栗田貫一&山寺宏一が語り合う、2代目の葛藤と「ルパン三世」50年目の“船出”「いまでも『カリオストロの城』に立ち返る」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
栗田貫一&山寺宏一が語り合う、2代目の葛藤と「ルパン三世」50年目の“船出”「いまでも『カリオストロの城』に立ち返る」

インタビュー

栗田貫一&山寺宏一が語り合う、2代目の葛藤と「ルパン三世」50年目の“船出”「いまでも『カリオストロの城』に立ち返る」

待望の新シリーズ「ルパン三世 PART6」の放送が、10月9日の24時55分(10日未明)から日本テレビほかで順次放送スタート。アニメ化50周年記念作品となる本作で、すご腕ガンマンの次元大介役が、アニメシリーズ開始から唯一の初代キャストとして約50年間にわたって次元に命を吹き込み続けてきた小林清志から、ルパンファミリー初参加となる大塚明夫へと交代となった。1995年に先代のルパン声優・山田康雄からバトンを引き継いだ栗田貫一は「ルパンファミリーの新たな船出」としみじみ。2011年から納谷悟朗に代わって銭形警部役を演じている山寺宏一は、「清志さんの後を引き継げるのは、明夫さんしかいない」と話す。偉大な先輩から国民的キャラクターを受け取るプレッシャーとはどのようなものなのか。

アニメ化50周年記念作品「ルパン三世 PART6」が登場!
アニメ化50周年記念作品「ルパン三世 PART6」が登場!原作:モンキー・パンチ [c]TMS・NTV

「ルパン三世」は、ルパン三世と次元大介、石川五ェ門、峰不二子ら仲間と、宿敵となる銭形警部ら個性的なキャラクターが織りなすアクション・アニメ。「ルパン三世 PART6」ではロンドンを舞台とし、ルパンが新たな宝を追いかける姿を描く。シリーズ構成を推理小説家でアニメ・特撮の脚本も手掛ける大倉崇裕。作家の辻真先、芦辺拓、樋口明雄、湊かなえ、映画監督の押井守がオムニバスエピソードの脚本を執筆している。新たな船出を迎え、栗田と山寺がこれまでの道のりを振り返るとともに、胸に抱いた覚悟、そして大塚へのエールを語った。

「『ルパン三世 PART6』はルパンファミリーの新たな船出」(栗田)

ーーこれまでも時代ごとにいろいろなカラーの「ルパン三世」が作られてきましたが、「ルパン三世 PART6」は“ミステリー”がテーマになるとのこと。シャーロック・ホームズも登場しますが、脚本を読まれてどのような印象を持ちましたか?

栗田貫一がルパンを演じるようになって、26年が経った
栗田貫一がルパンを演じるようになって、26年が経った撮影/興梠真穂

栗田「ついこの間までネット社会を描く『ルパン三世』をやっていたと思ったら、今度はシャーロック・ホームズが登場するミステリー。シャーロック・ホームズとルパンが古くからの知り合いだったというところからストーリーが始まるのですが、キャラクターや時代性もすごいところに目をつけたなと思いました。全編に漂うイギリスの香りや絵のタッチも含め、また新しい『ルパン三世』が生まれたなと思っています。メインストーリーとは別にオムニバスエピソードも作られるのですが、その脚本家陣がこれまたすごいんです!」

山寺「シリーズ構成を務める大倉さんもすごい方ですが、オムニバスの脚本家陣もとんでもない方々が顔を揃えていて、『まさか本当にあの方々が参加するの!?』とびっくりしました。並んだお名前を見た時は、同姓同名の人がいるのかと思いました(笑)。アニメ化50周年ということで、新しい『ルパン三世』を作ろうとしているスタッフの方々の意気込みを感じました。すばらしい作家の方々が愛を込めて『ルパン三世』の世界を描いてくれて、『ルパン三世』はいろいろな展開ができるシリーズなんだなと改めて実感しています」

「存在感、色気、渋さ…清志さんの後を引き継げるのは、明夫さんしかいない」(山寺)

ーーアニメ化50周年の節目に、次元大介役が交代となることが発表されました。小林清志さんから、大塚明夫さんへとバトンが引き継がれます。

ルパンファミリーが新たな船出を迎えた
ルパンファミリーが新たな船出を迎えた原作:モンキー・パンチ [c]TMS・NTV

栗田「小林清志さんのファンという方々が、根強くいらっしゃいます。そしてもちろん、いまでも山田康雄さんのファンという方々もいらっしゃる。小林さんがシリーズを去ることは、本当にさみしいことです。ですが、誰かが受け継いでいかないと新たな作品に出会えない。『ルパン三世 PART6』はルパンファミリーの新たな船出。10年前に山ちゃん(山寺)たちが加わってリスタートしましたが、ここからさらなるリスタートだなと思っています」

山寺「僕は10年前からこのファミリーに参加させていただいて、栗田さんともこうやって仲よくさせていただき、さらにそこにはシリーズの始まりから50年も『ルパン三世』に取り組んできた清志さんがいた。これは本当に幸せなことです。尊敬する大先輩と同じ場所で、次元と銭形としてお芝居ができたのですから」

栗田「そこで今回次元を引き継ぐ声優として、登場したのが大塚明夫。『この男しかいないだろう』というパーフェクトな次元大介じゃないかなと思いました」

2011年から納谷悟朗に代わって銭形警部役を演じている山寺宏一
2011年から納谷悟朗に代わって銭形警部役を演じている山寺宏一撮影/興梠真穂

山寺「自分のことを思い返してもそうですが、まず『ルパン三世』という作品が偉大すぎるので、声優交代というのは大変なこと。清志さんの後に次元役を引き継ぐ方は大変だろうなと思いました。でも明夫さんだと聞いて、僕は『ああ、やっぱり』と。清志さんの演じる次元のあの存在感、色気、渋さを出せる人といったら、ほかに誰もいないだろうと思ったんです。納谷さんから銭形役を引き継いだ時、僕は50歳。『どうせ若返りを図るなら、もっと若い人にやらせろ!山ちゃんはもう50歳だぞ』と言われたりもしましたが、今回の新キャストとなる明夫さんは、61歳です(笑)。とはいえ誰もが納得するのではないでしょうか。どうやら明夫さんも、相当緊張しているようです。最初に皆さんのもとに作品が届くまでは、ドキドキだと思います。僕なんて、いまだに緊張していますから」

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