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ゆりやんレトリィバァが新たに選考委員に就任!清水崇、堀未央奈らが続投する「第2回 日本ホラー映画大賞」の概要が発表

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ゆりやんレトリィバァが新たに選考委員に就任!清水崇、堀未央奈らが続投する「第2回 日本ホラー映画大賞」の概要が発表

<コメント>

●井上伸一郎(株式会社KADOKAWA エグゼクティブ・フェロー)
「このたび『日本ホラー映画大賞』チェアマンに就任いたしました株式会社KADOKAWA エグゼクティブ・フェローの井上伸一郎です。KADOKAWAはジャパニーズ・ホラーというジャンルに風穴を開け、新たな映像作家を発掘・支援する目的で「日本ホラー映画大賞」を設立。2021年に第1回が開催されました。

突然のコンペティションの募集にも関わらず、国内外から実写アニメ合わせて104作品もの応募がありました。大賞を射止めた『みなに幸あれ』の下津優太さんをはじめ、多くの新しい才能と出会うことが出来ました。『大賞は商業映画デビュー!』という看板に偽りはありません。『みなに幸あれ』は下津監督自らがメガホンを取り、商業映画としてスケールアップさせ、現在鋭意制作中。2023年内の公開を目指しています。
そしていよいよ第2回の応募がスタートします。まだ誰も見たことのない表現、思いもつかなかった着想、実験的・刺激的なチャレンジ。ホラーというジャンルの地平線には、まだまだ開拓されていない可能性があるはずです。『第2回日本ホラー映画大賞』をきっかけに、世界にはばたく新星が生まれることを楽しみにしています」

●清水崇(映画監督/選考委員長)
「ホラー映画は“蔑視”や“偏見”あってこそ、だと僕は思っている。市民権を得過ぎて、皆に両手を広げて迎えられるホラーなど、きっとおもしろく(怖く)ないだろう。元来、恐怖は本能的な防御心から発生している感覚だが、『怖そうだけど、こっそり覗いてみたい…』。この“こっそり覗く”怖いもの見たさの衝動こそ真骨頂で、安全圏内で恐怖を娯楽たらしむことが出来る人間ならではの贅沢な特権ではないか…と思える。

『ホラーは苦手』な人ほど、ホラー=<物語や感情の機微は二の次で、無闇やたらに登場人物が死に、派手な血まみれ残酷場面を見せられる俗的で下衆なシロモノ>といった認識が多いようだ。実際は…その手の類のものもあれば、まったくそうでないものもある。そこは他のジャンルでも同じく、表面上ヒューマンな感動ドラマを装い、多くの涙を誘いながらも、結局は動物や難病、子供を盾に使い、観ていられない程の残酷性を感じるシロモノも平然と存在している。

要は世間がジャンルという“観易く、選び易くするために取り入れられた都合の枠”に捉われ過ぎてしまっているだけの気もしてくるが、ホラーにはホラーならではの視点やメッセージやテーマの掲げ様があり、そこには苦手な方からの“蔑視”や“偏見”があるからこその社会や人間の隠微な闇の淵を反映し、探索心や認識・理解・共有への創意工夫も表現せしめることができる。

僕はホラーを手掛けることが多いので、舞台挨拶などで出演してくれた俳優陣から『怖いだけじゃなく、物語性もある映画なので…』という言葉を良く耳にするが、その度に毎回<怖いだけのホラーって?そんなの作る方が大変だよ…>と心の内で思う。勿論…いや、当然…『怖い』だけがホラーの醍醐味ではない。が、ホラーと聴けば、『如何に怖いか?怖がらせてくれるか?』が期待値のメインではある。

僕よりも一回り上の世代の先輩陣が挙げる怖い映画と言えば、大抵が『サスペリア』や『犬神家の一族』に集約され、皆さん口を揃えて『当時はこんな映画観たら、自分はどうなってしまうのか!?と怖くてたまらなかった…』と仰る。つまり観る前から恐怖を堪能していたのだ。そして当時、実際に観た方は『しばらく眠れなかった』『なにが怖かったか?は憶えてないが(今でも)…二度と観たくない』などと仰る。観てしまった当時の印象こそが全てで、いまもその人の心を打ち震わせてしまう…なんてロマン溢れる時代だったのだろう、と僕などは感じる。生きた時代、観た年齢、その時の状況で各自の度合いは違うが、受けた印象やトラウマ的な衝撃は、その人の嗜好や人格の形成、ホラーや物事の捉え方に大きな影響を与えてくれる。

時代と共に映像制作が手頃になり、プロだけの領域で無くなった昨今、一昔前のような誇張された宣伝や広告も“こっそり覗く”感覚も一般的に通用しなくなり、より過激に、より派手に、より端的に……となりがちだが、大事なのは“蔑視”や“偏見”を越えた先にあるホラーならではの醍醐味を、個々が如何に感じ取れるか?な気がしている。

