北米興収は『シャザム!〜神々の怒り〜』が首位発進!オスカー効果で『エブエブ』&『ザ・ホエール』が急上昇|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
北米興収は『シャザム!〜神々の怒り〜』が首位発進!オスカー効果で『エブエブ』&『ザ・ホエール』が急上昇

映画ニュース

北米興収は『シャザム!〜神々の怒り〜』が首位発進!オスカー効果で『エブエブ』&『ザ・ホエール』が急上昇

先週末(3月17日から19日)の興収ランキングを制したのは、DCユニバース(DCU)の最新作『シャザム!〜神々の怒り〜』(日本公開中)。度重なる公開延期に見舞われて、約1年ほど公開が遅れた同作。無事に首位スタートを飾ることができてさぞかし安堵かと思いきや、どうやらあまり喜ばしい状態ではなさそうだ。

DCユニバース作品ワースト3位のオープニングとなった『シャザム!〜神々の怒り〜』
DCユニバース作品ワースト3位のオープニングとなった『シャザム!〜神々の怒り〜』[c]Everett Collection/AFLO

2019年に北米累計興収1億4000万ドルを記録した『シャザム!』(19)の続編となる『シャザム!〜神々の怒り〜』。4071館で封切られ、初日から3日間の興収は3011万ドル。これは前作のオープニング興収5330万ドルを下回り、コロナ禍に公開された『ワンダーウーマン1984』(20)の1670万ドル、『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』(21)の2620万ドルに次ぐ、DCU作品ワースト3位のオープニングとなる。

現地メディアの報道によれば、この興行的不振の原因はブラックアダムことドウェイン・ジョンソンがDCUを主導しようとしたことにあるとの見方が強く、批判が加熱しているという。元々『シャザム!』の悪役となるはずだったブラックアダムが単独映画となったことに端を発し、『ブラックアダム』(20)のポストクレジットにシャザムが登場する計画がジョンソンによって変更されたこと、同作の製作費がふくれあがり興行的に失敗したこと。

興行的不振の矛先は、あのDCヒーローに…
興行的不振の矛先は、あのDCヒーローに…[c]Everett Collection/AFLO

さらに今作でも、『ブラックアダム』に登場したヒーローチームJSAのカメオ出演が、撮影直前になってジョンソンが拒み実現には至らなかったという。結果的にDCUは、昨年秋にジェームズ・ガンとピーター・サフランが統括となり刷新されることに。ブラックアダムの今後は白紙となり、事実上ジョンソンはDC作品への影響力を失ったことになる。新生DCUに向けて本格始動する、年内の残りのDCU作品には、事前評で傑作との評価が相次いでいる『ザ・フラッシュ』(6月16日公開)もあり、映画業界からはこの刷新に大きな期待がかかっている。

さて、前週に初登場1位を飾った『Scream VI』は、前週から61%減という大きなドロップ率に見舞われたものの、週末の時点で累計興収7500万ドルを突破。平日中には8000万ドルを超える見込みであり、次週末の成績次第ではシリーズ3本目の興収1億ドル突破が見えてくるだろう。また、3位になった『クリード 過去の逆襲』(5月26日日本公開)は、累計興収1億2770万ドルに到達。20日の月曜日に『ロッキー4/炎の友情』(85)を上回り、ボクシング映画歴代興収No. 1に躍りでた。


【写真を見る】アカデミー賞効果で上映館数が急増!『映画エブエブ』&『ザ・ホエール』のA24勢が躍進
【写真を見る】アカデミー賞効果で上映館数が急増!『映画エブエブ』&『ザ・ホエール』のA24勢が躍進[c]Everett Collection/AFLO

そして先日の第95回アカデミー賞を圧勝した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(日本公開中)は、上映館数を1049も増やし、興収も前週から2.7倍増で11位にランクイン。同じA24作品の『ザ・ホエール』(4月7日公開)も劇場数を増やして前週の27位から17位まで浮上。賞の結果が完全にA24の独壇場となっていただけに、興行的な恩恵を受けたのもこの2作品だけにとどまった。

文/久保田 和馬

関連作品