10年経っても愛される『横道世之介』に、沖田修一監督も驚嘆!「こんなに長生きする映画になるなんて…」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
10年経っても愛される『横道世之介』に、沖田修一監督も驚嘆!「こんなに長生きする映画になるなんて…」

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10年経っても愛される『横道世之介』に、沖田修一監督も驚嘆!「こんなに長生きする映画になるなんて…」

さかなのこ』(9月1日公開)の公開を記念して行われた「沖田修一監督特集上映」で8月28日に『横道世之介』(13)のトークイベント付き上映が開催され、沖田修一監督が登壇。今年で撮影から丸10年を迎えた同作がいまなお多くの映画ファンから愛され続けていることへの感慨や、撮影当時の裏話などが語られていった。

芥川賞作家の吉田修一の同名小説を原作にした『横道世之介』は、1987年の東京を舞台に、大学進学のため長崎から上京してきた横道世之介と、彼を取り巻く人々の青春模様を描いた物語。主演を務めた高良健吾やヒロインを演じた吉高由里子をはじめ、池松壮亮や綾野剛、柄本佑、黒川芽以、佐津川愛美ら若手俳優たちの共演に加え、江口のりこやムロツヨシ、眞島秀和といった後にブレイクを果たす俳優たちが出演していることでも語りぐさになっている。

この日の上映は満席になるほどの大賑わいを見せ、会場には『横道世之介』を初めて観るという人の姿も多数見受けられた。「こんなにたくさんの方に観てもらえて、うれしく思っております」と照れ笑いを浮かべる沖田監督は、「公開当時は全然お客さん入らなかったのに…」とつぶやき会場の笑いを誘う。そして「いまでも『横道世之介』が好きと言ってくださる方が多くて、僕自身も好きな映画です。良いものを作ったなとは思っていたのですが、当時はこんなに長生きする映画になるなんて思っていませんでした」と感無量な面持ちで語った。

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1977年生まれの沖田監督は、劇中の時代への思い入れがあまり強くなかったことを明かす。それでも劇中に登場する1987年の街並みは、細部まで忠実に再現された完成度。沖田組の総力が結集して作り上げられた渾身の出来栄えに「僕のわからないところでも、画面に写ってる苦労がいっぱいあるのかなと思います」とスタッフを労った沖田監督は、撮影時の思い出を振り返っていく。

冒頭から登場する新宿駅前のシーンは「現代の新宿駅前に80年代の髪型や服装をしたエキストラの方々を100人くらい一斉に放ってゲリラ撮影をしました」と明かし「撮った映像にCG処理を加えていき、少しずつ時代が遡っていくのを見てすごいなと感じました。劇中で斉藤由貴さんの看板があるところには偶然にも吉高さんの映画の看板があり、ふと見上げるとユニクロの広告の高良くんがいて。2人に見守られながら撮影していたのを覚えています」。

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また下北沢駅のシーンについても「すでに駅の改修が始まっていて本物の下北沢駅では撮影ができず、なんとかそれらしい雰囲気を作ろうと、菊名駅にもうひとつ出入口を作らせてもらって撮影をしました」と、特に美術スタッフの力が入ったシーンであることを明かす。「うまくいかないこともいっぱいありましたが、スタッフ一人一人が動いて作られていく現場を目の当たりにした作品でした。『南極料理人』の時から一緒の気心が知れた人も多く、蒔いた種が芽を出したような気がしましたね」と懐かしんだ。

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