ポール・ラッド、アントマンの魅力は「渋々ヒーローになったこと」。役柄への愛着から新たな敵の恐ろしさを語るインタビューを独占入手 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ポール・ラッド、アントマンの魅力は「渋々ヒーローになったこと」。役柄への愛着から新たな敵の恐ろしさを語るインタビューを独占入手

インタビュー

ポール・ラッド、アントマンの魅力は「渋々ヒーローになったこと」。役柄への愛着から新たな敵の恐ろしさを語るインタビューを独占入手

「カーンはなにもかもが恐ろしい」

サノス以上に恐ろしいとされる征服者カーン
サノス以上に恐ろしいとされる征服者カーン[c]Marvel Studios 2023

――アントマンは、サノスとカーンという、とても強力なヴィラン2人と実際に戦いましたが、カーンのどこが恐ろしいと思いますか?

「すべてです。カーンはなにもかもが恐ろしい。サノス以上に強力な存在はなかなか思いつかないものですが、マルチバースの強力な存在であるカーンは、そうであると十分に思える存在です。すごく手強い相手であることに、スコットはすぐに気づきます。なんといってもアントマンは、サノスとカーンの両方と戦う羽目になった唯一の存在ですから」

――アントマンは、最初に登場したころと比べると、かなり頼れる存在になりましたが、最も成長した部分はどこだと思いますか?

アベンジャーズにとって最大の敵と噂されるカーン(ジョナサン・メジャース)
アベンジャーズにとって最大の敵と噂されるカーン(ジョナサン・メジャース)[c]Marvel Studios 2023

「アントマンは多くの試練を経験して苦しみ、時としてゲロを吐いてしまうほどの敗北を喫しながらも、様々な挑戦に立ち向かってきました。家族のため、特に幼かった娘のために立ち上がり、その娘からヒーローであることの意味を学ぶこともありました。そんな10年分の経験から、彼が価値を見いだしたのは、誰もが大事にすべき、家族との関係の質だと思います。スコットの望みは自分の生活に満足し、いい父親でいられることです」

――確かに「アントマン」シリーズでは家族というテーマがとても顕著に描かれます。そして、今回の予告編でも、そこを垣間見ることができますが、スコットとカーンの間でファウスト的な契約が行われるシーンがありました。ちなみに、ポール・ラッドとして、ひとりの人間として、家族への愛をとるか、世界を守るか、という選択を突きつけられたらどうしますか?

固い絆で結ばれたスコットと娘キャシー
固い絆で結ばれたスコットと娘キャシー[c]Marvel Studios 2023

「いやあ、それは…(苦笑)。やはり世界を救う、というふうに言わないといけなくなるんじゃないかと。たぶん、家族への愛はあるから、愛と言いたいところもあるけど、世界がなくなっちゃえば、(家族も含めて)みんながいなくなっちゃうわけですから。でも、僕が大事に思っているのは、家族です。もし自分に少しでも時間があれば、僕は自分の家族といっしょにいたいので。だから、これこそ本当の『ソフィーの選択』です。どうやってこの質問に答えたらいいのか、僕にはわからないです。願わくば、僕はそんな判断をしなきゃならないような状況に置かれたくない(笑)」

「僕は自分の仕事が大好きで、俳優でいることに誇りを持っている」

――アントマン役でトップスターになりましたが、有名になったことを、あなたはいま、どう受け止めていますか?

「時々、俳優たちが座り込んで、自分が有名であることに文句を言っているのを耳にしますが、それはつまらないことだと思っています。なぜなら、有名になれたことで、いろいろと人とは違うことを経験できるし、目の前にたくさんの機会とチャンスが舞い込んでくるから。実際に、僕は世界的に知られているマーベル作品に携われたことで、人生が一変したというか、知名度は、一段階違うレベルに達しました。有名になることについて、僕の感じ方も変わったし、そのことを子どもの視線からも感じとっています。


アントマンとホープは、征服者カーンにどう立ち向かうのか?
アントマンとホープは、征服者カーンにどう立ち向かうのか?[c]Marvel Studios 2023

僕は、自分の子どもたちに普通の暮らしをさせたかったので、彼らがまだ小さかった時は、自分が有名になることに不安を覚えていました。有名な両親を持つことで、彼らにつらい想いをさせるのではないかと思っていたから。

それで少しだけ、引きこもり気味になっていき、不思議なことに、それまでよりも自分の世界が少し小さくなったとも思いました。それでも、僕は自分の仕事が大好きで、俳優でいることに誇りを持っていますし、マーベルと仕事をすることにおいてもそうです。それは(マーベルと仕事をすることが)自分が欲していたゴールでもあったわけで、そのためにずっと長い期間、頑張って仕事をしてきました。だから有名になることは悪いことじゃないし、むしろ感謝しているくらいです」

構成・文/山崎伸子

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