米倉涼子が語る、『ブラック・ウィドウ』で声優に大苦戦した過去と挑戦ありきの独立|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
米倉涼子が語る、『ブラック・ウィドウ』で声優に大苦戦した過去と挑戦ありきの独立

インタビュー

米倉涼子が語る、『ブラック・ウィドウ』で声優に大苦戦した過去と挑戦ありきの独立

コロナ禍の2020年に、個人事務所「デサフィオ」を設立した女優の米倉涼子。スペイン語で「挑戦する」という意味の社名からは、自分で新たな道を切り開こうとする米倉の意思表明が感じられる。折しも彼女が声優を務めたマーベル・スタジオ最新作『ブラック・ウィドウ』が、ついに7月8日より映画館で公開され、翌9日からはディズニープラス プレミア アクセスで配信開始した。本シリーズで、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの日本版声優を約10年にわたって務めてきた米倉だが、いまに至るまでに様々な苦労があったようだ。そんな米倉が、シリーズへの想いと共にいまの心境を語ってくれた。

今回も熾烈な戦いに身を投じるブラック・ウィドウ
今回も熾烈な戦いに身を投じるブラック・ウィドウ[c]Marvel Studios 2021

公開当時、全世界歴代興行収入記録を塗り替えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)で、仲間のために衝撃的な選択をしたブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。『ブラック・ウィドウ』では孤独な暗殺者だったナターシャの少女時代に遡り、最強のスパイとして養成されていた過去や、“偽りの家族”との関係性が明かされる。

ブラック・ウィドウ初の単独主演映画となった本作について米倉は「また、彼女と再会できてうれしかった」と喜ぶ。「2012年からブラック・ウィドウ役の声を務めてきましたが、どんどんヒーローが増えていくなかで、彼女に委ねられる時間も多くなっていきました。今回に限ってはブラック・ウィドウ自体のストーリーだったから、彼女の想いを日本語でしっかりと伝えられるようにしなくてはいけないというプレッシャーがすごく大きかったです。でも、とても心のこもったストーリーだったので、自分としては心地良く演じられました」。

【写真を見る】“シスターフッド”映画とも呼べそうなほど、フローレンス・ピュー演じるエレーナとスカーレット・ヨハンソンの姉妹愛も描かれる
【写真を見る】“シスターフッド”映画とも呼べそうなほど、フローレンス・ピュー演じるエレーナとスカーレット・ヨハンソンの姉妹愛も描かれる[c]Marvel Studios 2021

本作では、ナターシャの妹で暗殺者のエレーナ(フローレンス・ピュー)、母メリーナ(レイチェル・ワイズ)、父アレクセイ=レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー)と3人の家族が登場する。特にナターシャに引けを取らない戦闘能力を持つエレーナとのパワフルな格闘シーンや軽妙なやりとりからは、ナターシャの新たな魅力が垣間見える。


「今回は家族団らんのシーンが出てきますし、掛け合いのシーンもおもしろいです。そういう意味では、いままでの作品のなかで一番役柄を謳歌できました。私の口からそう強くは言えないのですが、半年以上かけてボイトレもやれて、音域なども少しは広げられたし、以前より進化できていたらいいなと思っています」。

声優をやってきた10年間を振り返った
声優をやってきた10年間を振り返った

アベンジャーズにおけるブラック・ウィドウの立ち位置を、米倉はどう捉えているのだろうか。「彼女の場合、この人とくっつくんじゃないかと思ったことが何度かありました。例えば、キャプテン・アメリカなのか?それともハルク?ホークアイ?と思ったりもしたけど、いまになって思うのは『そういうことではないのかな』ということ。ブラック・ウィドウにとっては、恋愛なんてある種邪魔くさいとも言えるかもしれません。女性キャラクターが少ないなかで、彼女は母親的存在というか、緩和剤のようなイメージでいました。彼女は超人ではなく普通の人だし、人間らしさを感じさせる存在なのかなと、いまは思えます」。

過去の足跡をたどれば、彼女がなぜアベンジャーズに入り、彼らと共闘する道を選んだのかがわかり、熱いものがこみ上げる。米倉自身はどんな想いを受け取ったのか?「『インフィニティ・ウォー』からの流れで『エンドゲーム』へ行って、ブラック・ウィドウはああいう選択をしましたが、今回の映画で最後に言い残す言葉が、そこにつながっていると思います。私としてはぐっときたので、本作を観ていただき、さらに『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』も観直していただきたい。というか、きっと観たくなると思います」。

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