている。

取材・文/山崎伸子

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