ドーナル・グリーソン、ピーターのハイキックも「僕にとってご褒美のようなもの」と語る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ドーナル・グリーソン、ピーターのハイキックも「僕にとってご褒美のようなもの」と語る

インタビュー

ドーナル・グリーソン、ピーターのハイキックも「僕にとってご褒美のようなもの」と語る

ビアトリクス・ポターの絵本を実写映画化した「ピーターラビット」シリーズで、ピーター(声:ジェームズ・コーデン)の宿敵、トーマス・マクレガー役を演じているドーナル・グリーソンを直撃。6月25日(金)より公開される映画第2弾『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』の予告編でも、ピーターにハイキックされた際の“顔芸”が強烈なインパクトを放っているグリーソンにリモートでインタビューを行い、本作の制作秘話を語ってもらった。

ピーターが大好きな画家のビア(ローズ・バーン)と、毛嫌いするトーマスが遂に結婚
ピーターが大好きな画家のビア(ローズ・バーン)と、毛嫌いするトーマスが遂に結婚


ピーターが大好きな画家のビア(ローズ・バーン)と、ピーターが毛嫌いするトーマスが遂に結婚。ビアと一緒に住み始めたマクレガーはピーターたちの父親気取りで、なにかにつけてピーターを叱りつける。そんななかでイライラを募らせたピーターは、湖水地方を飛び出し、大都会へ家出をしてしまう。そこで彼は、亡き父親の親友だったというバーナバス(声:レニー・ジェームズ)と出会い、彼にそそのかされて悪事に加担したことで、大ピンチに陥る。

グリーソンと言えば「ハリー・ポッター」シリーズのビル・ウィーズリー役や、「スター・ウォーズ」シリーズのハックス将軍役などで知られる個性派俳優だが、ピーターとのド派手な攻防戦が観る者の笑いを誘う「ピーターラビット」シリーズも、彼の代表作に加わった。続編のオファーが入った時、グリーソンは「今回もたくさんの子どもたちをハッピーにさせてくれる作品だと思ったから、また参加したいと思いました」と喜んだとか。

前作からトーマス・マクレガー役を続投したドーナル・グリーソン
前作からトーマス・マクレガー役を続投したドーナル・グリーソン

「すでにトーマスというキャラクターを把握していたから、1作目よりも演じるのは楽でした」と言うグリーソン。
「1作目はわかりやすい悪役だったけど、今回は少し立ち位置が変わってくるので、そこはウィル・グラック監督と話して作っていきました。前回とは違ってビアと結ばれ、気持ちも安定しているので、どちらかというとコメディ向きの設定ではないんです。だからこそ、今回は違ったところでそういう“笑える要素”を見つけないといけなかったです」。

ピーターからハイキックを食らうシーンについて尋ねると「僕は身体を張って演じるコメディが大好きです。でも、そういうことができる作品は限られているから、『ピーターラビット』で存分にやれることは、僕にとってご褒美のようなもの。もちろん、おもしろさと安全性のバランスを考えてやっています」と楽しんで演じたそうだ。

スパークリングワインを噴射!
スパークリングワインを噴射!

だが、ビア役のバーンによると、前作ではグリーソンが1つ1つのアクションシーンに全力投球しすぎて、体中に大きなアザができたり、腕や脚にケガを負ったりしていたとか。今回はどうだったのか?と聞くと「深刻なケガはしてないです」と答えてくれたが、やはり軽いケガはあったのだろうか。

「実は1作目の撮影を終えた時は、肩や腰、足首を痛めてしまい、90代の老人のようにしか歩けなかったんです。今回はそうならないように、オーストラリアでの撮影現場では、すばらしいトレーナーが、身体の管理をしてくれました。小さなケガが積み重なり、つらい目に遭わないようにと、すごく注意深く僕を見てくれたんです。また、すばらしいスタントコーディネーターも入ってくれていたので、今回は30代の青年として撮影を終えることができました(笑)」。

ビアと結婚して以降、父親気取りになるトーマス
ビアと結婚して以降、父親気取りになるトーマス

グリーソンが文字通り体を張ったスラップスティック・コメディ以外にも、結婚という大きな門出を迎えたビアとトーマスの関係性にも注目してもらいたい本作。
「トーマスは頑固だし、頑張りすぎるところがあることを、ビアは理解していて、お互いの良さを少しずつわかりあっていくところがいい。お互いに助け合いながらやっていくというのがカップルのあるべき姿かなと」と、まったく違うタイプだからこそ、ない部分を補い合えるいいカップルだと思ったそう。

また、コロナ禍のいま、グリーソンに映画をはじめとするエンターテインメント作品の役割についても聞いてみた。
「日々のストレスをみんなが抱えるなかで、ストリーミング・サービスで映画やドラマを観る方が増えたと思います。そういう意味では、多くの人がエンターテインメント作品に触れられたことは良かったと思いますが、僕たちの俳優業という意味ではまだまだ難しいなと感じている今日この頃です。また、自分よりも大変な目に遭っている方のほうが多いと思うので、早くパンデミックが終わり、かつてのような形で仕事ができるようになればいいなと願っていますね」。

ピーターのもふワルの表情が最高
ピーターのもふワルの表情が最高

最後にこれから本作を観る日本の映画ファンに向けてメッセージをもらった。
「1作目のように、とにかく楽しんで観てほしいです。僕は日本に一度しか行ったことがないし、短期間しか滞在したことがないけど、人生で最高の旅の1つでした。だから安全になったら、また行きたいです」。

取材・文/山崎伸子

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