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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が北米ランキング1位!観客25%がコロナ禍初めての劇場体験に

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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が北米ランキング1位!観客25%がコロナ禍初めての劇場体験に

ひとつ前の週末に公開された『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(12月3日日本公開)がコロナ禍以降で最高のオープニング成績を樹立したことで、毎週のように控える大作映画の公開と相まって、北米の映画興行は以前のような賑わいを取り戻すだろう。そんな期待が大いに高まるなかで、約1年半の延期を経て『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(日本公開中)が北米公開を迎えた。

【写真を見る】期待を下回るスタート…その原因は観客の年齢層に?
【写真を見る】期待を下回るスタート…その原因は観客の年齢層に?写真:EVERETT/アフロ

先週末(10月8日から10日)の北米興収ランキングは、大方の予想通り『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が初登場1位。4407館で週末3日間5522万ドルの興行成績は、2021年公開作では前述の『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』とMCU2作品、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(21)に次ぐ5番目に高いもの。それでも前作『スペクター』(16)や前々作『スカイフォール』(12)より20%以上下回っており、期待されていたオープニング興収に届かなかったという見方が強い。

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の観客の25%がコロナ禍以降最初の映画館体験だったというデータも
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の観客の25%がコロナ禍以降最初の映画館体験だったというデータも写真:EVERETT/アフロ

「Indiewire」の報道を参照すると『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の観客の約4分の1が、コロナ禍以降最初の劇場体験に同作を選んでいたとのこと。それでも「007」シリーズの主要な客層のおよそ3分の1が45歳以上で、およそ半数が35歳以上。客層の3分の2が35歳未満だった『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』とは正反対であり、まだ往年のファンの多くが映画館に足を運ぶことを躊躇していると推察されている。また、2時間43分という上映時間の長さも少なからず影響していると見られ、次週以降でどこまで伸ばせるかに注目が集まるところだ。


『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は2021年公開作の第5位にジャンプアップ!
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は2021年公開作の第5位にジャンプアップ!写真:EVERETT/アフロ

一方でそんな『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は前週から64.7%と大幅な下落率に見舞われながらも、2週目末としては『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(日本公開中)をわずかに下回る3175万ドルで2位に食い下がる。北米累計興収は1億4000万ドルを突破し、あっという間に2021年公開作の5位にジャンプアップ。

初登場作品では第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でオリジナリティ賞を受賞したA24作品『Lamb』が8位にランクイン。同作はノオミ・ラパスが主演を務め、『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』(16)などの大作で特殊効果を手掛けてきたヴァルディマル・ヨハンソンの長編監督デビュー作となるサイコホラー。A24が送りだすホラーは『ヘレディタリー 継承』(18)や『ライトハウス』(19)など、賞レースでも存在感を見せてきて実績があり、本作がアイスランド映画というハンデを超えてそれらに続く可能性も充分だ。

次週末はリドリー・スコット監督の最新作『最後の決闘裁判』(10月15日日本公開)と、『ハロウィン』(18)の続編となる『ハロウィン KILLS』(10月29日日本公開)が共に拡大公開。一騎討ちとなるのか、『007』が凌ぎきるのか。注目しておきたい。

文/久保田 和馬

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