「LOTR」に『グリーンブック』、クローネンバーグ作品のヴィゴ・モーテンセンが65歳に!推したくなる理由“ベスト65”を偏愛ライターが考えてみた|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「LOTR」に『グリーンブック』、クローネンバーグ作品のヴィゴ・モーテンセンが65歳に!推したくなる理由“ベスト65”を偏愛ライターが考えてみた

コラム

「LOTR」に『グリーンブック』、クローネンバーグ作品のヴィゴ・モーテンセンが65歳に!推したくなる理由“ベスト65”を偏愛ライターが考えてみた

ロード・オブ・ザ・リング』(01)を地元和歌山の老舗映画館で観た当時中学生だった私は、あるキャラクターに完全に魅入ってしまった。その名前はアラゴルン。“旅の仲間”の一人で、滅びゆく人間族を率いる王の末裔という過酷な宿命を背負った勇士だ。戦いの場では勇ましく、一方で自身に流れる先祖の血に苦悩する姿には憂いがあり、それまでに観てきたどのムービーヒーローとも違っていた。そして私は、アラゴルンを演じている俳優にも興味を持った。

角笛城の戦いでは1万のウルク=ハイの大軍を相手に戦った(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』)
角笛城の戦いでは1万のウルク=ハイの大軍を相手に戦った(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』)[c]Everett Collection/AFLO

演じていたのは、アメリカ・ニューヨーク州出身のヴィゴ・モーテンセン。当時はまだ知る人ぞ知る演技派という立ち位置で、アラゴルン役をきっかけに一気にブレイクした。かく言う私も、レンタルビデオ店で出演作品を借りまくり、その動向を欠かさずに追ってきた。最近では、初監督作『フォーリング 50年間の想い出』(20)を発表し、今年8月には主演作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(22)も公開され話題に。そんなモーテンセンが10月20日に65歳の誕生日を迎えた。そこで誠に勝手なことではあるのだが、独断と主観的偏愛による「ヴィゴ・モーテンセンを推したくなる“ベスト65”」を発表させていただきたい!

2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『はじまりへの旅』
2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『はじまりへの旅』[c]Everett Collection/AFLO

アラゴルン役がめちゃくちゃハマっていた

1:アラゴルン役がめちゃくちゃハマっていた
とにかくこれに尽きる。登場当初のアラゴルンは各地を放浪しており、みすぼらしい身なりをしているのだが、モーテンセンからあふれる気品が“王の末裔”というキャラクターに説得力をもたらしていた。

2:アラゴルン役は代役だった
最初にキャスティングされていた俳優が若すぎたため、急遽モーテンセンにオファーが。

3:当初は乗り気じゃなかった
ビッグチャンスとはいえ、ニュージーランドでの長期撮影だったので一度は断ろうとした。

4:息子のあと押しで出演へ
しかし、息子ヘンリーが原作小説の大ファンで強く懇願されたこともあり、オファーを受けることに。原作は未読だったので、ニュージーランドへの飛行機の中で読んだのだとか。

5:負傷しながらも撮影続行
殺陣のシーンで剣が歯に当たり欠けてしまったが、接着剤でくっつけて続行しようとした。

6:謙虚な性格
5のエピソードが武勇伝のように言及されると、本人は「みんななにかしらケガをしていたよ」と控え目な受け答えをしている。

7:率先してリーダーに
大ベテランから新人まで様々なキャリアの俳優が集まっていた「ロード・オブ・ザ・リング」の現場。モーテンセンは若手に自然のすばらしさを伝えようとするなど、率先してフォローをしていたそう。

8:第1部『~ 旅の仲間』のラストシーンがかっこよすぎる
ガンダルフが闇に落ち、ボロミアは討たれ、2人で旅立つフロドとサム。暗い顔をするレゴラスとギムリに対し、アラゴルンが「(連れ去られた)メリーとピピンを救おう」と励ますシーンは、クライマックスの展開としてはバッドエンドだけど希望も見える爽やかな余韻を感じさせていた。

9:好きなシーンに『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)の烽火リレーを挙げていた
救援を求めるため、ミナス・ティリスからローハンに向けて次から次へと烽火台に火が灯されていくダイナミックで感動的なシーン。

10:平和を愛する
プロモーションで来日した際、「石油の為に血はいらない」と書かれたTシャツを着用し、サインには「和」の文字が書き添えられていた。

11:スター路線には進まず
インディーズ系や欧州、南米の作品を軸に独自のキャリアを築いていく。

ゴンドールの王として兵を率いて黒門へ(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』)
ゴンドールの王として兵を率いて黒門へ(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』)[c]Everett Collection/AFLO

馬が好きなアーティスト

12:ユニークなバックグラウンド
デンマーク人の父とアメリカ人の母を持ち、幼いころからベネズエラやアルゼンチン、デンマークなどで過ごしてきた。

13:多言語を操る
いろいろな国で暮らした経験から、英語、スペイン語、デンマーク語、フランス語、イタリア語などを操る。それは俳優業にも活かされている。

14:牧歌的な子ども時代を過ごす
2人の弟と牧場で乗馬をしたり、釣りや狩猟も行っていた。

15:カウボーイ役が似合う
オーシャン・オブ・ファイヤー』(04)で、灼熱の砂漠が舞台の長距離馬術レースに参加した実在のカウボーイを好演。愛馬ヒダルゴとの絆は感涙必至。

16:馬が好き
ヒダルゴを演じた馬とは絆が芽生え、撮影後に引き取ったそう。ちなみに、「ロード・オブ・ザ・リング」でも共演した馬を引き取っている。

『オーシャン・オブ・ファイヤー』で愛馬ヒダルゴを演じた馬を引き取った
『オーシャン・オブ・ファイヤー』で愛馬ヒダルゴを演じた馬を引き取った[c]Everett Collection/AFLO

17:アーティストでもある
俳優業に加えて、詩や絵画を創作し、写真家としても活動。Wikipediaにも「俳優、詩人、写真家」と記載されている。

18:出版社を設立
2002年にアート系の出版社パーシヴァル・プレスを設立し、モーテンセン自身も画集や詩集、写真集を発表している。

19:馬を撮影した写真集「The Horse is Good」を制作
やっぱり馬が好き。


『ダイヤルM』にはモーテンセンが描いた絵画が飾られている
『ダイヤルM』にはモーテンセンが描いた絵画が飾られている[c]Everett Collection/AFLO

20:ミュージシャンとしての一面も
多数のアルバムを発表。元ガンズ・アンド・ローゼズのギタリスト、バケットヘッドと共同で制作した作品も。

21:歌声もすばらしい
『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の戴冠シーン、『はじまりへの旅』(16)などで聴くことができる。

22:詩を書く時はペンと紙
アナログ派?

23:詩を書く時はスペイン語が多い
素直な気持ちが表現できるそう。

詩人という一面も(『28DAYS』)
詩人という一面も(『28DAYS』)[c]Everett Collection/AFLO

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