山本美月が語る、ホラーや非科学的な存在の魅力「目に見えないなにかがいるかもと考えるだけで可能性が広がる」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
山本美月が語る、ホラーや非科学的な存在の魅力「目に見えないなにかがいるかもと考えるだけで可能性が広がる」

インタビュー

山本美月が語る、ホラーや非科学的な存在の魅力「目に見えないなにかがいるかもと考えるだけで可能性が広がる」

「呪怨」シリーズや、『犬鳴村』(20)、『樹海村』(21)、『牛首村』(22)の“恐怖の村”シリーズで知られる清水崇監督の新感覚ホラー『忌怪島/きかいじま』(公開中)で、 “呪われた島”に足を踏み入れるヒロインに扮した山本美月。「ホラー映画は出るのも観るのも大好き」という彼女は、清水監督が創造した未知のホラー設定に戸惑いながらも、主演の西畑大吾らと臨んだ奄美大島での撮影はオフの日も含めて「充実していた」と笑顔を見せる。南国での撮影の日々を振り返りながら、大好きなホラー映画の魅力やこれまでの人生の中で最も怖いと思った出来事についても語ってくれた。

【写真を見る】ホラー好きでもある山本美月を襲った“怖いこと”とは…?
【写真を見る】ホラー好きでもある山本美月を襲った“怖いこと”とは…?撮影/梁瀬玉実

「ホラー好きの私にとって、人間の怖さ、ドロドロした人間関係が魅力的でした」

本作が、閉ざされた土地の“因習”を恐怖の元凶にした“恐怖の村”シリーズと異なるのは、島に伝わる女性の怨霊“イマジョ”の伝説と最新科学技術のメタバース(ネット上で作られた仮想空間)を合体させ、誰も見たことのない新たな恐怖を視覚化しているところだろう。

不審死した父親の遺骨を受け取りに島にやってきた園田環を演じた山本美月
不審死した父親の遺骨を受け取りに島にやってきた園田環を演じた山本美月[c]2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

天才脳科学者・片岡友彦(西畑)が参加した島のVR研究チーム「シンセカイ」のメンバーに赤い服の女“イマジョ”が襲いかかり、島で不審死した父親の遺骨を受け取りにくる山本が演じた園田環もその恐怖のスパイラルに巻き込まれてしまうのだが、山本は「人間の怖さ、ドロドロした人間関係が描かれているのがホラー好きの私には魅力的でした」と振り返る。「でも台本を最初に読んだ時は、現実の世界とVRの世界がごちゃごちゃになってしまって。撮影に入るころにはもちろん理解していましたけど、そこは監督のねらいかもしれないですね」と微笑む。

現実の世界とVRの世界が入り交じる物語が展開
現実の世界とVRの世界が入り交じる物語が展開[c]2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

清水監督の現場は今回が初めてだったが、監督の人柄もイメージしていたものとは全然違っていたという。「私が子どものころからホラー映画を撮られている方なので、勝手に清水監督もすごく怖い方なのかな?と思っていたんです。でも、全然そんなことなかった。とても気さくに心霊スポットに行った時の話などもしてくれて、すごく楽しかったですね」と普段の印象を語った上で、「でも、現場では熱い!ホラー映画の現場って普通の現場以上にみんなが夢中になって、愛情を注ぎながら作っているような感じがして、そこが私は好きなんです」と強調。「私たちがリアルに怖がれるように、スタッフの方々がすごく気を遣ってくださって。例えばシゲじい(笹野高史)の家の壁が崩れるシーンの撮影の時も、リハーサルでは『この壁が崩れます』という説明だけで、本番まで壁を崩さず、中になにがあるのかを見せてくれなかったんです。あれは新鮮でしたし、優しいなと思いましたね」と絶大な信頼を寄せる。

家の壁が崩れるシーンで中にあったものとは…?ナマのリアクションにも注目
家の壁が崩れるシーンで中にあったものとは…?ナマのリアクションにも注目[c]2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

「心霊ものは怖いけれど、その怖さがクセになる。今回の“イマジョ”にもワクワクしました」

山本がホラー映画にそもそもハマったのは、「魔法や魔法少女、妖精好きが高じてのことかも?」と自己分析する。「ホラーはそれらの延長線上にあるような気がしていて。お化けがいたら、魔法だってあるかもしれないと思えるじゃないですか。そういう非科学的なものに魅力を感じるし、目には見えないなにかが存在するかもしれないと考えるだけで可能性が広がるのが好き。だから、心霊ものはYouTubeでたまに見ますね。怖いけれど、その怖さがクセになるし、見ていてなにも起こらないと“なにも映らないじゃん!”ってガッカリしちゃう(笑)。そういう意味では、今回の映画が描く“イマジョ”にもワクワクしました」。

YouTubeで心霊ものもチェックしているという山本美月
YouTubeで心霊ものもチェックしているという山本美月撮影/梁瀬玉実

そんな山本、本作が恐怖の新機軸として取り入れた“メタバース”については戸惑いを隠せないようだ。「メタバースのことをまだよくわかってないんです。ニュースなどで最近聞くから、そういうものがあるのは知っていたし、なんとなくのイメージはあるけれど、ちゃんと理解できてない。それこそ、VTuberのこともまだ完全にはわかってないし、YouTubeもいまお話した心霊ものを見るぐらい」と正直に告白し、「だからメタバースはまだちょっと怖いですね。自分がまだ理解できていないものに手を出すのは怖いです」と訴える。


劇中で友彦は環に「お父さんの記憶と感情をいずれ共有できるようになるかもしれない」と言うが、山本は「私は興味ないですね」ときっぱり。「それは個人的な感情だし、他人に見せるものじゃない。誰にでも他人に知られたくないことは絶対にあるし、それを他人に見られるのは私も嫌ですね」。


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