『結局、一番怖いのは人間だよね』ある年齢を越えると、目に見える現実や常識に縛られ、訳知り顔の大人ぶった人たちは皆、この言葉を口にし始める。人や世を良く洞察しており、賢く見てもらえそうだからでしょう…僕には、むしろなんて高慢で幼稚で無責任な口ぶり…と思えてしまい、この言葉が好きではない。とは言え、このいわゆるヒトコワも確かにホラーだ。むしろ、『自分は違うし、理解不能だが…』とばかり、無責任にこの言葉を放っている大人こそが、恐怖の対象たり得る気もしてくるが。

自分たちや生活への反省や戒め、教訓も鑑みて、“ロマン”という香辛料をまぶした文化こそが妖怪やお化け、モンスターを生み出し、人智を超越した現象や異物を持ち込んだ創作世界に昇華しているのではないか?長くなってしまったが、幽霊でも人でも現象でも何でもいい…大いなる“蔑視”や“偏見”を乗り越え、大人になっても…否、現実に汚染された大人にさえも、脳裏から離れないような印象を与えてくれる<恐怖>を心待ちにしている」

【写真を見る】選考委員から熱いメッセージ!清水崇監督「脳裏から離れない<恐怖>を心待ちにしている」
【写真を見る】選考委員から熱いメッセージ!清水崇監督「脳裏から離れない<恐怖>を心待ちにしている」冨安由真『Sisters』[c] Yuma Tomiyasu, photo by Ken Kato


●堀未央奈(女優)
「第1回に続いて第2回目も審査員をさせていただけることをうれしく思います。幼少期から徐々に好きになりいまでは1番好きな映像ジャンルとなりました。日常から生まれたアイディアを非日常の世界へと繋げて、皆さんの奥底に眠る恐怖への好奇心や発見を新たなホラー作品としてたくさん投影していただきたいです。今回も楽しみにしています」

●FROGMAN(映像クリエイター・監督・声優)
「実は私もアニメでホラー作品を作ってきた。と言うのも、なんとかして海外で評価を得たい、そう考えてのことだ。私は長くコメディ作品を作ってきたが、日本の笑いをそのまま海外に持っていくことは難しい。”笑い”は、文化や言語などが違えば、そのツボが大きく変わってしまうのだ。しかし恐怖は違う。死者が蘇り、生者の目の前に現れる気味の悪さは、どんな国、どんな人種でも共有されている。ジャパニーズホラーが海外を席巻したことは、まさしくその証左だろう。
昨年度は初のアワードにも拘らず、多くの才能が”恐怖”に挑み、目を見張るような素晴らしいホラー作品が出品された。しかし、まだまだこんなもんじゃない。もっともっと、いますぐ世界に打って出られるような才能が隠れているはず。今年はそんな、世界で戦える作品に出会えることを楽しみにしている」

●小出祐介(Base Ball Bear/ミュージシャン)
「第1回目の『日本ホラー映画大賞』は、集まった作品のクオリティーの高さに驚き、若い監督さんたちの情熱にとても感銘を受けました。そして、選考会も大盛りあがりでめちゃくちゃ楽しかったです。ホラー映画をひとりで嗜んできた人生だったので、世代も立場も異なるみなさんと、候補作品のここが好き、ここがすごいと語り合えるなんて、すごく贅沢な時間でした。今回もお声がけいただけて、うれしい限りです。Jホラーの歴史を更新するような、ぶっちぎりに怖い作品と出会えることを楽しみにしています!」

●宇野維正(映画ジャーナリスト)
「昨年の第1回『日本ホラー映画大賞』で審査員を務め、また日々の仕事で日本の若い映画作家の作品に触れるなかで、改めてホラーというジャンルが日本映画の新しい時代を切り拓いていく鍵であることを確信するようになりました。ホラーは撮影、照明、録音、編集といった映画としての基礎体力がむき出しになるジャンルなので、自分は審査の過程でもそれらのポイントを重視していますが、一方で、技術面は未熟であっても見たことを一生後悔するような『本当に怖い作品』の応募も待ち望んでいます」

●ゆりやんレトリィバァ(コメディアン)
「このたびは、非常に光栄なことに審査員をさせていただくことになりました。ありがとうございます!子どもの頃からホラー映画が怖くて怖くて、思い出しても寝られなくなるのに大好きです!今回の日本ホラー映画大賞の夜からはトイレにもお風呂にも入れなくなると思いますので、体が心配です。とても楽しみにしています!おちついていきや~!」

文/久保田 和馬

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