傑作ドラマや韓国映画でよく見る“あの人”。韓国の名バイプレイヤーを、映画ライターがピックアップ - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
傑作ドラマや韓国映画でよく見る“あの人”。韓国の名バイプレイヤーを、映画ライターがピックアップ

コラム

傑作ドラマや韓国映画でよく見る“あの人”。韓国の名バイプレイヤーを、映画ライターがピックアップ

「サイコだけど大丈夫」で名シーンを量産したオ・ジョンセ

「サイコだけど大丈夫」で自閉症のサンテ役を演じたオ・ジョンセ
「サイコだけど大丈夫」で自閉症のサンテ役を演じたオ・ジョンセ[c]tvn

オ・ジョンセさん。どの作品にもいらっしゃるような気がするほど、出演作は多数。とはいえカメレオン俳優と評される通り、外見に特別な変化を施していなくとも「オ・ジョンセ…かな?」と、すぐには気づかないことも。渋めの役から少し抜けた役まで、どんな役も彼の手にかかれば愛されるキャラクターになり、彼が泣けば私も悲しく、彼が笑えば私もうれしい、そういう芝居をする方。

ここで名前を挙げるほど好きになった決め手は「サイコだけど大丈夫」。ストーリー、映像、キャスト含め好きな作品だが、オ・ジョンセさん演じるサンテが愛おしくてたまらなかった。レストランでガンテと食事をするシーン、ムニョンとのやりとり(うずらの卵のシーンが好き)、写真スタジオに行く前日のそわそわ…オ・ジョンセが生み出した名シーンが多々あり、何度も見返した。弾けるような純粋な喜び、葛藤、悲しみ、兄としての矜持…細やかな芝居に引き込まれた。
(ライター・新亜希子)

“「ト・ボンスン」のおネエ上司”ことキム・ウォネ&“スーツ1着の人”ことファン・チャンソン

高卒女性社員が会社の不正に立ち向かう姿を描く『サムジンカンパニー1995』(20)にも出演しているキム・ウォネ
高卒女性社員が会社の不正に立ち向かう姿を描く『サムジンカンパニー1995』(20)にも出演しているキム・ウォネ[c]LOTTE ENTERTAINMENT

「バイプレーヤー」と聞いて、真っ先に浮かんだのがキム・ウォネさん。ドラマだけでもシリアスからコメディ、時代劇…とジャンル問わず約50本に出演しているので、韓ドラ好きな方なら、名前は知らなくても顔を見れば、必ず「あっ!」となるはず。役柄も「クリミナルマインド」でのサイコパス、「五月の青春」での寡黙で影のある父親、そして「力の強い女ト・ボンスン」でのオネエのいじわる上司まで!どんな役でも完璧に演じて、ドラマを支えてくれてます。多作な為、スカパーやBSで1日に何本もウォネさんの出演作を観ることになり、ちょっとした「キム・ウォネ祭り」が起きることも。

イチオシキャラは、やはり「ト・ボンスン」のオネエ上司!このドラマではヤクザと2役で出演していて、そのギャップも楽しめます。本当にオネエ演技が最高なので、絶対見てほしいです。

人気ドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」に出演するファン・チャンソン
人気ドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」に出演するファン・チャンソン[c]L_ July Entertainment Inc.

「キム秘書はいったい、なぜ?」の“スーツ1着の人”コ・グィナム役で一気に認知度を上げたファン・チャンソン(2PM)もバイプレーヤーとして推します。作品途中や序盤で死ぬことも多く、「短命(役)俳優」(笑)などと言われたりもしますが、「キム秘書~」に代表されるように、彼はコミカル演技が本当に上手く、やりすぎない絶妙なさじ加減で、笑いどころをしっかり押さえて視聴者を楽しませてくれます。

実は「キム秘書~」では、もっと出番が少なかったけど、自分で役柄を研究してアイデアをノートにまとめ、監督にプレゼンし、出演分量を自らもぎ取った、という努力の人でもあります。次回作は、ユ・インナ主演のラブコメ「恋愛に本気な方(仮題)」。得意なコメディジャンルでまた私たちを楽しませてくれそうです。「僕は彼女に絶対服従~カッとナム・ジョンギ」のお気楽ニート“ボンギ”役も彼の本領発揮で笑えるので、オススメです。
(ライター・鳥居美保)

ユ・ジェミョンやキム・ソニョン…この人が出ていれば名作の香り!

