目指したのは“本物”。『ザ・メニュー』は衣装やメイクのこだわりもすごかった!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
目指したのは“本物”。『ザ・メニュー』は衣装やメイクのこだわりもすごかった!

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目指したのは“本物”。『ザ・メニュー』は衣装やメイクのこだわりもすごかった!

孤島の高級レストランを舞台に、レイフ・ファインズら豪華キャストが繰り広げるサスペンス映画『ザ・メニュー』のブルーレイ+DVDセットが発売中だ。タイトルどおり、五感を刺激する“極上のメニュー”は本作の主役でもあるが、衣装やメイクなどのこだわりぶりにも舌を巻く。衣装デザイナーのエイミー・ウェストコットは、ミシュランガイドで星を獲得したレストランのシェフたちや、そこに通う人々の写真を見てリサーチを重ね、“本物”を作りあげようとした。

本作の舞台は、有名シェフ、ジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)による予約の取れないレストラン。カップルのマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)やタイラー(ニコラス・ホルト)らゲストたちはここを訪れたことで、想定外の“サプライズ”に巻き込まれていく。製作は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15)や『ドント・ルック・アップ』(21)のアダム・マッケイが、監督はHBOのドラマシリーズ「メディア王〜華麗なる一族〜」のマーク・マイロッドが務めた。

「普段目にするシェフとはまったく違うけど、本物のシェフだとわかるように見せたかったの」(エイミー・ウェストコット)

【写真を見る】『ザ・メニュー』で唯一色を持つ、アニャ=テイラー・ジョイ演じるマーゴのドレス。その意味とは?
【写真を見る】『ザ・メニュー』で唯一色を持つ、アニャ=テイラー・ジョイ演じるマーゴのドレス。その意味とは?『ザ・メニュー』デジタル配信中(購入/レンタル)ブルーレイ+DVDセット発売中[c] 2023 20th Century Studios.発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン

衣装を手掛けたウェストコットはマイロッド監督から、過度にスタイリングを加えたり、作り込みすぎたものにしないようにという指示を受けたとか。「監督の要望は、あくまでも現実を忠実に再現するというもので、レストラン業界で働く人たちが見ても『ああ、わかる、わかる。その通り』と言ってもらえるようなものにしたいとのことでした。でも、そういった細かい点をきちんと押さえるなかで、遊び心も必要でした。だから、よく注意して観ないとわからないようなディテールも入れてあります」。

シェフであるスローヴィクの白いユニフォームは、神父を彷彿させる立襟とし、それに倣ったキッチンスタッフのユニフォームには、ホーソンの「H」が縫い込まれた。「映画の観客がコスチュームを見ただけで、その人物を決めつけてしまうようなものにはしたくなかったです」とウェストコットは言う。


ホーソンの「H」が縫い込まれた、スローヴィク(レイフ・ファインズ)のユニフォーム
ホーソンの「H」が縫い込まれた、スローヴィク(レイフ・ファインズ)のユニフォーム『ザ・メニュー』デジタル配信中(購入/レンタル)ブルーレイ+DVDセット発売中[c] 2023 20th Century Studios.発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン

「シェフには汚れなく実直で禅僧のようなシンプルさを表現させたかったので、シングルの上着に決めました。通常のシェフの上着はダブルなので、シェフとしては変わっていますが、そうしたのは、体にきちんとフィットし、あつらえた感じを出したかったから。シェフのなかにはダブダブの上着を着る人もいますが、本作ではスローヴィクが、私たちが普段目にするシェフとはまったく違うけど、本物のシェフだとわかるように見せたかったのです」。

スローヴィク役を演じたファインズは「彼はまるでカルト集団のリーダーのよう。キッチンスタッフは、彼に完全服従です」と彼らの関係性について語る。「最初に私が、衣装デザインのエイミーも交えて監督に伝えたのは、スローヴィクのユニフォームには普通ではない感じを絶対に出してはいけないと言うことでした。まるで神父か外科医のような衣装がいいと。飾りを一切付けず、意味のない記章なども無し。なぜなら彼にとっての料理は、宗教と等しいからです」。

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