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清水崇監督が読者の質問に次々回答!GENERATIONSとの撮影現場で起きた恐怖体験、いままでで一番怖かった映画は?

インタビュー

清水崇監督が読者の質問に次々回答!GENERATIONSとの撮影現場で起きた恐怖体験、いままでで一番怖かった映画は?

「一番苦労した作品やシーンは何ですか?」(10代・女性)

これまでも様々な工夫と仕掛けで、新たな恐怖を作りあげてきた
これまでも様々な工夫と仕掛けで、新たな恐怖を作りあげてきた[c]2023「ミンナのウタ」製作委員会

「一番苦労した作品は『呪怨 パンデミック』です。あれは本当に苦労しました。制作体制もですが、脚本を作る段階から異常な期待を受けつつ、時間の無いなか無理矢理公開へ向けられたので。ほかにも思い出したくもなく、自作と言えないほどスタジオコントロールの目にあって、プロデューサー陣の好き勝手に弄り回された挙句…監督の僕が知らぬ間に外国でいつの間にか公開され、いまだなんの報告すらもらえずに名前だけ残された悲惨で可哀想な作品もあったりします。

仕掛けという意味で大変だった、大変だったけれど楽しかったのは『牛首村』でのエレベーターの鏡のシーンですかね。坪野鉱泉という廃墟の地下のエレベーターにKoki,さんと萩原利久くんが来て、おそるおそる鏡に向かっていく場面です。都内のスタジオで部分的なセットを作り、アナログの仕掛けとCGを組み合わせたのですが、あまりに上手くできすぎて誰もその不思議さに気付いてくれてなくて…。シミュレーションを重ね、撮影には丸一日かけたのですが…気付かれないくらい上手くいったシーンですので、配信やDVDなどで確認していただければ幸いです」

「ホラー作品を撮られることが多いと思いますが、『怖い!』と思わせる演出のネタはどこで思いつくのでしょうか。常にネタを考えていて、ネタノートのようなものでもあるのでしょうか?こんなにも多くの作品を作り続けているのに、毎作品怖い要素を入れられるのが不思議です」(30代・男性)

清水崇監督が、“怖い”演出づくりの裏側を次々と種明かし
清水崇監督が、“怖い”演出づくりの裏側を次々と種明かし[c]2023「ミンナのウタ」製作委員会

「僕も不思議です(笑)。まさかこんなにずっとホラー映画ばかり撮り続けることになるとは思っていなかったものですから。もちろん焼き直しとか、似たようなネタになってしまったと自分で感じることもありますが、いつもいたずらを仕掛けるようなつもりでやっています。妄想が膨らみすぎて眠れなくなるような神経質な子どもだったので、その反動で怖がらせる側に回ると、いたずら心が働いてイキイキしてくるんですかね(笑)。

ネタノートのようなメモは常にとっていて、パッと思い浮かんだことやほかの映画を観ながら書くこともあります。ただ映画館の暗闇で書いていると、あとで見たら字が読めなくて思い出せないこともしばしば(笑)。全然使う機会がないネタもあるし、書いたまま忘れているのもあるので、たまに見返していると、あの時こんなこと考えていたのかと自分で驚いてしまいます」

「清水監督作品の、異なる時間や時空が交わりながら展開する物語が大好きです。このような物語構成は、どのような体験や作品から影響を受けて生まれたのでしょうか?」(30代・男性)

「呪怨」シリーズをはじめ、時間や時空が入れ替わるのが清水崇ワールドの特徴
「呪怨」シリーズをはじめ、時間や時空が入れ替わるのが清水崇ワールドの特徴[c]2023「ミンナのウタ」製作委員会

「時間と場所が入れ替わったり飛んだりするの、僕も大好きなんです。どこから来ているのかを考えると、中高生のころから楳図かずおさんの作品のなかでもホラー漫画ではない哲学めいたものやSFめいたものを好んで読んでいたり、あとは諸星大二郎さんの漫画や、エドガー・アラン・ポーの怪奇推理小説やそれ以外にもSF小説を多く読んでいたことから影響を受けているのだと思います。精神がずっと思春期というか?頭のなかがどこかファンタジックなんでしょうね(笑)。

人がなにかを思い出している時や妄想/回想している時って、一瞬でその時間に引き戻されていると思うんです。学生時代に聴いていた音楽を聴くだけで何十年も隔てて情景や気持ちがよみがえってきたり、忘れていた人の名前を思い出したりしますよね。そこには、匂いや感触、他者の目つきや口ぶりや雰囲気なんかででも。そういった感覚や心情を映画で表現する際には回想シーンになることが多いけれど、ただの回想にならずに入れ込むにはどうしたらいいのかと考え、だったら空間的にねじれさせたらどうだろうと。


犬鳴村』や『樹海村』でも少々手の込んだワンカットで回想に入るシーンをやりましたが、このような表現は映画だからできるものだと思うし、主人公の心情に寄り添ってもらいやすくもなるので、好きなんです。すぐ時空を歪ませちゃったりしますけど、幽霊や死んだ人との繋がりに時間とか場所とかは関係ないのではないかと。脳や心、そもそも掴みどころの無い感覚が共鳴して、その場にいないはずの人や魂を感じ取って具現化してしまう現象でもありますし。我々の次元とは違うところと交差した瞬間にチューニングが合って“見えて”しまう。そういうことをどうやって映画で表現できるかは毎回考えていることです」

「国内、海外含め、他人の作った作品を見て、『これはやられた!』『先を越された!』と思ったことはありますか?またそれはどんな作品ですか?」(30代・男性)

やっぱり子どもが怖い!この少年の名前はまさかの“俊雄”
やっぱり子どもが怖い!この少年の名前はまさかの“俊雄”[c]2023「ミンナのウタ」製作委員会

「それは頻繁にあります。最近の作品で言えば、ノルウェーのエスキル・フォクト監督の『イノセンツ』です。以前から子どもを題材にした作品をずっと構想していたので、こんな手があったのか…。しかも『童夢』をモチーフに使う手があったなんて…。と驚かされました」


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