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是枝裕和監督「自分のスタイルは確立していないし変わっていく」“精神的な師“と仰ぐホウ・シャオシェン監督への想いも明かす

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是枝裕和監督「自分のスタイルは確立していないし変わっていく」“精神的な師“と仰ぐホウ・シャオシェン監督への想いも明かす

国際交流基金×東京国際映画祭co-present「交流ラウンジ」企画の「アジア映画学生交流プログラム マスタークラス」が開催中の第36回東京国際映画祭内で10月26日、東京ミッドタウン日比谷のBASE Qにて行われ、是枝裕和監督が出席した。モデレーターは山形国際ドキュメンタリー映画祭プログラムコーディネーターで早稲田大学講師の土田環が務めた。

【写真を見る】ホウ・シャオシェン監督と撮影監督、リー・ピンピンとの思い出を語った是枝監督
【写真を見る】ホウ・シャオシェン監督と撮影監督、リー・ピンピンとの思い出を語った是枝監督

「アジア映画学生交流プログラム マスタークラス」は、日本を含むアジアで映画を学ぶ学生を東京国際映画祭に招待し、是枝監督によるマスタークラスと学生同士の交流会を通じて、アジアの映画の未来を担う次世代の人材育成につなげることを目的としている。

ホウ・シャオシェンとエドワード・ヤン、台湾を代表する映画監督との出会い

イベントでは、是枝監督が1993年に手掛けたテレビドキュメンタリー「映画が時代を写す時 侯孝賢とエドワード・ヤン」の冒頭部分を上映。本作は、是枝監督がテレビの世界に入って6年経ってから撮った作品。「なぜ、この作品を観ていただいたのかというと、映画なのかテレビなのかと悩んでいた時期に撮った番組です」と説明し、「20代、30代に僕自身がなにを考えていたのかを知っていただくことが、一番役立つのかなという想いで観ていただきました」と話した是枝監督。それまで「もう辞めよう」と思う毎日を過ごしていたが、28歳くらいから「テレビがおもしろい」と思うようになったという是枝監督が、ホウ・シャオシェンとエドワード・ヤンという台湾を代表する2人の映画監督の撮影にかける想いに迫るインタビューのようなものを撮ってほしいという依頼で撮った作品が「映画が時代を写す時 侯孝賢とエドワード・ヤン」だった。

テレビ出身ならではのエピソードが飛び出す場面も
テレビ出身ならではのエピソードが飛び出す場面も

「深夜番組で流す予定のものだったけれど、当時は深夜でも予算があった時代で、ヤン監督への台湾取材を許してもらえるということで台湾に行きました。これが僕にとっての初台湾でした」と振り返った是枝監督。父親が台湾生まれということもあり、台湾に行くことは「ヤン監督を見て映画を目指すべきなにかがあると見ることにプラスして、あまり多くを語ることのなかった父親の原風景という繋がりを持っていました」と打ち明けた。

父親に興味を持って訪ね歩いているわけではないと前置きしながらも、父親の戸籍にある場所を訪ねていくようなことをしていると話した是枝監督。「父親の育った場所とシャオシェン監督とヤン監督とのつながりのようなものを感じていました」と振り返り、エドワード・ヤンとはカンヌなどの映画祭で挨拶する程度の関係で、シャオシェン監督とは彼が東京に来ると連絡をもらうような関係を築いてきたとうれしそうに明かした。

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