「ボス・ベイビー」最新作は「ロード・オブ・ザ・リング」で「マッドマックス」!?映画好きにたまらない小ネタまとめ
「マッドマックス」シリーズ顔負けの激しいチェイスシーンに大興奮！
「ボス・ベイビー」のお楽しみはなんといってもアクション。前半の見せ場は、潜入捜査に行く朝に寝坊したティムとテッドの登校シーン。授業時間に間に合うように、タビサの愛馬(ポニー)のプレシャスが信号や障害物をものともせず、全速力で最短ルートを駆け抜ける。追いすがる3つ子の白バイ警官とデッドヒートを繰り広げ、街を破壊していく様は「マッドマックス」シリーズ顔負けの激しさだった。
ちなみにポニーのプレシャス、なつく人にはデレデレするが、嫌いなやつ(ちなみにティム)には徹底的に塩対応で接している。その二重人格的な性格からして、プレシャスの名前は2つの人格を持つ「ロード・オブ・ザ・リング」3部作と『ホビット 思いがけない冒険』(12)に登場したゴラムのおなじみのセリフ「いとしいしと(My Precious)」からの命名かも？「ロード・オブ・ザ・リング」で言えば、テッドがプレシャスを口笛で呼ぶところは、『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(02)でのガンダルフが愛馬の飛蔭(Shadowfax)を呼び寄せるシーンも思わせる。
『ミッション：インポッシブル ゴースト・プロトコル』の決死のスタントも模倣？
学校に潜入したテッドは、悪の天才博士がいる校長室に忍びこもうと糊を使って壁をペタペタはい歩く。その姿は特殊吸着グローブで世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファの130階の外壁をよじ登った『ミッション：インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11)のトム・クルーズさながら。手のひらに糊を付けたので、なにかに触るたびに引っついてしまうのは想定外か？
テッドが学校の幼児ルームから脱け出すシーンでは、まわりの幼児に「みんな『ショーシャンクの空に』ごっこをしないか？」と呼びかける。日本語では「脱走ごっこ」に吹替えられたが、休み時間に校庭の一角で子どもたちがうらぶれ感たっぷりでたむろしている姿は、『ショーシャンクの空に』(94)の刑務所のように描かれていた。
『ロッキー・ホラー・ショー』に「ローン・レンジャー」…コアなファン向けの音楽も
お遊びは音楽にもある。48時間だけ子どもに戻れるスーパーミルクを飲んで、子どもの姿になったティムとテッド。2人が小さくなりながら家中で追いかけっこをするシーンで流れていたのが、『ロッキー・ホラー・ショー』(75)の代表曲「タイム・ワープ」。“また時間を飛びこえようぜ！”のフレーズは、30年の時を超える2人にぴったりの選曲だ。
ボス・ベイビーがプレシャスにまたがり颯爽と登場するシーンに使われたのは「ハイヨー！シルバー」で知られる西部劇ドラマ「ローン・レンジャー」(49～57)のテーマ曲。一方オリジナル曲も、潜入ミッションを練るシーンで「ミッション：インポッシブル」風の歯切れのよい楽曲を使うなど聴きどころも満載だ。
ほかにもティムとテッドが『タイタニック』(97)風のピンチを迎えたり、「バイオハザード」シリーズに代表されるゾンビ映画を思わせるシチュエーション、さらには『メン・イン・ブラック』(97)を思わせるキャラが出たりと、挙げていけばキリがない。小ネタを味わうのも『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』の魅力なのだ。いたるところに散りばめられたオマージュもチェックしながら、ボス・ベイビーたちのハチャメチャなミッションを映画館で楽しんでほしい！
文/神武団四郎
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