連載40周年を迎えた「北斗の拳」原哲夫を直撃!「22歳の若き自分がそれまでの人生で好きだったものを詰め込んだ作品」 - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
連載40周年を迎えた「北斗の拳」原哲夫を直撃!「22歳の若き自分がそれまでの人生で好きだったものを詰め込んだ作品」

インタビュー

連載40周年を迎えた「北斗の拳」原哲夫を直撃!「22歳の若き自分がそれまでの人生で好きだったものを詰め込んだ作品」

プライム1スタジオから、「北斗の拳」フィギュアリリース!「僕の絵のイメージをしっかり再現してくれた」

フィギュアのタイトルは原哲夫が名付けた『愛の極星』
フィギュアのタイトルは原哲夫が名付けた『愛の極星』[c]Buronson & Tetsuo Hara / Coamix 1983 Approved No.H03-88K、撮影/河内彩

デッサンにこだわり、リアルで存在感のある形で描かれるキャラクターたちは、立体としての整合性も高く、現在でもフィギュアとして立体物という形でも愛され続けている。こうした「立体化」という面に関しては、絵を描いている側からはどのような感想を持っているのだろうか?

「ゲームやパチンコなど、CGを使って映像化されることも多いんですが、自分の想像以上に3D映えするなとは思いますね。だからこそ、フィギュアにしたいというお話もたくさんいただきます。僕も立体物はすごく好きなんです。造型物として作るのも自分でやりたかったくらいなので。だから、こうしてフィギュアとして立体化してもらえるのもうれしいですよね。

ちなみに、僕はキャラクターデザインのデザイン画というのは描かなくて、漫画に直に描きながら考えていくんです。それで、描きながら少しずつ変えていくというやり方をしていて。例えば、ジャギのヘルメットなんかは、質感が毎回違うような描き方をしていて、ツルツルに光っていたり、ツヤのないマットな感じ、ひび割れたストーン系だったりと『今週はこっちで描こう』とか、結構楽しんで描いていましたね。それはほかのキャラクターの衣装なんかでもあります。

また、アングルで見える格好よさを重視するので、アングルで格好良くなるようにその都度デザインを変えたりもしているんだけど、すごく細かく変えているから、よくよく見ないと違いがわからない。プライム1スタジオのフィギュアの塗装をしてくれている方に会って話をしたら、そうした部分も伝わっているんだということがわかって感慨深いですよね」。

40周年記念のフィギュアを制作する「プライム1スタジオ」では、これまでもケンシロウやラオウ、ジャギなどの「北斗の拳」のキャラクターたちを立体化してきた。そして、細部まで徹底したこだわりの造形に対して、原も納得の仕上がりとなっている。

「僕は絵描きなので、デッサンというか、身体のバランスにまず目が行くんですが、そこも雰囲気が出ていてよかったです。さらに、髪型や髪の色、目つきとか、僕のイメージする絵を具現化してもらってエモーショナルでしたね。また、僕がイラストの背景などに描いている巨大仏像などもジオラマになっていて。そこから、作品の世界観が伝わってよかったと思います」。

「プライム1スタジオ」は、最新アイテムを美しい映像で詳細を解説し、作品を創出したクリエーターがメッセージを添えるオンライン新製品発表会「NEXT LEVEL SHOWCASE X Part3(プライム1スタジオ ネクストレベルショーケースXPart3)」において、「北斗の拳」40周年記念フィギュアが発表された。原にできあがったばかりのフィギュアを見てもらい、その仕上がりについて感想を聞いた。

「とてもユリアが艶やかで美しく。こちらは立体としての完成度はもちろん、カラーの僕の絵のイメージをしっかり再現されているように感じられて、そこかすごくよかったですね。僕は青と紫の色が好きで、当時よく使っていたんですけど、それを鮮やかに再現されているのは、よく見てもらっているなとすごく感心したところですね。ユリアの髪の毛も段階的に色が塗られていて、フワっとした感じが出るような、黒から紫に柔らかさをグラデーションで表したり。ブーツなんかも色が変わっていく感じで、素材感とアート感が見事に再現されているなと。それはすごく感銘を受けました。

ポーズも僕の絵に描いたところに近いようなところから新たな世界観が出ていて、『これは置いておきたい』と思わせる佇まいですね。フィギュアにタイトルをつけるとするならば、『愛の極星』ですかね。対極にある北斗と南斗の2人の愛が表現されているので、それがピッタリとハマるかと」。

「北斗の拳40周年大原画展」開催!「いままで描いたことない大きい絵をお見せします」

「北斗の拳」40周年を記念したフィギュアの発売に加えて、2023年10月7日(土)~11月19日(日)には六本木・森アーツセンターギャラリーにて「北斗の拳40周年大原画展」が開催される。最後に、大きな盛り上がる40周年のアニバーサリーについてメッセージをもらった。

「40周年ということで、結構大々的に原画展をやっていただけるので、いまはそこで展示するための絵を描いています。僕はいままで描いてこなかった大きいキャンバスに挑戦していこうと思っています。会場ではそれをお見せすることができるといいな、と鋭意取り掛かっております。40周年を迎えても、ケンシロウをはじめとした『北斗の拳』のキャラクターを描くのは楽しくて。原画展では、いまではできないような22歳のころから描いていたキレのある絵も観てもらえたらうれしいし、新しい絵、そして今回作ってもらったフィギュアを合わせて楽しんでほしいですね」。

連載40周年を記念し、「北斗の拳40周年大原画展」を開催!
連載40周年を記念し、「北斗の拳40周年大原画展」を開催![c]武論尊・原哲夫/コアミックス 1983


「プライム1スタジオ」では、ハイエンド・スタチューの最新情報を詳細なレビュー、アーティストのインタビュー、流麗な映像技術で紹介する「NEXT LEVEL SHOWCASE(ネクストレベルショーケース)」をYouTubeで配信している。アメリカ・アジア圏を中心に各国で視聴され、再生回数は初回から10万回を超え、3回目では25万回を記録。「マジンガーZ」の永井豪、「BATMAN:HASH」のジム・リー、「FAIRY TAIL」の真島ヒロ、「ファイナルファンタジーⅥ」の天野喜孝、「Sword Art Online」の戸松遥(声のみ)などが出演し、世界中のファンを熱狂させている。

取材・文/石井誠

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■「北斗の拳40周年大原画展」
2023年10月7日(土)~11月19日(日)
森アーツセンターギャラリーにて開催
詳しくはこちら
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