ワーナーだからこそできたオールスターのお祭り騒ぎ！『スペース・プレイヤーズ』を日本最速レビュー
バックス・バニーをはじめ、バットマンやワンダーウーマンらDCヒーロー、「マトリックス」、「ハリー・ポッター」から「IT／イット “それ”が見えたら、終わり。」のペニーワイズ…ポップカルチャーのアイコンたちが、無限に広がる仮想空間に大集結！『スペース・プレイヤーズ』(8月27日公開)は空前絶後のアトラクションムービーだ。
NBA史上最高のプレイヤーと称されるレブロン・ジェームズは、バスケットボールよりゲーム開発に夢中の次男ドムへの対応に悩んでいた。その頃、ワーナー・ブラザース(以下、WB)映画のサーバーの管理プログラム＝アル・G・リズムは、レブロンの人気を利用した新たなコンテンツを企画。その案にレブロンが興味をまったく示さなかったため、アル・G・リズムはドムを強引にバーチャル世界に引き込み、レブロンにバスケの試合で決着をつけようと申し出る。孤立無援のレブロンへの協力を買って出たのが、バックス・バニーらルーニー・テューンズのメンバーだった！
あのキャラクターが闊歩する!?ワーナー・ブラザースの無限バーチャル世界
本作は1996年に公開されたヒット作『スペース・ジャム』の世界観をベースに、新たに生まれ変わった痛快エンターテインメント。前作はNBAを代表する名プレイヤー、マイケル・ジョーダンを主演に迎え、ジョーダンとテューンズたちが悪のエイリアンとバスケで戦う姿が描かれた。
今作の敵は、ワーナーのサーバールームを束ねるAIプログラム、アル・G・リズム。彼が管理するサイバー空間、サーバー・バースの中に取り込まれたレブロンは、試合に勝つためバーチャル世界でチームメイトを集めていく。
あらゆる映画が保管されたサーバー・バースを舞台にした本作は、いわば映画の宇宙で繰り広げるアドベンチャー。WBのサーバーだけに、そこにはDCや「ハリー・ポッター」「マトリックス」「ゲーム・オブ・スローンズ」など、人気作品ごとの惑星が浮かんでいる。
しかも、バックス・バニーたちの“ルーニー・テューンズ・ワールド”は手描きアニメーションによるドタバタ調で、ぺしゃんこに潰れたキャラを空気入れで元の姿に戻したり、岩肌にトンネルの絵を描くと奥からトラックが走ってきたりとアニメらしい自由なルールに基づく世界。
一方、“DCワールド”ではバックス・バニーがバットマンに、レブロンがロビンに扮して大活躍し、「マッドマックス」の世界では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)のワイルドな映像の中で、カスタムカーと一緒にワイリー・コヨーテが大暴走。
名作『カサブランカ』(42)の世界に行くと、すべてがモノクロ映像になっていたり…と、作品ごとのテイストが再現されており、現実世界からシームレスに映画の中に入り込んでしまったようなメタな世界観が味わえる。大ヒット作の世界を再現したり、そのフッテージをそのまま利用できるのは、WBだからこその強みだ。
ギャラリー含めオールスター！白熱のバスケ対決
その“強み”が最大限に生かされたのが、クライマックスの試合。レブロンが集めたバックス・バニー、ローラ・バニー、ダフィー・ダック、ポーキー・ピッグらテューンズたちによる最強(？)チームが、アル・G・リズムやドムがそろえたスーパーアスリートチームと激突する。
二転三転するスリリングな試合を追った映像は、ゲームながらの没入感だ。圧巻は両チームを応援するため、サーバー・バース中から集結したサポーターの顔ぶれ。DCヒーローを筆頭に、キング・コングやアイアン・ジャイアント、「原始家族フリントストーン」や「チキチキマシン猛レース」らテレビアニメの主人公など、実写・アニメを問わず人気キャラが大集合している。
一方、アル・G・リズムたちの応援には、ジョーカーや『時計じかけのオレンジ』(71)の不良たち、「マトリックス」のエージェント・スミス、『～怒りのデス・ロード』のウォーボーイズや赤い風船を手にしたペニーワイズら、ダークな面々がコートの周囲を取り囲む。そのビジュアルは、まさに“WBキャラオールスターズ”。コートの際で繰り広げる作品を超えた正義と悪のせめぎ合いはすごい熱気で、そこにどっぷり浸っていると『レディ・プレイヤー1』(18)にも通じる高揚感が味わえる。
そんなお祭り騒ぎに加え、スポーツとeスポーツ、現実と仮想現実など、リアルとバーチャルの対比も本作の大切な要素。3Dゲームの世界に行くことで、2Dアニメの味わいそのまま3DCGに生まれ変わったテューンズたちが象徴するように、どちらが正解という答はない。大切なのはテクノロジーやスタイルの差ではなく、そこに豊かな想像力や発想力があるか、どれだけ多くの人を楽しませることができるかということ。父と息子の姿を通して語られる、普遍的な物語も本作の魅力といえる。
文/神武団四郎
映画ファンをアツくするキャラクター、アイテム大集合！『スペース・プレイヤーズ』特集【PR】
関連作品
関連記事
日本×台湾が舞台のラブストーリー。レビューやインタビュー、台湾現地からの情報も満載！
最高の環境で映画を。 “IMAX推し”作品を毎月アップデート
乃木坂46 1期生・高山一実がアイドルを目指す少女の10年間を描いた『トラぺジウム』を徹底解剖！
映画ファンにこそ観てほしい！”異色"ヒーローアニメの魅力をたっぷりお届け
映画ファンにこそ知ってほしい「スターチャンネルEX」の魅力に迫るコラムやインタビューを掲載
陰謀渦巻く時代を圧倒的スケールで描写！全話レビューやコラムでその魅力を深堀り
"怖い"を楽しめる情報が充実！PRESS HORRORでもっとホラーが好きになる
