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野田洋次郎、菅田将暉と歌う主題歌に込めた想いを吐露「この映画への僕なりの貢献をしたかった」

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野田洋次郎、菅田将暉と歌う主題歌に込めた想いを吐露「この映画への僕なりの貢献をしたかった」

山田洋次監督最新作『キネマの神様』(8月6日公開)の公開記念舞台挨拶が8月5日に新宿ピカデリーで開催され、菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子、山田監督が登壇。菅田と野田が、RADWIMPS feat.菅田将暉として初タッグを組んだ主題歌「うたかた歌」への想いを吐露。野田は「この映画への僕なりの貢献をしたかった」と明かした。

感無量の面持ちを見せた菅田将暉
感無量の面持ちを見せた菅田将暉

松竹映画100周年記念作品となる本作。ひたすらに映画を愛し続けた男のゴウを主人公に、時代を越えた愛と友情、家族のありようを描きだす。ゴウを、菅田と二人一役で演じる予定だった志村けんの突然の逝去、緊急事態宣言による撮影の長期中断、2度の公開延期を経て、いよいよ公開となる。


山田監督は「何度も中断して、苦労をしながら1年半かけて出来上がった。ようやく封切りの日を迎えられた。とても感慨無量です」と胸の内を告白。菅田も「50パーセントですけれど、こうやってお客さんがいる状態での舞台挨拶は貴重な時間。感慨深いです」と会場を見渡し、大きな拍手を浴びていた。

野田洋次郎は、撮影で芽生えた感謝を曲に込めたという
野田洋次郎は、撮影で芽生えた感謝を曲に込めたという

野田が作詞作曲をし、ゲストボーカルとして菅田を迎えた「うたかた歌」が、本作の主題歌となっている。制作の経緯を聞かれた野田は、「撮影が始まって、山田組を緊張しつつも日々楽しんで。自分が体験していることが絵空事のようで、日々が過ぎていった」と特別なものとなった撮影期間を述懐。

登場人物たちが過ごした「空気や匂い、感覚を音楽で残しておきたいと思った」そうで、そこで浮かんだ言葉を「台本の横にメモしていたりしていた」という。「その後、志村さんが倒れられたと聞き、撮影がすべてストップして『この映画が止まってしまうのか。あんなにすてきな経験がなかったことになってしまうのか』という恐怖心があった。自粛期間を過ごすなかで、この間に音楽にするしかないなと思った。誰に何を言われるでもなく、この曲のデモを作って、プロデューサーや山田監督、菅田くんにも『僕からの手紙と思って受け取ってください』という気持ちで送った」と自発的に曲を作り始めたと明かし、「主題歌がどうこうという以前に、 僕からできる、この映画への僕なりの貢献をしたかったということが入り口だった」と語った。

会場に笑顔で手を振った
会場に笑顔で手を振った

楽曲を受け取った菅田は、「『感謝の気持ちを込めたお手紙です』という形で、曲をいただいた。感動しました」としみじみ。「世の中全体のムードとして、みんなが動けなくなっているなかで『なんとか動きだそう』という気持ちにさせてくれた」と力をもらったといい、「曲を聴いていくと、確実に現場の空気が思い出される曲だった。“自分が出ている映画で、エンディングで歌う”ということには少し抵抗感があるんですけど、すごく自然な流れで歌えた」と話していた。

会場には、志村に代わって現代のゴウを演じた沢田研二からのコメントが読まれるひと幕もあった。コメントには「志村けんさんのお気持ちを抱き締めて、やり遂げる覚悟です。あの日から新型コロナと共に歩んだ、72歳。精一杯の姿です。せんないですが、志村さんのゴウが見たかった。封切館で初めて観ようと思います」との想いがつづられており、菅田は「同じ人物を演じられたことが、すごく光栄です」と心を込めていた。

取材・文/成田おり枝

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