『ショーシャンクの空に』との意外な関係性も!「シャイニー・シュリンプス!」監督2人が語る続編制作の舞台裏 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『ショーシャンクの空に』との意外な関係性も!「シャイニー・シュリンプス!」監督2人が語る続編制作の舞台裏

インタビュー

『ショーシャンクの空に』との意外な関係性も!「シャイニー・シュリンプス!」監督2人が語る続編制作の舞台裏

「映画製作は関係者全員の共同作業で、僕ら2人は、あくまでキャプテンでしかない」(ル・ギャロ)

――本作は戦時以前のウクライナでロケされています。現在ではかの国での撮影は不可能となってしまいましたが、とても寒そうな風景を含めて、現地での撮影の思い出を教えてください。

【写真を見る】見渡す限り果てしない雪原のなか疾走するシャイニー・シュリンプス、彼らが向かう先は?
【写真を見る】見渡す限り果てしない雪原のなか疾走するシャイニー・シュリンプス、彼らが向かう先は?[c] 2022 LES IMPRODUCTIBLES - KALY PRODUCTIONS - FLAG - MIRAI PICTURES - LE GALLO FILMS

ゴヴァール「ロケハンと撮影に加え、スタッフがコロナに感染して撮影延期となった期間も含め、ウクライナには延べ6か月滞在しました。僕らはそこで半年間暮らすことになったと言えますし、それだけに思い出もたくさんありますよ。そのひとつはご指摘のとおり、寒さです。夜の撮影が多かったけれど、気温がマイナス20度にまで下がることはざらでした。スタッフは皆、何重も重ね着をして撮影に当たったんです。前作とは正反対でした。というのも1作目は酷暑の中での撮影ばかりでしたからね」

――コロナ禍での撮影は世界中のフィルムメーカーが直面している問題ですが、どんな点に気を配られましたか?

ル・ギャロ「マスク着用やアルコールジェルの使用はもちろんしていましたが、俳優はつねにマスクをするワケにはいかないですから。撮影時、フランスは厳しいロックダウンが行なわれていましたが、ウクライナはレストランやクラブが普通に営業していたので、気持ち的にはフランスにいるよりも自由でしたね。感染で撮影が中断したのは確かに大変でしたが、幸運だったこともあります。というのも、チームの感染者はすべて、その時期に集中していたんです。全員が一度に休める期間を設けられたのは不幸中の幸いでした。いまはワクチンもあり、映画製作時の予防のノウハウは確立しつつ、コロナで映画の撮影が中断したという話も聞かなくなりました。そういう意味では、コロナが映画撮影の脅威となっているとは思わなくなりましたよ」

――お2人はとても仲がよさそうですが、共同で脚本の執筆や演出の時に意見が合わなくなったりしないのでしょうか?共同作業を進めるうえで、大事なことはなんでしょう?

コーチのマチアスがスカウトした新メンバーのセリームにはある秘密を抱える
コーチのマチアスがスカウトした新メンバーのセリームにはある秘密を抱える[c] 2022 LES IMPRODUCTIBLES - KALY PRODUCTIONS - FLAG - MIRAI PICTURES - LE GALLO FILMS

ル・ギャロ「僕らは正反対の性格だからうまくいってるんじゃないかな」

ゴヴァール「ケンカはしょっちゅうでした。僕らだけじゃなく、撮影中は役者同士、スタッフ同士でいさかいが起こります。ましてや、今回は極寒の中での撮影だったし、そのストレスによって誰もが誰かに怒鳴っていました。それでも撮り終えた映像をチェックして、落ち着いてそれについて話し合えば、ほぼ同じ意見にたどり着くんです」


ル・ギャロ「撮影をしていると一日に千回もの決断を迫られます(笑)。演技、衣装、美術など諸々が、その場面に合っているのかを常に考えないといけません。当然、僕らの意見が異なることも何度もあります。ただ、僕らの共通認識として、今回の映画では時間をロスしないようにしなければならないと常に考えていました。大金を費やして作っているので、とにかく早い決断が求められるんです。僕らの間にはその意識があったから、すべての問題が瞬時に解決していました。映画製作というのは、そういうものですよ。僕らだけでなく、カメラマンや俳優はもちろん、関わる人間の意見を取り入れた、関係者全員の共同作業です。僕ら2人は、あくまでキャプテンでしかない。それでも、こじれることはなかったし、うまく舵取りができたと思います」

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