「いつか絶対仕事をしたかった」ティモシー・シャラメが熱望したドゥニ・ヴィルヌーヴと挑む『DUNE/デューン 砂の惑星』への想い|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「いつか絶対仕事をしたかった」ティモシー・シャラメが熱望したドゥニ・ヴィルヌーヴと挑む『DUNE/デューン 砂の惑星』への想い

インタビュー

「いつか絶対仕事をしたかった」ティモシー・シャラメが熱望したドゥニ・ヴィルヌーヴと挑む『DUNE/デューン 砂の惑星』への想い

「等身大の青年の成長過程を丁寧に表現しました」

『メッセージ』(16)や『ブレードランナー2049』(17)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、長年にわたって映画化を熱望してきたフランク・ハーバートの伝説的SF小説を実写化した『DUNE/デューン 砂の惑星』(10月15日公開)。主人公のポール・アトレイデス役を演じたティモシー・シャラメは「この作品に臨むうえで一番のモチベーションになったのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴという存在だった」と、映画ファンから絶大な支持を集める天才監督への敬意をのぞかせる。

本作は、砂に覆われた惑星“デューン”を舞台に繰り広げられる、全宇宙を巻き込んだ戦いを描く物語。“未来が視える”能力を持つ、アトレイデス家の後継者ポールは、宇宙帝国の皇帝からの命令を受け「その惑星を制する者が全宇宙を制する」といわれる砂の惑星デューンへと一族で移住する。しかしそれは罠であり、アトレイデス家と宇宙支配を狙うハルコンネン家の間で戦いが勃発。そしてポール全宇宙から命を狙われる存在に…。

先日行われたヴェネチア国際映画祭でキャストが集合!
先日行われたヴェネチア国際映画祭でキャストが集合![c]2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14)で主人公の息子役を演じ注目を集め、ルカ・グァダニーノ監督の『君の名前で僕を呼んで』(17)で第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、数多くの映画賞を獲得したシャラメ。一躍脚光を浴びた彼は、その後もグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』(17)や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)など、現代の映画界をリードする人気監督たちの作品に引っ張りだことなっている。

「僕が仕事をするうえでのルールは、最高の監督やスタッフ、共演者と仕事をすることです」と明かすシャラメは「元々ドゥニは“いつか一緒に仕事をしたい監督”のリストの最上位にいました」と、ヴィルヌーヴとのタッグを待望していたことを告白。しかもそれが実現したのは、自身のキャリアのなかでも最大規模のスケールを持つ作品。「長い撮影期間を通して非常に多くのことを学びましたが、それ以上にすばらしいスタッフたちと仕事をできる機会を与えられただけで、本当に最高の体験でした」と、本作の撮影を満足げに振り返った。

【写真を見る】『DUNE/デューン 砂の惑星』場面写真、ヴェネチア国際映画祭での様子も公開
【写真を見る】『DUNE/デューン 砂の惑星』場面写真、ヴェネチア国際映画祭での様子も公開[c]2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

原作小説へ想い入れの強いヴィルヌーヴ監督は、本作を手掛けるにあたって原作に忠実な映画化を望み、キャスト陣には“バイブル”として原作小説を読むことを求めたという。「『デューン』のように非常に豊かで密度のある作品では、当然のようにポールのキャラクターについてもすでに事細かに描写されている。なので僕たちのゴールはそれになるべく近付けることでした。ある意味では、すでに用意されたパラメーターのなかで作業をしていくようなものです」。

“正解”と呼べるものがすでに存在しているなかで、シャラメ自身はどのようにしてポール・アトレイデスという役柄に向き合ったのか。訊ねてみると、すぐさま「僕がもっとも重要視したのは、彼自身の成長です」との答えが。「誰もが大人になるにつれ、様々な経験をしていきます。若いポールが外の世界で少しずつ学び、悩みながら成長していく過程を丁寧に表現しようと臨みました。そのため、すべてのシーンを通して、ポールがいまどんな状況にいるのか“彼自身がわかっていない”ことにコミットする必要があったんです。また彼は宇宙を救うために戦っていますが、ヒーローとしてではなく、あの年齢ならではの等身大の青年であることを意識しました。なぜなら映画に出てくる本物のヒーローたちは、自分がヒーローだと思って行動しているわけではないだろうから」。


ポールを「ヒーローではなく、等身大の青年として表現する」ことを大切にしたそう
ポールを「ヒーローではなく、等身大の青年として表現する」ことを大切にしたそう[c]2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

本作以降にも、ウェス・アンダーソン監督の『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・サン別冊』(2022年公開)や、アダム・マッケイ監督の『Don’t Look Up』などの話題作が控えているシャラメ。「本作もそうでしたが、すばらしい監督や脚本、役柄、チーム、共演者、原作と、すべてが揃っている作品に出させていただけることは本当に幸せなことです。僕自身もこれまでそういった作品に多く出演できていて、ちょっと甘やかされてるんじゃないかなって思うくらい」という彼は、やはり作品選びのうえで重視しているのは「監督」の存在だと強調する。

「もしクリストファー・ノーラン監督から連絡が来たら、迷わずイエスと即答すると思います。ああ、でもどんな役柄かは訊いたほうがいいかな…(笑)。いまの自分は、本作のポールがそうであるように、なにかのキャリアの始まりにいるような役柄にすごく惹かれているんです」。まだ25歳、俳優としての第1章のまっただなかにいるシャラメに、今後どんな監督や役柄との出会いが待ち受けているのだろうか。まずはその輝かしい物語の最重要作品となるであろう『DUNE/デューン 砂の惑星』で魅せる姿を、とくと見届けたい。

文/久保田 和馬

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