【写真を見る】この顔、見たことあるぞ!「梨泰院クラス」「秘密の森」…名作にはユ・ジェミョンの姿あり
【写真を見る】この顔、見たことあるぞ!「梨泰院クラス」「秘密の森」…名作にはユ・ジェミョンの姿あり[c]ACE FACTORY

主役を演じることもあるのでバイプレイヤーと言い切れないけれど、「この人が出ていると名作の香りがする」のは、この俳優たち。「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」と「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」のギャップにまいったユ・ジェミョン(映画『声もなく』もよかった)、

「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」など、ユ・ジェミョン出演作には名作が多い!
「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」など、ユ・ジェミョン出演作には名作が多い![c]EVERETTE/AFLO

「ミセン-未生- 」の理想の上司、映画『工作 黒金星と呼ばれた男』(18)でファン・ジョンミンを相手に究極の友情を演じたイ・ソンミン(現在放送中の「財閥家の末息子」は彼の代表作になるでしょう)、ずる賢いんだか情けないんだかわからない「刑務所のルールブック」のパク・ホサン、どこに出ていたのか探すのも大変なカメレオン俳優のユン・ビョンヒ(「ストーブリーグ」「悪の華」「ヴィンチェンツォ」など)。

「愛の不時着」の人民班長と言えばわかる人も多い?キム・ソニョン
「愛の不時着」の人民班長と言えばわかる人も多い?キム・ソニョン[c]EVERETTE/AFLO

女優だと、「椿の花咲く頃」でカッコいい弁護士を演じたヨム・ヘラン、「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」の男子2人を育てるお母さんらしさがよく出ていたラ・ミランは、「ブラックドッグ~新米教師コ・ハヌル~」の教師役もよかった。そして「愛の不時着」の人民班長ことキム・ソニョンは、映画『ソウルに帰る』(22)のお節介だけど憎めない役は、彼女にしかできない演技に脱帽でした。そしてとてもスタイルがいい!
(映画ジャーナリスト・平井伊都子)

「D.P. -脱走兵追跡官-」のヴィランが記憶に新しいシン・スンホ

「D.P. -脱走兵追跡官-」でブレイクしたシン・スンホ
「D.P. -脱走兵追跡官-」でブレイクしたシン・スンホ[c]KINGKONG by STARSHIP

シン・スンホと出会ったのは2020年、映画『ダブルパティ』(21)がきっかけだった。当時人気女性アイドルグループRed Velvetのアイリーンの相手役として話題になっていたが、残念ながら俳優として大きな頭角を現すことはなく…。


『ダブルパティ』(21)でRed Velvetのアイリーンと共演したシン・スンホ
『ダブルパティ』(21)でRed Velvetのアイリーンと共演したシン・スンホ[c]kth,PANCINEMA

シン・スンホという名前を忘れかけていた頃、Netflix「D.P. -脱走兵追跡官-」を通じて彼の真価に気が付いた。悪辣で権威主義的な晩年兵長(除隊間近の兵長)を演じる彼の姿を見て、“誰かの相手役”でなく、“シン・スンホ”として名を広げるに間違いないと確信したのである。実際シン・スンホはこの作品で「こいつ本当にむかつく」「最低だけど気になる」など、悪役としては最高の賛辞(?)を受けながら大ブレイクした。しかも「還魂」では高慢ながらどこか少し抜けているところもあり、思わず「可愛い!」って言わせてしまう愛しい皇太子に変身。あえて前作と真逆なキャラクターを選ぶ果敢なチャレンジ精神がまた推せるポイント。間違いなく韓国を代表する俳優になると信じている。
(ライター・柳志潤)

構成/編集部

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