MCUの新ヒーローチームを描く『エターナルズ』、ジェームズ・ワン監督最新ホラー『マリグナント』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
MCUの新ヒーローチームを描く『エターナルズ』、ジェームズ・ワン監督最新ホラー『マリグナント』など週末観るならこの3本!

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MCUの新ヒーローチームを描く『エターナルズ』、ジェームズ・ワン監督最新ホラー『マリグナント』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、7000年に渡り人類を見守ってきた最強ヒーローチームの活躍を描くマーベル・スタジオ最新作、異才ジェームズ・ワンによる悪夢と現実が入り交じるミステリーホラー、名優ヴィゴ・モーテンセンが初監督を手掛ける、親子の絆を描いたヒューマンドラマの新境地を映しだした3本!

これまでのヒーロー映画とは大きく異なるアプローチ…『エターナルズ』(公開中)

【写真を見る】サノスをも超える敵の登場により、エターナルズは再び集結する(『エターナルズ』)
【写真を見る】サノスをも超える敵の登場により、エターナルズは再び集結する(『エターナルズ』)[c]Marvel Studios 2021

宇宙から来たヒーローチームの活躍を描くマーベル・スタジオ最新作。凶暴な生命体ディヴィアンツから人類を守るため、7000年前に地球に派遣されたエターナルズ。その使命を終え人類に紛れて暮らしていた彼らの前に、絶滅したはずのディヴィアンツが現れた。ヒーローチームと聞いて「ポスト・アベンジャーズ登場か?」と思いきやそのテイストは大きく異なっている。本作の主人公は、触れた物質を変換する能力を持つ女性セルシ(ジェンマ・チャン)。戦闘能力はなく、どちらかといえば控えめなキャラクターなのがおもしろい。監督は昨年アカデミー賞監督賞に輝いた『ノマドランド』(21)のクロエ・ジャオ。スペクタクルなバトルをはさみつつ、心情描写を積み重ねセルシが覚醒していく姿を丁寧に描いている。それまでの直線的なヒーロー映画とは大きく異なるアプローチで、最初は「おお?」と思っていたが、これが意外に心地よい。ヒーローたちの性格や能力はそれぞれだが、直情的なキャラがいないところにも大人を感じさせる作品だ。ヒーローたちの苦悩を正面から描き、勧善懲悪だったこのジャンルを次の段階に押し上げたマーベル・スタジオ。本作ではさらなる新境地を開拓している。(映画ライター・神武団四郎)

これを先読みするのはなかなか困難…『マリグナント 狂暴な悪夢』(公開中)

『ソウ』のジェームズ・ワンが、完全オリジナルで作りだした最狂ホラー『マリグナント 狂暴な悪夢』
『ソウ』のジェームズ・ワンが、完全オリジナルで作りだした最狂ホラー『マリグナント 狂暴な悪夢』[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

「死霊館」シリーズでおなじみのジェームズ・ワン監督が放つ、まったく新しい恐怖!夫の惨死という悲劇に見舞われた人妻が、その後、予知夢のように次々と何者かによる殺害の現場を幻視する。この現象は、なぜ起こるのか!?霊か、モンスターの仕業か、まったくわからないミステリー。ホラーをこよなく愛するワン監督らしい、部屋の風景が早変わるVFX映像や、1970~80年代のスラッシャー映画を思わせるスプラッター描写も強烈だ。スリルの高まりを覚えながらたどりつく、ドラマ面での衝撃の事実。これを先読みするのは、ワンの出世作『ソウ』(04)の結末がそうであったように、なかなか困難だ。百聞は一見にしかず。とにかく、観て、驚いてほしい。(映画ライター・有馬楽)


ヴィゴ・モーテンセンの作家性を余すところなく体感…『フォーリング 50年間の想い出』(公開中)

『グリーンブック』ほか、様々な作品に出演したヴィゴ・モーテンセンが監督を務める『フォーリング 50年間の想い出』
『グリーンブック』ほか、様々な作品に出演したヴィゴ・モーテンセンが監督を務める『フォーリング 50年間の想い出』[c] 2020 Falling Films Inc. and Achille Productions (Falling) Limited· SCORE [c] 2020 PERCEVAL PRESS AND PERCEVAL PRESS INC. · A CANADA - UNITED KINGDOM CO-PRODUCTION

「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のアラゴルン役で世界的な人気を獲得し、『イースタン・プロミス』(07)、『はじまりへの旅』(16)、『グリーンブック』(18)で3度のアカデミー賞主演男優賞候補になった名優、ヴィゴ・モーテンセンがついに監督デビュー!しかも、出演に加えて、自身の経験を反映した半自伝的な脚本を執筆し、さらには音楽まで手掛け、画家、写真家、詩人としても活躍する彼の作家性を余すところなく体感できるものに。ずっと埋まらない心の溝を抱え、疎遠になっていた父と息子の邂逅を描く本作。パートナーと養女の3人で暮らしている息子、ジョン(モーテンセン)のもとに、田舎で農場経営をしている父、ウィリス(ランス・ヘンリクセン)がやって来る。認知症を発症して引退することにした彼の新居を、一緒に探してほしいというのだ。しかし、保守的でゲイである息子を快く思わない父の言動にジョンは振り回され、過去と現在が混濁していく彼と向きあううち、親子の50年間の想い出があふれだしていく。ジョンを演じるモーテンセンのほか、スヴェリル・グドナソンやローラ・リニーといった国際的に活躍する演技派が集結。そしてなにより、短気で誰彼構わず暴言を浴びせまくるウィリス役のヘンリクセンの存在は圧巻で、『エイリアン2』(86)のビショップ役などクセ者イメージが強いベテランの積み重ねてきた確かな演技力に魅了されてしまう。動きを抑えたカメラワークや自然光にこだわった照明、静謐な音楽による過剰な演出を排した空間の中でより際立つ、ジョンとウィリスが長年ため込んできたわだかまりぶつけあいながら、互いの想いを確かめあう不器用なドラマは、誰の心にも迫るものがあるに違いない。ちなみに、モーテンセンとは関係の深いデヴィッド・クローネンバーグ監督がドクター役で出演しているのもファンにとってうれしいポイントだ。(ライター・平尾嘉浩)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/サンクレイオ翼

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