米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』は“映像の力”に圧倒されるファンタジー!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』は“映像の力”に圧倒されるファンタジー!

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米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』は“映像の力”に圧倒されるファンタジー!

『借りぐらしのアリエッティ』(10)『思い出のマーニー』(14)を手掛けた米林宏昌監督の最新作『メアリと魔女の花』が、7月8日(土)より全国公開される。米林監督のスタジオジブリ退社後第1作として国内外から熱い視線を集める本作は、一夜だけ魔女になる少女メアリ(声:杉咲花)の冒険に終始引き込まれること必至の作品だが、ここではあえて“映像”について取り上げたい。なぜなら、本作には見る者を圧倒する映像世界が広がっていたからだ。

めくるめく魔法世界のファンタジーを、動的な表現で盛り上げる!
めくるめく魔法世界のファンタジーを、動的な表現で盛り上げる![c]2017「メアリと魔女の花」製作委員会

これでもかと迫る監督得意のダイナミックな動的表現

米林監督といえば『思い出のマーニー』での繊細な心理描写が思い浮かぶ。だが、宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』(08)では、ポニョの妹たちが魚群となって海上をめざすド迫力シーンの原画を担当するなど動的表現が得意なクリエイターでもある。

メアリは紅い館村の少年ピーター(声:神木隆之介)と知り合う
メアリは紅い館村の少年ピーター(声:神木隆之介)と知り合う[c]2017「メアリと魔女の花」製作委員会

そのスキルが本作でも如何なく発揮され、冒頭のシークエンスから思いもよらないアクションの連続。魔女が乗る空飛ぶホウキのコミカルな動きや、随所で飛び出す魔法のエフェクトにも目を見張り、全身を静かな興奮が包み込む。また、あらゆるものが目まぐるしく動くシーンなども圧巻で、一瞬たりとも見逃せない。

【写真を見る】メアリ(声:杉咲花)が旅立つ世界を、美しい背景美術で表現!
【写真を見る】メアリ(声:杉咲花)が旅立つ世界を、美しい背景美術で表現![c]2017「メアリと魔女の花」製作委員会

メアリの冒険を鮮やかに彩る職人集団の背景美術

本作の予告やシーンカットを見て、ジブリ作品を思い浮かべる人も少なくないだろう。それもそのはず、本作の背景美術を手掛けた“でほぎゃらりー”は、ジブリの意志と技術を継ぐべく設立された作画スタジオ。かつてジブリで活躍したスタッフも多く在籍し、美しい手描きの背景画を生み出している。柔らかな日差しが降り注ぐ町、草木が生い茂る薄暗い森、奇抜な色彩が溢れる魔法世界。丁寧な筆遣いと、繊細な色使いで描かれた背景は、まさに職人の技。

メアリが訪れる魔法世界の最高学府・エンドア大学
メアリが訪れる魔法世界の最高学府・エンドア大学[c]2017「メアリと魔女の花」製作委員会

加えて驚くのは、魔法世界への入口となる“雲の上”の風景だ。スクリーンいっぱいにモクモク広がる雲は陽光を浴びてまぶしく輝き、影となる部分には彩度の低い赤、青、黄などさまざまな色が混ざり合う。自然への畏怖さえ感じる迫力に心が震える。

何やら不思議な雰囲気に包まれた謎のツリーハウス
何やら不思議な雰囲気に包まれた謎のツリーハウス[c]2017「メアリと魔女の花」製作委員会

日本にアニメーションが生まれて今年で100周年。高度かつ緻密な技術をもつスタッフの手で生まれた本作は、まさに日本が誇るアニメーション作品と言えるだろう。映画館の大スクリーンで、ぜひ堪能してもらいたい。【文/ほそいちえ】

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