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都市ボーイズが徹底解説!シャマラン監督『ノック 終末の訪問者』、呪いにもなる“運命”の重なり

インタビュー

都市ボーイズが徹底解説!シャマラン監督『ノック 終末の訪問者』、呪いにもなる“運命”の重なり

「テレビを通して“ビジョン”が送られるのには、意味があると受け止めました」

劇中では、“ビジョン”が見える人同士が集まることで物語が幕を開ける。この描写を岸本は「霊能者のアベンジャーズのよう」と例えたが、実際にビジョンが見える人に取材したり、遭遇した経験のあるはやせはどう理解したのか。「終末予言を回避するための試みは、様々な団体で実際に取り組まれています。例えば仏教でいうところの聖書のようなものには、地球の転換期に関して明記されているらしく、それを回避するには一人ではなく、みんなで思いや考えを改めることが大事なんだそうです。そのために全国各地でお坊さんたちが説法をして回っているという話も聞いています。そういう話のなかで必ず出てくるのがビジョン。人によっては声や音で未来を感じられるそうです。声や音はビジョンとは言わないだろうけれど、原理としては同じ」と説明したはやせ。

「ビジョンとか窓と表現される、いわゆる未来が見える現象は、自分から情報を得るアイテムを通して入ってきます。昔は巻物だったものが、現在はテレビです。だからシャマラン監督はわかりやすく毎回テレビの画面をバーンと見せているのだと思います。ただそこには多分、含みがあって。その情報が本当か嘘か、我々が取捨選択するステージに来ているのだということを表現していると僕は受け止めました」とシャマラン監督のビジョンの見せ方、そこに隠されたメッセージについて触れた。


テレビ番組などでの経験から、“情報”との向き合い方を語ってくれた
テレビ番組などでの経験から、“情報”との向き合い方を語ってくれた撮影/黒羽 政士

情報を発信する側としてテレビに関わる機会も増えているはやせ。フェイクニュースや偏った切り抜き記事が、あたかも事実の報道として伝わってしまう現実に驚きを隠せないこともしばしばあるという。「自分が関わっている番組が放送され記事になった時に、話が作られることって本当にあるんだと驚きました。そんな事実はまったくないのに、『と、ある作家は語った』みたいに書かれていて。それがあたかも本当のことのようにまかり通ってしまうこともあるので、本当に怖いなって思います」。

「だから僕はいまこそ、目の前に見える、自分の手の届く範囲だけを大切にしたほうがいいんじゃないかと思っています。情報に振り回され『どうしたらいいのでしょう』という質問が本当によく来るのですが、僕は『自分の手を見てください、その手の届くところにいる人を助けてあげください。目の前のことを大事にする、それしか僕にはわかりません』と答えています」と自身が心掛けている情報との向き合い方を明かした。

本作が描く“終末”に、はやせは「リアル」と感じた部分が多かったそう
本作が描く“終末”に、はやせは「リアル」と感じた部分が多かったそう[c] 2023 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

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