コラム 2021/5/3 14:30

マーゴット・ロビー、クレア・ダンら、女優としてもクリエイターとしても活躍する映画界の才女たち

マーゴット・ロビーらクリエイターとしても優秀な有名女優たち

『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』のオリヴィア・ワイルドの活躍ぶりも目覚ましい写真：SPLASH/アフロ

一方で、女優として輝かしい成功を収めたのちに、映画監督としても才能を開花させている人も多く、最近では『ラッシュ/プライドと友情』(13)、『リチャード・ジュエル』(19)などで知られる実力派女優オリヴィア・ワイルドが、『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』(19)で鮮やかに監督デビュー。高評価を集めた彼女は、ハリー・スタイルズとフローレンス・ピュー共演の心理スリラー『Don't Worry Darling(原題)』や、ソニー・ピクチャーズによる「スパイダーバース」シリーズの新作を手がけることも報じられるなど監督街道を爆進中だ。

そのほかにも『チャーリーズ・エンジェル』(19)などエンタメ大作で監督を手がけるエリザベス・バンクスや、『テイク・ディス・ワルツ』(11)など脚本も手掛けているサラ・ポーリーに、『リトルマン・テイト』(91)から『マネー・モンスター』(16)まで長きにわたって監督業もこなしているジョディ・フォスターなど、もはや監督としての印象がより強くなっている女優たちも多い。

『ドリームランド』は4月9日(金)より公開[c]2018 DREAMLAND NM,LLC

また自らの制作プロダクションを立ち上げている女優も多く、リース・ウィザースプーンやシャーリーズ・セロン、最近ではエマ・ストーンなど、一流の女優たちは興味を惹かれた題材をもとにした映画を作り上げている。そんななか、近年プロデューサーとして存在感を示しているのがマーゴット・ロビーだ。

『スーサイド・スクワッド』(16)などのハーレイ・クイン役をはじめ、『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』(17)や『スキャンダル』(19)でオスカーノミネートなど、女優として文句なしの知名度と実力を誇る彼女は、2014年に制作プロダクション、ラッキーチャップ・エンターテインメントを立ち上げており、自身の出演作を中心にプロデュースを手掛けてきた。

マーゴットはクラシカルな衣装に身を包んだ魅力的な強盗犯アリソンを演じている(『ドリームランド』)[c]2018 DREAMLAND NM,LLC

また会社を起こした理由のひとつが、女性クリエイターの活躍の場を広げるため。女性脚本家たちを支援するプログラムも行うなど精力的な活動を行っている。そんな彼女が製作、主演として関わっているのが公開中の『ドリームランド』だ。

田舎町でくすぶる青年と強盗犯との逃避行が描かれる(『ドリームランド』)[c]2018 DREAMLAND NM,LLC

1930年代のアメリカ・テキサスの田舎町、刺激的な小説を読んでは空想にふけるだけの閉塞的な暮らしを送るユージーン(フィン・コール)は、ある日、家の納屋で警察から追われている銀行強盗犯アリソン(マーゴット)と出会う。危険な犯罪者だと知りながらもアリソンに惹かれるユージンは、彼女とともに自由を求めて、逃亡する道を選ぶのだが…。

プロデューサーと俳優として作品を牽引しているマーゴット・ロビー[c]2018 DREAMLAND NM,LLC

脚本に惚れ込み映画化へと動いたマーゴットは、『As You Are』(16)がサンダンス映画祭で称賛された若手のマイルズ・ジョリス＝ペイラフィットを監督にフックアップ。監督、新鋭の脚本家とともにアイディアを練り上げるなど、インディペンデントな現場をプロデューサーとして牽引したという。また演者としても、クラシカルな衣装に身を包んだ美しく魅力的な佇まいはもちろんのこと、心に一抹の危うさや闇を感じさせる強盗犯を、繊細な表情で見事に体現。作品をワンランク押し上げるさすがの演技を披露している。

そんなマーゴットは、前出のエメラルド・フェネルが監督・脚本を務める『プロミシング・ヤング・ウーマン』にも製作として参加。今後も二足のわらじを履きながら活躍する女性クリエイターの注目作が控えているので、ぜひ合わせてチェックしてみてほしい。

文/サンクレイオ翼