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「ジャンゴ」たちが集結!クエンティン・タランティーノも惚れたマカロニ・ウエスタンの唯一無二性をひも解く

コラム

「ジャンゴ」たちが集結!クエンティン・タランティーノも惚れたマカロニ・ウエスタンの唯一無二性をひも解く

“なんちゃって”だけど魅力的な知られざるジャンゴたち

さて、そんなマカロニ・ウエスタン&西部劇ファン必見の「ジャンゴ ザ・シリーズ」に合わせて、「スターチャンネル」では、なんと6本の「ジャンゴ」映画を連続放映するというではないか。本家『続・荒野の用心棒』と『ジャンゴ 繋がれざる者』はもちろん必見だが、特筆すべきは、(おそらくほとんどの人が)見たこともない俳優たちが「ジャンゴ」を演じる、いわゆる“なんちゃってジャンゴ”のズラリ4連発だ。

『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』(66)ではオランダ出身のグレン・サクソン、『待つなジャンゴ引き金を引け』(68)はショーン・トッド(イタリア人俳優アイヴァン・ラシモフの変名)、そして本邦初お目見えとなる激レア作『ジャンゴ対サルタナ』(70)ではローマ生まれのトニー・ケンドールが、それぞれ個性あふれる「ジャンゴ」を演じている。


父親を殺した相手への敵討ちを果たしたジャンゴが今度は命を狙われてしまう『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』
父親を殺した相手への敵討ちを果たしたジャンゴが今度は命を狙われてしまう『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』[c] 1966 STUDIOCANAL - Fida Cinematografica

ちなみに、『情無用のジャンゴ』(67)には流れ者(トーマス・ミリアン)は出てくるが、「ジャンゴ」なるキャラクターは登場しない。海外用英語題名「Django Kill!(ジャンゴ・キル!)」が独り歩きした形だが、人の頭の皮を剥ぐ残酷描写など、『続・荒野の用心棒』と並ぶ残酷西部劇の代表作とされ、さらには西部劇の名を借りた人間&社会批判テーマが色濃い傑作として“なんちゃってジャンゴ”作品のなかでも抜きんでて評価の高い傑作だ。

仲間に裏切られたジャンゴらの金塊をめぐる戦いを壮絶な銃撃戦と残虐描写で活写する『情無用のジャンゴ』
仲間に裏切られたジャンゴらの金塊をめぐる戦いを壮絶な銃撃戦と残虐描写で活写する『情無用のジャンゴ』licensed by Rewind Film S.r.l. - all rights reserved

なにはともあれ、マカロニ・ウエスタンの世界=“ジャンゴ・ワールド”ではスターは俳優の名ではなく、キャラクターの名なのである。俳優の特集ではなく、キャラクター名で特集を組むとは、さすが「スターチャンネル」、わかってらっしゃる。

文/セルジオ石熊

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【スターチャンネル 放送情報】
■「ジャンゴ ザ・シリーズ」
[STAR1 字幕版]毎週火曜日23:00~ほか
[STAR3 吹替版]毎週木曜日22:00~ほか

■『続・荒野の用心棒』
[STAR2 字幕版]
7月1日(土) 14:30~
7月10日(月) 21:00~

■『ジャンゴ 繋がれざる者』
[STAR2 字幕版]
7月1日(土) 16:20~
7月9日(日) 21:00~

■『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』
[STAR2 字幕版]
7月1日(土) 19:20~
7月11日(火) 21:00~

「ジャンゴ ザ・シリーズ」放送記念 特集:ジャンゴたち!PART 1

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